真名井沢北稜(奥多摩)

緑のルート


                         2001年12月16(日)快晴

JR・古里845…川井分岐949…1132真名井沢ノ頭1200…標高点付近1310…(道を探す)…
  (290)  64  (680) 103     (1250)  70  (・1002)     45

標高点付近1355…1420四五号鉄塔1430…真名井橋1530…1612川井
  (・1002)  25     (820)  60 (320)   42  (270)

          今回の結果からは 体力度B 神経度B+(歩行合計約7時間05分)
 ※赤テープに書き込みがなければ多分 体力度B 神経度B(歩行合計約6時間20分)

◇五万図  秩父・五日市
□筆者参考文献 「中央線の山を歩く」(藤井寿夫) 

 前週、日向沢ノ峰(ひなたざわのうら)からの下りでトライして、日没時間切れ敗退した真名井沢北稜への再チャレンジです。今回は初めからここが主目的なので、遅くとも正午に真名井沢ノ頭を出発することを目指しました。従って、真名井沢ノ頭へは鳩ノ巣から大根ノ山ノ神経由が一番確実なので、そのつもりだったのですが、立川から乗り込んだ青梅線奥多摩行が日向和田付近に差し掛かるころ下腹部に強烈な差し込みと便意。我慢に我慢を重ねましたが、少しでも早くこの苦しみから解放されたい、しかし、列車を1本遅らせたくはないので古里(こり)下車で、赤杭尾根を登ることに急きょ変更。(^^;)

 古里駅で無事、朝のお勤めを済ませて出発。赤杭尾根は一度下りに使ったことはあるのですが、勿論古里付近の里道の記憶皆無。予定変更のためルートの資料もなし。駅前の観光看板の情報を頼りに奥多摩側の踏切を渡って駅裏(北)側へ戻り、少し北上して熊野神社へ。境内で清掃している人に神社の裏からの登山道の有無を聞くと、ないとのこと。しかし、神社の前の道を200〜300mくらい奥多摩方向へ行けば右手に川苔山への道があると教えてくれました。
 行ってみますが、登山口を発見できずに、谷沿いに入って行く車道に突き当たってしまいました。しかし、通りかかった地元の人に聞いて少し戻ると登山口はありました。看板のペンキが剥げていたため、登山口を示しているとは気が付かずに通過した場所です。そこを入って以降は指導標完備で、真名井沢ノ頭近くまで迷う所はありません。
 道はズマド山を西から巻いて赤杭尾根に取付きます。そこには右:川井駅への分岐を示す指導標がありますが、川井駅への道は廃道との情報もあります。


 赤杭尾根の道から城山、鋸山、御前山、三頭山方面。


 ルートは、尾根上からピークの左右を巻いて尾根上に登り着くことを繰り返しますが、特に最後の海老小屋沢山(・1147)を右から巻いてジグザクに尾根に登りつくところはきついです。その後尾根をぐいぐい登れば真名井沢ノ頭の僅かに左下を通過して分岐へ。そこから右手、僅か20m程の距離、5〜6m程の標高差を折り返すように登れば真名井沢ノ頭です。(下側から尾根を直接登るのはヤブ露岩帯のため困難。)一般には川苔山との組み合わせになると思いますが、やはり、登りは大根ノ山ノ神ルート経由の方が傾斜が平均化されていて時間が掛からないと思います。正午まで昼食休憩。
 出発前に腕時計の気圧高度計を1250mにセットして、いよいよお目当ての領域へ。少し行くと尾根は幅が広がりますが、赤テープを追いかけて行けば痩せ尾根となります。


 真名井沢北稜上部の道は雑木林でいい感じ。


 どんどん下って行くと両方に赤テープのある分岐が。多分5万図1160m等高線付近で尾根が分岐する場所です。前週はこれを直進して新秩父線46号鉄塔へ行ってしまい、それから45号、44号と2つの鉄塔巡りをした後時間切れ退却となった訳です。今回も、前週の周りの状況についての記憶が定かでなく、その時点では確信があった訳ではありませんが、ここは取り敢ず右へ。これが異常に急な下りで、一瞬真名井沢へ突っ込む枝尾根に入ってしまったかと疑いましたが、やがて穏やかな道となり、しばらく進むと植林帯となりやはり真名井沢へ突っ込む気配。あわてて50mくらい戻ると下って来た方から向かって左手に分岐があり、5万図とコンパスで方向が正しそうな事を確認してそちらの道に入りました。
 やがて、前回見た憶えのある右への分岐の赤テープがあり、ここまでのコースが正しかったことを確信。今から思えば前回は1160m分岐点を直進して46号鉄塔手前までへ行き、1160m分岐点に引き返す途中で見付けた分岐から山腹を巻いて、今回のルートに合流したようですが、前週の記憶は混乱していてこの時点では次の鉄塔が前回最初に行った鉄塔だと思っています。木に巻かれた赤テープには黒マジックで「真名井沢経由でとりかむ橋へ」と言うような事が書かれていたと思います。沢に下らないのはハイキングの鉄則(滝があったらそこから先へ進むのは困難)だと思っていますので、前週同様、勿論直進。一気に下ると前方に鉄塔が見え、「45号」と鉄塔の番号が読めます。「また来ちゃった」と思い引き返すと、例の赤テープ地点まで今度は分岐がありません。今思えば当たり前です。45号は前回の2つめの鉄塔で、3つめの44号へは45号からのみ繋がる(普通は前後の鉄塔への道がそれぞれあるが、44号へは45号からの盲腸線となっている)山腹道を行ったのですから。
 しかし、東電の仕事道のつながりがどうなっているにせよ、次の鉄塔への道が必ず分岐しているはずだと思い、また分岐を求めて下ってみますが、道は勿論尾根の分岐もありません。45号への尾根が支尾根なのは間違いないので必ず真名井沢北稜のメインの尾根が分岐しているはずなのです。45号への途中まで下り、また、例の赤テープ地点まで登り返します。つまり、この辺を2往復してしまったわけです。周りの地形の観察から唯一尾根に行けそうなのは例の「真名井沢経由でとりかむ橋へ」の道です。もうここを下ってみるしかありません。そのまま沢へ突っ込むようだったら引き返して、最悪でも前週同様に大根ノ山ノ神ルートへ退却すればいいのです。本日は日没まで時間もあるし、懐中電灯も持っています(^^;)から前回よりは安心して深追い出来ます。
 急坂を下ってみると、東電の標柱があり希望が湧きます。やがて、はっきりとした尾根道(一部北側を巻きますが)となり、希望は確信へと変化しました。(後の調べで先程の「真名井沢経由でとりかむ橋へ」の分岐点付近が五万図の1002m標高点であることが確定しました。)その後も赤テープに導かれて行くとマウンドが現れ、それを右から巻いて43号鉄塔台地へ。この時点では、ここが前回の3つ目の鉄塔で、前回は山腹道、今回は尾根道を来たのだろうと思っていたのですが、それならあるはずの次の鉄塔への巻道がありません。周りの景色も少し違う感じ。何れにしても、ここが43号であることは確認できた(前回はそれぞれの鉄塔の番号を確認するのを怠っていた)し、参考書でこれまで北に飛び出た支尾根上の鉄塔を伝って来た送電線は43号から下は、尾根沿いになることを知っていましたので、先程のマウンド付近に戻って道を探します。尾根方向の樹間の向うが明るく開け、東電の標柱らしきものも見えますが、そこへ行く道がすぐには見つかりません。マウンドを越えてしまってから、さっき鉄塔へ来たときのようにマウンドの巻き道を辿るとありました。鉄塔への巻道から右へ戻るように分岐していたのです。
 先程樹間から見えた明るい場所はやはり伐採地でした。そこに立つと正面には真名井沢の対岸:赤杭尾根が厖大な感じに見えますが、作ること自体が目的と思われる車道が走っていて痛々しい眺めです。そして、左前方には42号、41号、40号、39号と思われる鉄塔が尾根上に並んでいるのが見えます。


 43号鉄塔南方の伐採地から真名井沢北稜下部。奥は高水三山。


 ここからは、非常に明瞭な尾根道でした。鉄塔の下を次々に通過し、39号の手前の右分岐を下って行けば12分で真名井沢林道に降り立ち、更に左へ4分で真名井橋を渡って、大丹波川沿いのバス道に出ます。ここのバスはあてに出来る本数はないのですが上日向のバス停で一応確認。やはり使える便はなく、川井駅まで40分ほどの車道歩きです。

 結局、筆者に対して真名井沢北稜下りの難度を高めていたのは1002m標高点付近の「真名井沢経由でとりかむ橋へ」の書き込みでした。これが書き込まれておらず、ただの赤テープだったら、周りの景色から判断して迷わず正しいルートに入っていたはずです。情報の利用は自己責任ですから仕方ありませんが、いやな事を書いてくれる人もいたものです(T_T)。それとも筆者の読み間違い?。



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