笹尾根東部(奥多摩・中央線)



                                          1997年11月2日(日)快晴

上川乗BS746…浅間峠835…917熊倉山925…1001生藤山1006…連行山1035…
   (400)   49 (860)  42    (966)   30   (△990)    29(1003)    47

1122醍醐丸1130…和田峠1155…1210陣馬山1240…1324堂所山1335…
     (867)    25 (680)    15   (△857)    44    (・731)    38

1413景信山1420…1455城山1510…1603高尾山1612…1713京王線・高尾山口
   (△727)    35   (・671)   45   (△599)    61         (190)

                                   体力度B+ 神経度A+(歩行合計約8時間25分)
◇5万図 五日市 上野原 八王子
□筆者参考文献 「東京都の山」(山と渓谷社)他


 笹尾根は、南奥多摩最奥の三頭山から高尾山まで甲武相国境(ガイドブック等のテリトリ的にも、奥多摩と中央線沿線の境)をなす長大な尾根です。ただしガイドブック等の項目では西原峠から日原峠、あるいは浅間峠くらいまでのみを笹尾根として扱っているようです。今回は、浅間峠より東部を末端の高尾山付近まで歩きましたので、ガイドブック的には生藤山+奥高尾縦走路ということになります。

◎浅間峠から和田峠
運良く立川630発武蔵五日市行きに発車ベルを聞きながら飛び乗ることが出来ましたので五日市には7時頃着き、すぐに来た数馬行きのバスはほぼ満員の乗客を乗せ7時6分頃五日市を出発しました。下車した上川乗BSからは、Y字路を左へ入り5分ほどくねくねと車道歩きをすると、「浅間峠まで2.0km」の指導標があり、山道に入ります。本日はほぼ全行程「関東ふれあいの道」なので、殆ど遊歩道のような道で安心して歩けますが、頻繁に目にする御影石製の超豪華な標石には、「業者のために税金を無駄使いしやがって!。どうせ役人のリベート稼ぎか、再就職先確保の一環なのだろう!」なんて想像してムカつきを覚えます。
 浅間峠道は、非常にいい角度でぐいぐいと高度を稼げるジグザグ道から始まり、やがて支尾根を絡み、快調に歩けます。浅間峠まで460mほどの標高差を50分ほどで苦もなく登り着くことが出来ました。
 本日1山目の熊倉山までは、無名ピークを数個越えなければなりませんが、そこからは、短い距離の間に名のあるピークが、三国山・生藤山・茅丸・連行山と連発します。熊倉山の次の無名ピークからは、権現山が非常に立派に見えます。この辺はどのピークも展望が開けるとしたら、進むに従って少しずつ変化はありますが、大ざっぱに言うと南面(丹沢・同志・富士山周辺・大菩薩等)が中心で、北面の大岳山方面は樹間から時々見える程度です。この辺から、ぼちぼち人に出会うようになります。
 三国(「さんごく」と読むらしい)山は、三国峠とも言われますが、ここの場合は「突起」(ピーク)から来た名ではなく、尾根を道が乗越す純然たる峠です。峠は普通は鞍部にあるものですが、峠道が尾根すじにある場合、希にピーク近くが峠になっているのを見かけます。ただ、ここの場合も、道はピークの数m西側を乗越していますから、細かく言えばそこが三国峠で峠近くのピークが三国山という別々の地点を指す地名なのかも知れません。



 三国峠付近よりの展望。近景左奥;扇山 遠景中;滝子山 近景右奥;権現山


 三国山からは、比高僅か10mほど下った鞍部を経て、ものの3〜4分で生藤山に着いてしまいます。三角点ピークの他、そのすぐ東に痩せたピークがある生藤山付近は露岩も出て、ちょっとアクセントを添えてくれます。
 茅丸は山頂らしい山頂で本日の最高峰です。
 連行山は、細長い頂稜部の最高点より少し東に山頂表示があり、そのまた先の頂稜部東端からは、本日初めて陣馬山と対面出来ました。 西原峠から連行山まであまり高度を下げずに来た笹尾根も、ここから高度を下げ始め、高尾山を経て関東平野に没することになります。醍醐丸へは、「醍醐丸まで0.7km」の標識では、右の巻道を選び、次の「醍醐丸まで0.3km」の標識から左の尾根道を登ります。山頂は薄暗く北面の樹間からかすかに奥多摩方面が覗ける程 度ですが、「八王子でいちばんたかい」という表示がありました。
 和田峠への道は、緩い登りも含む、意外に長く感じる展望のない道です。最後、林道に出て右へ100m強で和田峠。ここまでが、本日の第1ラウンド終了と言った感じです。

◎和田峠から高尾山口
 いよいよ、ここから行楽地ゾーンへ突入。ここからは、道中、前後に人の姿が見えないことは、皆無となります。
日曜日でもあり、和田峠の駐車場は車であふれ、峠から15分ほどで登り着く陣馬山もざっと見て数百人の人であふれ返っています。陣馬山の、展望は実に開放的で、人がいなければ最高なのですが。南側の茶屋の上階の南向きの席に座り、うどんを注文して食べます。うどんには、椎茸と山菜が入っていて、お茶もついて500円は、駅の立ち食いでも何か入っていれば350円くらいですから、ここが山上であることを考えればリーズナブルな値段です。
 縦走路は次の堂所山を巻いていますが今回は寄って行きます。山頂自体、北高尾山稜に少し入った所にあり、そのまま進むと八王子城跡方面に続きます。奥高尾縦走路へ戻る分岐は山頂から100mほど戻った所にあります。実は、小生、陣馬山側からは北高尾山稜へは2度来ていますが、こちらから奥高尾縦走路は初めてなんです。最近特に、混んだ山は好まないので、奥高尾縦走路自体、遙か昔に高尾山側から歩いて以来なのです。今回は、ロングコースの終盤はフラフラだろうから人通りが多い方が安心だし、東京都民にとっては代表的なハイキングコースなのだから、たまには歩いて見ようかと思ったのです。
 景信(かげのぶ)山への登りからは、コブコブの北高尾山稜が見えて、アップダウンにシゴかれたのを思い出します。
 小仏峠が近付くと、中央自動車道のトンネルが下を突き抜けているので、車の騒音が「ステレオ」で聞こえます。
 城山は、この辺に多い山名なので、八王子城山、津久井城山と区別するために、小仏城山などとも呼ばれます。この辺から高尾山までは、道はますます整備され、庭園内の遊歩道の様相を呈してきます。
 高尾山の山頂はもう16時で暗くなりかけているというのに、人・人・人でごった返しています。
 下りは、所々展望が開ける気分の良い尾根道である、稲荷山コースへ。樹間の道は暗くなってきても、遠景は意外に明るく、丹沢方面の山々のシルエットも風情があります。四阿のある稲荷山付近からは、点き始めた八王子あたりの街の灯がきれいに見えました。国道20沿いの灯りが近付いてくる頃には、かなり暗くなっていて、懐中電灯を出すために立ち止まっている人もいましたが、まだ足元は何とか確認できました。稲荷を通過する頃には見下ろされる高尾山口駅周辺の灯りが完全に夜の装いになっていましたが、最後に小川を渡って降り立ったケーブル駅前から京王線・高尾山口駅までの周囲はこの時刻でもお祭りか縁日のような人混みで、臨時出札口まで設けられているにも拘わらず乗車券を買うのに、券売機の前に4〜5分並びました。



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