高塚山から御前山(中央線)



                     2001年 5月 4日(金)雲時々晴

JR・四方津730…903大地展望台910…高柄山953…新矢ノ根峠1031…1120御前山1136
       (260)  93    (730)  43(△733) 38  (500)   49 (・484)

…1236上野原
60  (200)


                                 体力度B- 神経度B(歩行合計5時間00分)
◇5万図 上野原

 中央線藤野−大月間南側、桂川と秋山川に挟まれた山域を個人的には前道志と呼んでいて、その主脈上、名のある峰としては東端に位置するのが高柄山です。(地形的には更に東の藤野丘陵へ続くが高度がぐっと下がる。)
 高柄山は、標高が低いにも拘わらず倉岳山等に比べてハイキングコースとしての難易度は若干高く格付けされていますが、それは上野原方面への道が少し藪っぽい等やや難路のためと思われます。従って、藪が枯れ、尚かつ残雪のない時期が展望にも恵まれ適期ですが、若干虫が飛んでいるのを別にすれば今回、花と新緑の中の道も悪くありませんでした。
 実は、前回92年12月に行っているのですが、その時、ガイドブックの記述では矢ノ根峠を経て上野原に下る筈の道が、なにやら造成工事で御前山(この辺、御前山が多いので、区別するため鶴島御前山と呼ぶようです。)方面へ迂回させられたのです。その後、旧来のコースが復活するのかと思っていたら、造成地はゴルフ場であり、矢ノ根峠の道も完全にコース内とあって完全に廃道。最近のガイドブックでは、当時迂回路だと思っていた道が本線になってしまいました。しかし、気になる事が残っていたのです。
 当時迂回中と言うことで、すぐ近くを通りながら、何の気もなく巻いてしまった御前山。中央線の車中や四方津御前山からはもっこりと目立つ山です。五万図にも山頂への破線がないのですが、登山道はあったはず。念のためネットで検索してみると登った記録もいくつかあり。と言うことで、今回はこれを目玉として出掛けました。

 四方津駅前左のガードをくぐり、里道を行きますが、指導標が豊富なので迷うことはありません。やや下って桂川(相模川)を渡り、今度は登って行きますが、この辺の里道も花が多く、鳥の声も聞こえ、車もあまり通らないので風情があります。やがて、未舗装から小径となりますが、大地展望台まで適度な傾斜が続きます。その間、植林区間は僅かで、新緑の中、緑の光のシャワーを浴びながらのんびり行けます。


 新緑の中を行く。


 主脈が近づくと右へ左へといくつかのピークを巻いて行き、主脈上で登り着いたピークが大地展望台(新大地峠。標識には大丸山の名。)で、南東の展望がいい感じです。


 大地展望台。


 ここから東へ急降下して高柄山を目指します。いくつか越えていくピークの登り下りは急ですが、木の根が道を階段化していて、ここのところ雨が多くて地面が湿っぽいにも拘わらず、この辺ではそれ程難渋する事はありませんでした。左に千足への道(通行止)を見て、次のピーク付近では右側が伐採跡地で、明るい雰囲気。昨日まで天候が悪く異常低温だったのですが、射してきた陽は、初夏の趣でした。更にひと登りすれば高柄山ですが、無人を期待していた(適期でないとはいえ休日の著名コースですから過大な期待でしたが(^^;))にもかかわらず、先客が2人いて、雰囲気が個人的に好ましくないので三角点に挨拶しただけで北へ下りました。
 この辺から、深山の趣が出てきて、それに浸ると共に、藪や落ち葉に埋もれてで滑りやすい部分があったりで少し緊張します。いくつか小ピークを絡んで行き、矢ノ目という鞍部から5分ほど登るとコンテナ風の休憩舎があり、「コースガイド」の掲示があります。この先から東の尾根伝い矢ノ根峠方面へは通行止めとなっていますので北の御前山へ続く尾根に沿う道が現在のコースとなっており、ここは「新矢ノ根峠」と言うことになったようです。
 北へ急降下し、じめじめした道を行けばすぐ右手にゴルフ場が迫る、御前山との最低鞍部に下り着きます。沢沿いの道はやがて登りに転じ、ジグザグに高度を稼いで行きます。振返れば高柄山方面が遥か高く見えます。五万図420m等高線ピークを越えて少し下るといよいよ御前山との鞍部。道は分岐しており、ここから右へ巻いて行くのが現在の下山道だと思いますが、そのまま尾根上を御前山へ。
 この登りは急な上に、つるつると滑りやすく、2度ほどずり落ちて膝を突きました。登りでこんなにスリップするのは極めて異例で、僅か数十cmでもずり落ちている最中はかなりの恐怖感がありました。もし、この道しかなければ下りにも通らなければなりませんのでロープを持参していなければすぐに分岐まで引き返したかも知れません。しかし、難所は僅かで、傾斜が緩むと頂稜の一角です。更に緩く登って行けば三角点(たぶん四等で、五万図では標高点。)のある山頂です。意外に明るい感じの切り開きで、北側の展望が広がります。


 鶴島御前山山頂から四方津御前山の東稜。


 御前山からは東へ下る道がありましたので先程の悪路は下りに使わずに済みました(^^)。この道も急なことは急ですが、固定ロープ完備で、困難を感じずに下ることが出来ます。やがて送電鉄塔を過ぎ、更に一段下れば里道に出ます。この道を右へ道なりに下って進めば桂川橋を経て上野原駅まで30分程です。駅の手前、車は右へ登って線路の北側へ回り込みますが、歩行者には左折して南口の階段を利用する近道があります。



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