栄蔵室(北茨城)



                     2001年 5月20日(日)晴時々曇

(JR・磯原よりタクシー)水沼T字路1015…花園橋1042…猿ヶ城T字路1143…
               (300)  27 (360)  61   (600)   50

1233栄蔵室登山口1242…1332栄蔵室1340…花園山1415…1440花園山・栄蔵室登山口入口
    (780)    50  (△882)  35(・798)  25     (770)

1445…猿ヶ城T字路1517…花園橋1607…水沼T字路1635…1655水沼ダム駐車場1703…
  32   (600)   50 (360)  28  (300)   20      (280)   92

1835中妻小学校(タクシーで磯原へ)
    (20)

                                体力度B 神経度B (歩行合計約8時間10分)
◇5万図 川部 高萩
□筆者参考文献 「茨城県の山」(武村岳男)

 茨城県には高い山がなく、これより高い八溝山や高笹山は県境に位置するので、栄蔵室は筑波山より数m高く、山頂周辺が完全に茨城県にある山としては最高峰と云われています。また、山頂には一等三角点もあり、標高の割に交通費は高くつきますが、東京周辺の著名なコースをかなり歩いてしまったら、話の種にはるばる行ってみるのも一興です。
 常磐線・磯原駅からかなり内陸にあり、バスは本数がなく、しかも休日運休ですから、無いカー族の筆者としてはタクシーを利用せざるを得ませんが、下山時刻の予想もつかないのでタクシーの予約も出来ず、帰りの足が心配で、東京から日帰りだとせわしない行動とならざるを得なかったコースではあります。

 磯原からタクシーで出発点の予定地、三差路になっている花園橋を目指します。本日の予定は参考書に従って花園橋−花園渓谷−栄蔵室−七ツ滝−花園神社−花園橋と反時計回りの周回コースです。目的地を告げると運転手氏は当然知っているという態度なので安心していましたが、よく判らないうちに三差路を左へ曲り更に進んで後、「このすぐ先が花園神社」と言います。それでは、さっきの1kmくらい手前の三差路が花園橋と言うことに。なら、戻らねば。「じゃ、どうせ戻るのだからメーターを下ろして、乗せていってあげましょう」と親切に言い、三差路の少し手前の橋で降ろしてくれました。先程のUターン地点のまでの料金4180円を払って降りてみると真新しい橋の横に古い橋もありましたが、ここは三差路ではありません。仕方なく、三差路まで戻って見ました。ここが花園橋なら磯原側から見て右に入るのが花園渓谷への道の筈なので、そちらへ行ってみると橋がありました。しかし、橋の名は「水沼橋」(ToT)。つまり、ここは花園橋の三差路より2kmも手前の水沼の三差路だった訳です。小縮尺の5万図ではY字路でも現場近くの感じではT字路と言うこともあるので、ここはT字路なのに花園橋はY字路のはずという判断はしなかったのです。仕方ないので、本稿ではコースタイムはここ、水沼のT字路を起点にします。
 再び、さっきの道へ入り、花園橋を目指します。この辺では、渓流の釣り人を多く見かけます。やがて、起点にするはずだった花園橋に着きました。ここまでタクシーで真っ直ぐ来た場合に比べれば50分程のロスでしょうか。
 橋を渡って三差路(Y字路)を右へ入り、右手対岸にオートキャンプ場を見て進みます。橋を一回、二回と渡って緩く登って行きます。割と開けた感じのの谷ですが、傍らの清流に目をやれば、渓相もいい感じ。しかし、あまり変化のない景色なので、数10分歩くうちにあくびが出ました。やがて、傾斜が強まり、道の蛇行が目立つ頃、沢が左手に合流して来るあたり、猿ヶ城渓谷・箱滝を示す指導標があり、沢への下り口になっています。たぶん、このコースの白眉だと思うのですが、参考書では「沢歩き」となっていて、一般向きにどの程度整備された道がついているのか判らないので見送り、そのまま車道を行きました。すると2〜3分でT字路に突き当たりますので左へ。この道は、猿ヶ城渓谷を高巻くようにぐんぐん高度を上げて沢から離れて行って眺めが開けて来ます。その後傾斜が緩むと、左手の沢の高度が追い付いてきて、またまた流れを見ながらの道になりました。
 目指す栄蔵室方面らしき高まりが左方に見えると少し先で、左へ関係車両専用の砂利道が分かれ、ここに左「花園山・栄蔵室登山口」、右(そのまま舗装道)「栄蔵室・花園山登山口」の指導標があります。左折すべきか迷いましたが、まだ来た道も登り勾配ですし、栄蔵室の山名が先に書かれているのを重視して、左折せずにそのまま行く事にしました。すると、数分で立派な案内板のある「栄蔵室登山口」に着きました。ここまで完全舗装道で、数台の車が駐車しています。ここまで車で来てしまうと、標高差もあまりなく、筆者と同じコースを辿った場合2時間ほどの歩程になります。昼時を過ぎていたのでここで弁当タイム。


 登山口からいよいよ美林の中を行く。


 ここからいよいよ美林の中の山道、緩い起伏を辿ります。やがて正面が開け、山頂方面らしいアンテナが見えますがルートは尾根のつながりに沿って、右から回り込みます。広場のような所から砂利道となり、アンテナ施設のためなのか、場違いな電柱・電線が目障りです。山頂直下で指導標に従って右へ擬木の階段を登ると先程遠望したアンテナ施設から頂稜部が始まり、山頂三角点はそこから100mくらい奥にありました。樹林に囲まれ、展望はありません。


 栄蔵室山頂。


 頂稜部はもっと奥まであり、道もそちらへ続いています。そちらが、七ツ滝方面への下山道だと思うのですが、参考書の案内図でも七ツ滝方面へは山頂から少し戻ってから西へ行くような破線が描かれているので、先程の砂利道へ戻りました。実は先程の山頂直下の指導標では、砂利道を行けば展望台があるように書いてあったので、そちらに寄ってから下りたかったのです。砂利道は、この先山頂直下の南面へ回り込んでいるように見え、そうであれば、七ツ滝方面への下山道が合流して来るはずなのです。
 しかし「展望台」とは100mほど先の右カーブの路肩に短い丸太を切り株のように立てた椅子があるだけの場所のようで、この季節ですし、遠望もありませんでした。その先で砂利道は終わり、山道となりますが、この道は七ツ滝方面への下山道までは南へ回り込まず、東へ進み花園山へつながる道でした。途中左へ登山口への分岐がありました。たぶん、来た時栄蔵室登山口へ着く数分手前で指導標を見付けたところへ向かう道でしょうが、取敢ず花園山方面を目指しました。
 道は、沢沿いに下って行くので、このまま花園山経由あるいはその近くを通って直接下る道がある事も期待しましたが、やがて登りに転じて僅かで花園山山頂。その先、道は見当たりません。


 花園山山頂。


 ここも樹林に囲まれ、一人きりの静かな山頂ですが、もう14時を過ぎていますし、今日中に板橋区の自宅まで帰る事を考えるとのんびりしている訳には行きません。すぐに引き返し、先程の分岐を右へ行きます。やがて砂利道となり、思っていた通り最初に左「花園山・栄蔵室登山口」の指導標のあった地点で舗装道に出合いました。
 後は、来た道を下るばかりです。猿ヶ城渓谷入口のT字路、花園橋、水沼のT字路と過ぎ、タクシーで来た道を徒歩で戻ります。やがて、水沼ダム駐車場。ダム湖の最上流部に作られており、ここの湖岸も釣り人で賑わっています。ここで電話ボックスを発見。タクシーを呼ぼうとしましたが…。
 な!な!何と、テレホンカード専用でした。財布を捜すとテレカなし。タクシー会社のフリーダイアルが書かれてありましたが、フリーでもカードなしではかけられません(T_T)。まあ、本当にヤバくなったら民家に飛び込んで電話を借りることにして、尚も歩く事にしました。しかし、なかなか電話ボックスがなく、次に見付けたのは6Kmくらい下った中学校の手前。ここまで来ると磯原駅も踏破圏内なのでいっそ歩いてしまおうかと思い、取敢ずそこは見送り、更に1.5kmほど歩きましたが、常磐道が見え、駅まで残り3kmほどと思われるの所で時計を見ると、このまま歩いては19時を回ってしまいます。ちょっとヤバいかなと思い中妻小学校前の電話ボックスからタクシーを呼びました。すぐにタクシーが来て、駅まで900円。結果的には歩いたとしても次の特急に間に合っていましたが、鈍行で帰ることが出来たので、タクシー代は無駄ではありませんでした(^^)。
 しかし、後で調べてみると、往きに無駄な特急代を使っていました。自由席特急料金は上野−日立が1780円、上野−高萩だと150km超となり2100円なので「スーパーひたち3号」に日立まで乗ったのですが、もっと手前の勝田でも同じ普通列車(この列車で磯原へ)に乗り換えられる列車ダイヤだったのです。上野−勝田ですとB特急区間となり、1370円で済んでいたはずなのでした(T_T)。



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