滝子山(中央線))



                        1999年12月9日(木)快晴

JR・笹子927…大鹿峠入口942…寂しょう苑1002…1209滝子山1243…桧平1318
 (□603)  15 (□545)  20  (640)   127  (1620)  30(1250)

…1510初狩
112 (450)


                         体力度B 神経度B-(歩行合計約5時間10分)
◇5万図 都留

 大菩薩の最南端にとんがった滝子山の頂は相模湖〜笹子付近の中央線沿線のいろいろな山から見て目立ちます。そして、近くからは峨々として且つ実に重量感溢れる山体が望まれ、アプローチでは「これからあれに登るのか!?」と不安になるほどです。しかし、見た目より簡単に山頂に立つことが出来、そこでは筆舌に尽くしがたい大展望を得ることが出来ます。
 この山の笹子からのクラシックルートは大鹿峠道から時計回りに沢沿いに回り込むコースですが、山頂僅か西から南へ延びる寂しょう尾根(「しょう」の字は「小尚」と書くのですが見つからないのでひらがな表記にします)は、雑木林の美しい尾根道を直登して手っ取り早く山頂に立つことが出来るうえに上部では岩場のスリルもちょっぴり味わえる事から、近年はこちらが人気のようです。滝子山2回目の筆者もまた寂しょう尾根(^^;)。(人によっては「寂しょう」の名を嫌い「南稜」その他の表記を用いているようです。)平日のためか、山頂を独占できたのを含め、山中一人の人にも遭わずに済みました。

 笹子駅からR20を15分ほど東進し、指導標に従って左折、大鹿峠道へ入ります。少し東進した後、北へ折れ中央道を渡って右手園地をやり過ごすと、右手に「寂しょう苑」の案内板を見つけ、やや藪勝ちの取り付け道路を行くと山小屋が3棟並ぶ施設「寂しょう苑」があり、ここが滝子山登山口になっています。
 山道に入って登りが続きパテが来る頃峰の山との鞍部付近で寂しょう尾根に取付きます。一旦車道へ出ますがすぐにその法面をロープでよじ登るように山道へ入ります。ややきつい登りの後、雑木林の中、いい感じの緩やかな登りが続きます。時々、足下が落ち葉で滑って難儀しますが、尾根がはっきりしているので歩き易そうな所を選んで行きます。小気味よくぐんぐん高度が上がっていって振り返れば、前回は樹間の青空の中に白い富士山上部も見えて来ましたが、今回、雲に潜ってしまっていて、三ッ峠ばかりが目立ちます。甲府方面も雲が出ていました。前方の山頂の下は壁のように屹立して見えます。再びはっきりした登りになる頃、露岩が現れ始めます。一段落して傾斜は緩みますが、その後、傾斜は更に急になり、完全に露岩帯の道となります。しかし、技術的には問題ありません。危険を感じた所も2〜3箇所ありましたが、それは滑ったりコケた場合を想像してのことです。きついところでも平均傾斜は45度くらいですし、ルートが豊富で岩角の他、立木の幹や根も使えてホールドも十分すぎるほどありますので、微妙なバランスや強い腕力は要求されません。ただし、尾根の側面へ回り込んで転落死した人があったとのことで、出来るだけ尾根の真ん中を直登するようにルートをとった方が、より安全でしょう。
 前回は岩場よりはむしろ主稜線(と言うにはいかにも短い。まあ、山頂のある尾根くらいの意です。)へ取付く泥道が滑って難儀しましたが、今回は乾いていたのでノープロブレムでした。主稜線に出たら、右へ。小さなピークをひとつ通過し、木の根・岩角を頼りに最後の急登を頑張れば山頂…と思ったら、山頂は、更に次のピークでした(^^;)。
 筆者以外誰一人いない山頂は、寒風吹き荒びます。この日、晴れていましたが、何となくモヤっぽくて、富士山方面や甲府方面は雲が出てきていて絶好の展望日和ではありませんでした。しかし、それでも、言葉に出来ない展望が広がります。例えば、丹沢、道志、前道志の順に近づくに従って低くなっていくなど、この好位置は、すぐ近くに自身より高い稜線が横たわっていないので遠くまで視界に入るところが素晴らしいことです。パノラマ写真にしておきましたので横スクロールしながらご覧下さい。印象的なのは、九鬼山や高川山が非常に小さく低く見えることです。





 下りは東へ。すぐに1590m三角点があります。滝子山の標高を、この三角点の標高としているガイドブックもありますが、5万図でも山頂は1600m計曲線に囲まれています。腕時計の気圧高度計で30mの差でしたので、山頂の標高は1620mくらいと思われます。
 この先もやや急な下りはあるものの、登りの道に比べれば穏やかです。平坦な、いい感じの場所へ来たと思ったら「桧平」の表示がありました。更に下っていくと、1000mをやや下回った地点に指導標があり、尾根を左に離れて山腹を下っていきます。やがて、沢沿いの道となり藤沢集落を通ってR20へ出ます。初狩駅へは左折します。


 R20へ出るあたりから滝子山を振り返る。



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