1997年 3月 9日(日)快晴・やや強風
(JR・猿橋よりバスにて)奈良子入口BS905…林沢戸入口BS925…1100宮路山1110
(342) 20 (410) 95 (△1113)
…1205大岱山1230…1310セイメイバン1320…桜沢峠1355…天神峠1425…1500稚児落し1505
55 (1190) 40 (△1006) 35 (700) 30 (620) 35 (590)
…岩殿山1615…1700JR・大月
(・634) 45 (360)
体力度B+ 神経度B(歩行合計7時間25分)
◇5万図 都留
□筆者参考文献 「ハイグレードハイキング[東京周辺]」(山と渓谷社)
「遊歩百山11」(森林書房) 他
大岱山(おおぬたやま)は、5万図に山名注記がありませんが、中央線・大月の北方、雁腹摺山(1857)へ続く尾根上の金山峠の少し大月寄りで尾根が分岐するあたりの、山頂が5万図で1180mの等高線で囲まれた部分にある山です。大月付近で言うと西方の高川山など、昔は穴場だったらしいのですが、今ではすっかり団体客でごった返しています。しかし、北にあるこの山は、今のところまだ訪れる人も少な目で静かな山歩きが楽しめます。 ガイドブックにあった猿橋838のバスは消滅していて、奈良子行は午後までありません。仕方なく、848上和田行の奈良子入口BSで下車。20分ほど歩いて、ふたつ目のBS林沢戸入口から左へ下りて行って、民家の前を通り、小橋を渡れば、右に目印の製材所。その角を右折すれば、すぐに目印の薬師堂が左側にあり、そこへ入ってお堂の左裏手から山道に入ります。 尾根へ取り付いて登ると、ふたつ続けて左から車道の終点が突き上げてきて、その上のあたりで一時道が不明瞭になりますが、歩き易そうな所を選んで上へ上へと、尾根を登り続けます。何本か現れる道は、尾根から遠ざからぬように、選んで行きます。大抵は目的地に向かっていますが、歩き易さ(厚い落ち葉の上は滑ります)や距離(直登かジグザグか)が異なります。林の中、ただひたすら登り続けるとやがて一時的に平坦な痩尾根となったり伐採跡地になったりはしますが、その後も登り続けます。やがて背後の百蔵山や扇山が同じくらいの高さになり、登りが緩むと、穏やかになった尾根道は左に折れます(山神平)。石尾根チックな伸びやかな尾根を僅かに進むと宮路山です。距離的には、まだ序の口ですが、ここまてで、本日の登りの大半は消化したので、ほっと一息つきます。 大岱山へはちょっと下りがあった後、再び気分の良い道を散策気分で進みます。やがて、小さな源頭部を左へトラバースして、やや不明瞭になった道を少し注意して進むと、一登りで、大月方面から尾根が合わさる、大岱山東峰。ここから西が大岱山の頂稜部ですが、比高10m程のピークが4つ位あって、どれが最高点か判りませんでした。ひとつ目のピークは南に、ふたつ目は北にと小頂稜が不連続に斜めにずれて重なっていて、その間の窪地は、ガイドブックによれば、獣たちが集まるヌタ場を形成していたらしいです。3つ目のピークで本日始めて登山者に出会いました(初老男性二人組、その後も稚児落しまで誰にも出会わず)。4つ目のピークで一休み。北に樹間ながら目立って見えているのは、姥子山?。雁腹摺山は、その左遙か奥の、左半分ワラの色、右半分深緑(樹木)のあたりでしょうか。4つ目のピークからは本格的に下っているようで、5万図1177標高点峰らしきピークは大分低く見えるので、どのピークが山頂なのか同定出来ませんでしたが、大岱山の標高は、約1190mと見ておけばいいでしょう。一応山頂候補のすべてのピークを踏んで、東峰から大月方面への尾根を下ります。 桜沢峠まで下り一方で、随所に好展望地があるので、最近出来た(筆者のS53年版5万図には未記載)送電鉄塔・送電線が目障りなのを除けば、非常に愉快な道です。途中僅かに登ったピーク(下から見た場合はピークだが、実際は肩のような所。東海自然歩道の焼山もそうです。)は1006.2三角点のセイメイバン。ちょっと一休み。 セイメイバンから滝子山方面を望む。桜沢峠からの登りは、あまり歩かれていないようで急に道がか細くなります。5分強で登り着いたピーク高ノ丸は何の変哲もない林の中ですが、天神峠への下りで再び道がはっきりしてくるのは、天神峠を車道が乗越しているので、車で来て往復する人が多いのでしょうか。 天神峠の次の鉄塔ピークから振り返る。再び登ると、痩尾根や露岩や松が出現する面白い道になります。天神峠から15分程の所にある720m*1 等高線の鉄塔ピークは、360度の展望台です。少し先の713.5三角点を過ぎて、右(南西)寄りに向きを変えて下って行くと、待望の稚児落し。岩殿山へ尾根と、南西に派生した小尾根に挟まれた>型の100m程の絶壁を見下ろせます。 稚児落しから岩殿山を望む。この辺から、細かい登降を繰り返し、兜岩へは、裏側へ一旦下って反対側を戻るように登ります。ザレた道や、鎖場をビビりながら下ると、やがて岩殿山との鞍部に当たる築坂。ここを右に下れば大月駅へ行けそうですが、中央自動車道の山側上部に出てトラバース不能で逆戻りと言う噂なので、そのまま岩殿山分岐まで進みました。しかし、分岐点は頂稜部の一角まで数分の所まで上がった所だったので、ここまで来ては寄らねばと思い、山頂へ往復しました。 岩殿山山頂は頂稜部の東端にあり、絶壁の上から見下ろせば、猿橋駅の向こうに、以前百蔵山から見ても気になっていた、神楽山からの尾根の末端がシリコンウエハーのように平らに削り取られた造成地*2がヤケに目に付きます。何なんでしょうね?、これは。 ※2021年後付け註 *1 ネットの地理院地図(等高線間隔10m)では740m。 *2 桂台(宅地)。 ▲項目索引▲ ◎トップページへ戻る◎ |