1997年11月16日(日)曇
(小田急線・新松田よりバス約25分)寄BT830…みんなの森入口905…雨山峠1105…
(280) 35 (400) 120(960) 30
雨山1135…檜岳1215…伊勢沢ノ頭1245…秦野峠1320…1340秦野峠林道竣工記念碑1350
(1160) 40(△1167)30 (1177) 35 (860) 20 (740)
…1513高松山1520…1633高松山入口BS(バスで新松田へ約12分)
83 (△801) 73 (90)
体力度B+ 神経度B+ (歩行合計約7時間50分)
◇5万図 秦野
□筆者参考文献 「神奈川県の山」(山と渓谷社)他
日曜日の朝、小田急線新松田駅前のバスターミナルは、大勢の登山客で賑わっていますが、その殆どは1番線・西丹沢方面へのバスを待って一目100人以上の行列。寄(やどりき)行きの出る3番線には、釣り人も含めてほんの数人です。新松田発8時(土曜日なら7時50分)の寄行きに乗りました。小田急線にアクセスの良い人なら、7時13分発に間に合うでしょう。 ◎寄から雨山峠 バスから降り立った寄BT付近は、まだ谷も広く近くの運動公 園で朝のお勤めを済まして、中津川(なんてありふれた地名な んだ!)に沿った一直線な道を上流へと歩き出します。今日は、天気予報では晴れる筈なのに、前方の源頭部中腹より上は雲の中。 やがて道は屈曲し出し、みんなの森キャンプ場最奥右手から登山道が始まります。しかし、この道は一気に山腹を登るのではなく、沢を左へ・右へと渡りながら、いくつも現れる堰堤を高巻いて行く道です。所々現れる木橋は、濡れていて滑り、固有振動数が歩調と合ったりしてちょっとビピります。指導標を見逃さず、正規ルートを行けば問題ありませんが、いろいろルートが取れるので、前回(雨山峠から鍋割山)ここを通った時は、堰堤が現れる度に右往左往していました。今回は1度だけ廃道に入っただけで済みましたが、それでも藪に帽子を取られて、もろに頭から腐葉土を浴びました(^^)。 川が、ゴルジュ状になる頃、道は一旦左岸の山腹へ離れて行きますが、やがて左へいくつもの小沢をすぐに、或いは少し遡って渡って行く、雨山峠道は、変化があって非常に面白い道です。先ずは、碧色の脆い岩の沢。上流方向を見上げれば滑滝、しかしざらざらの岩ですから、「ざら滝」か。更には、普通の河原、そして峠直下は、花崗岩の風化した脆い白亜の涸沢の廊下。そのU字溝のような底を同じような造りの枝沢を見送りながら歩くのはこの世のものとは思えないような不思議な気分です。 登り着いた雨山峠にはテーブルがあるので、一休みの予定でしたが、7〜8人の、おば(あ)さん団体が占拠していたのでそのまま通過。ここまで、登るに従って雲も上がって来たので、霧に巻かれる事はありませんでしたが、標高1500〜1600m以上の雲は結局、最後まで残ったみたいです。 ◎雨山峠から秦野峠林道 雨山峠から稜線を右へ行けば鍋割山ですが、今回は左へ檜岳(ひのきだつか)を目指します。15分ほどのきつい登りのあと10分くらい緩く登って行くと、指導標は右手の巻道に檜岳を指しています。もし、正面のピークが雨山だったら後悔することになるので取りあえず直進して行って見ましたが何の表示もなし。戻って指導標に従って5分ほど行ったピークに雨山の山頂表示がありました。山頂にベンチはなく、地面も濡れていたので、少し先の境界標石に腰掛けてコンビニおにぎりを食べました。右は相模平野、左は丹沢主稜部であることが樹間越しに覗ける道を淡々と行きます。途中、一人の登山者を追い越させてのんびり歩いて行くとやがて檜岳。縦走路は山頂の20〜30m北を通っていて、標識やテーブルがあります。勿論、三角点のある山頂部を往復。 檜岳からの下りはこれまでとは打って変わってススキの原。開放的な眺めですが、ここまで来ても本日は曇り以上には回復せず。道志らしき山々が幻想的なシルエットとして望まれました。 本日の最高点にして最深部、山頂の雰囲気も宜しい伊勢沢ノ頭ですが3組の先客があったので早々に通過。やがて下り着いた秦野峠には、テーブルがあったのですが既に先客があって、そこも通過。実はこのコース、特に伊勢沢ノ頭付近に関して、ガイドブックによっては「背丈を越える藪」、「鹿柵沿いはダニだらけ」等の恐ろしい記述があって、「ヤバかったら引き返そう」とビビりながら歩いて来たのですが、ここまでは、歩き易い道が続き、一安心。しかし、この後、お約束のように悲劇は訪れたのでした。 秦野峠林道への下り道、右手から鹿柵が。これはこれまで度々あったので、気にせず進むと、およよよよよ、左手からも鹿柵。両者に挟まれた、1m位しかない隙間の道は、本日最高のヤブヤブ。ええいっ、ままよっ。構わず突進。鹿柵は、下部が針金の格子、上部は有刺鉄線。ご期待通り(?)、左手からの藪の反動で、右手の有刺鉄線のお世話になったのでした。怪我こそなかったもののシャツがカギ裂きになったのは言うまでもありません(ToT)。降り着いた所は秦野峠林道が乗越して行く鞍部で「新・秦野峠」と言ってもいい場所でした。 ◎秦野峠林道から高松山BS ここには、秦野峠林道竣工記念碑があり、今までの悪戦苦闘はウソのような、開けた場所です。記念碑の台座に腰掛けて、今日初めての落ち着いた休憩です。ここからは、大野山方面が明るく望まれました。 秦野峠林道は立派な舗装道路ですが、ここから枝分かれした未舗装の林道を50mほど行くと、登山道の入口があり、ここからぐんぐん登ると、やがて左にジダンゴ山からの道を併せます。ここからは、以前来た道なので安心して歩きました。高松山を示す標識は随所にあって、歩き易い道が続きます。初めは、起伏のない道ですが、やがて現れるY字路は、右の尾根通しに登って行く方を選びます。このピークの頂上手前から振り返ると、手前にジダンゴ山からの山稜、その奥に雨山峠から伊勢沢ノ頭の山稜、雨山峠の奥に丹沢主稜が望まれます。このピークを過ぎるあたりからは、本日最後のピーク、アンテナポールがある高松山が尾根続きの左奥に確認出来ます。次の鞍部から高松山へは右手へ尾根通しに登って行きますが、なぜかビリ堂分岐の手前30mほどがヤブヤブです。分岐からは、僅かのゆるい登りで高松山に着きました。 芝生に覆われた小広い高松山山頂は気分の良い所ですが、天気が良くなく、時刻も遅いためか、無人でした。ここまで、のんびりとはいえ、あまり座れる所もなく歩き続けたので最後くらいゆっくり休憩しようと思ったら、弱いながら雨が!。そそくさと下山。今までと比べものにならないほどしっかりした道を、先ほどの分岐から、さっさと下って行きます。 途中、不気味な笛の音と叫び声、ビビって足を速めると、案の定、つながれていない犬と、ハンターWith鉄砲。銃のない国のはずの日本。こんな、里の近くで、このような活動が許されてよいものか!!。犬やハンターにあぶり出されて出て来るかも知れない、イノシシやクマに対抗できるはずもないけれど、両手にあわてて拾った石を持って彼らの前を通り過ぎるのは、ささやかな抗議の意志(石)表示です。 麓に出て、川沿いに東名高速道路の下をくぐればR246に出て、左手少々で高松山入口BS。 今回は、一部のガイドブックに書かれているほど藪もひどくなく、展望皆無でもなく、悠々のんびり、静かで充実した一日の山旅を楽しむ事が出来ました。一般ハイカーとしての適期は、草が枯れて、尚且つ雪のない季節と限られていますが、その時季を狙って行く価値ありのコースです。 ![]() 大野山犬クビリ付近より秦野峠−高松山の稜線を望む(97.05.25撮影) ▲項目索引▲ ◎トップぺージへ戻る◎ |