加入道山・大室山(丹沢)




                            98年 7月18日(土)晴

(小田急線・新松田よりバスで)西丹沢自然教室BT940…白石沢キャンプ場跡1020…
                    (540)   40       (660)  74

1134白石峠1140…1155加入道山1205…1310大室山1320…1420犬越路1425…
    (1307)    15    (△1418)    65  (△1588)  60    (1050)    45

用木沢出合1510…1530西丹沢自然教室BT(バスで新松田へ)
     (610)   20               (540)


                              体力度B 神経度B(歩行合計約5時間35分)
◇5万図 秦野 上野原
□筆者参考文献 「東京周辺の山」(山と渓谷社)

 東京方面から富士山を遠望するとき、前景としていつも堂々たるボリュームの山体が目立つのが大室山です。標高も丹沢では蛭ヶ岳、桧洞丸に次ぐ高さです。昔は交通不便な深山だったようですが、現在は西丹沢までバスが入り、東京から楽に日帰り可能です。
 にも拘わらず、訪れたのは今回が初めてです。ガイドブックに「展望がない」と書かれているため、「結構きつそうなのに、展望がないのでは…」と敬遠していたのです。今回、行くことにしたのは、前日、2ヶ月近くも山に行っていないのでどこか行こうと物色していて、「どうせ、このごろの視界が利かない天候だから、久しぶりに緑にどっぷり漬かれれば、いいや。」と永年懸案だった大室山〜加入道山コースを選択したのでした。

 現在、バスは昔のガイドブックにある終点西丹沢(箒沢)より徒歩30分ぶんくらい奥の西丹沢自然教室まで入っています。空はほとんど快晴、谷幅は広いのに車道から覗き込める川の水は透明です。沿道にオートキャンプ場が多い車道を上流へるんるんと歩いて行くとやがて車止めがあり、右手に指導標。
 がーん!。当然そこには「犬越路」の表示があると思ったら、「白石峠」を示していました。分岐の用木沢出合いを見逃してしまったのでした。犬越路からは2度下って来た事がありますが、初めて登りに使おうと思ったのに。でも、約10分戻って20分のロスにするのも業腹なので、どうせ周回コースだし逆に周ることにしました。
 左手下に白石沢キャンプ場(廃止)を見て、車止めをすり抜けて行きますが、しばらくは車道の道幅があります。堰堤を高巻く所だけ小径となりますがまた再び太くなり、驚いたことにまだ若木の街路樹まであります。やがて、木橋や石伝いに何回も川を渡り返すようになると普通の登山道になります。珍しくコンクリートでなく鉄製の堰堤がありますが、これは鉄鋼の需要を増やすためだそうです。
 しばらくして、左手の支尾根に取り付きますが、乗越して左側の沢に白石の滝を見る事が出来ます。説明の表示があり別名「大理石の滝」とも言われるとのこと。なるほど、足元にもそれらしき石が見受けられました。 更に上部へ行くと両脇から少々草がかぶりいやな感じの涸沢の道となります。「白石峠0.4km」の指導標から急登となりますが、峠まで意外に長く感じました。
 樹木に囲まれてテーブルのある白石峠から加入道山までは僅かです。加入堂山の山頂は、東西に長い頂稜部の一番西寄りにあります。やはり、樹木に囲まれています。樹間からも、霧のため太平洋側は何も見えません。同志側はやや霧が薄く、谷底の赤い屋根がぼんやり見えますが、山の方は見えません。この辺は、ブナ林が有名ですが、筆者は植物の知識が乏しく葉の形からカエデが解る程度。一番多い木がブナだろうと思いました。せめて、ツツジの季節なら花を愛でつつ歩けるのに、本当に、緑にどっぷり漬かるだけの山歩きでした。


 緑濃い加入道山頂稜部。


 長い頂稜部を東へ進み、少し下って少し登り返したピークは同志方面への分岐になっていて「前大室山」の表示がありますが、どちらかというとまだ加入堂山の領域です。(ここはガイドブック「神奈川県の山」では「馬場峠」となっていました。)
 やがてややはっきりと下った鞍部は「破風口」。そこから少し登った所は、伐採跡のようで、犬越路を除くと、西側だけですが本日唯一展望が開けた所です。しばらく加入堂山を振り返り見るシャッターチャンスを狙いましたが、霧のため、一瞬見えていた加入堂山は隠れてしまい、前大室山が見え隠れする程度でした。どうも、今日は標高1300m程度から上には雲がかかっているようで、大室山へ向かって登って行くと、完全に霧の中の道となりました。
 やがて、大室山山頂方面(左)と犬越路方面(右)の分岐。左へ入り約300mほとんど登りもなく、やはり樹間で展望皆無の大室山に着きました。


 破風口から登り、霧中の加入道山(中央奥)を振り返る。


 犬越路から西丹沢自然教室方面を見下ろす。


 先程の分岐から犬越路への下りは標高差が500m以上もあります。やっと着いた犬越路は本日としては開放感のある所です。ここから用木沢方面へ東海自然歩道を下り始めます。ひとしきり斜面を下った後は、出合まで何回も流れを渡り返しながら行きます。沢沿いと言うより河原と言った雰囲気の広い谷の緩い下りです。やがて、今朝登った車道に合流し、西丹沢自然教室へは20分ほどです。この辺も、既に曇ってました。運良く、10分後発のにバスがありました。新松田へ着くとそこは晴れてました。

 本当に「展望はない」コースでした。ガイドブックに「展望はない」と書かれた山でも、普通は、コース中に何ヶ所かは展望地があるものです。例えば桧洞丸も山頂の西からの山中湖方面の展望は素晴らしいですし、ツツジ新道や主稜の登り下りの途中にも何ヶ所か展望地があります。それなのにこのコースと来たら…(^^;)。
 久しぶりに、緑の中を歩くことはできましたが、やはり落葉の季節かツツジの季節の方が宜しいようです。出来れば霧もない方が…。霧中の閉塞感が堪りませんでした。



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