竜涯山〜柏木山(奥武蔵)



                      2002年 2月 2日(土)晴

西武線・飯能914…947八耳堂953…1007竜涯山1014…1042赤根峠1052…
   (100)  33  (・121)  14  (240)   28   (205)  22

1114柏木山1118…舗装道路1154…東都CC正門前1231…1258尾長入口BS(バスで飯能へ)
  (・303)  36  (180)  37   (290)   27

                  体力度A+ 神経度B (歩行合計約3時間30分)
◇2.5万図 飯能
□筆者参考文献 「武蔵野と奥武蔵」(奥武蔵研究会) 他


 飯能周辺のハイキングコースと言えば、現在のガイドブックでは天覧山〜多峯主山かせいぜい高麗峠を越えて巾着田方面、ちょっとマニアックなものでも七国峠くらいしか紹介されていませんが、筆者手持ちのブルーガイド「武蔵野と奥武蔵」(1969)には、飯能の西に朝日山から赤根峠を経て竜涯山(龍崖山)へ至るコースが紹介されています。
 以前、朝日山(美杉台団地の西213.3m三角点一帯)へ行って、その足で赤根峠を経て行こうと思ったのに、この辺の丘陵を南北に乗越す車道の西側は立入禁止のようでした。2週間前に午後発ちで偵察に行った時も「赤根峠入口」というバス停はあるのに、柵で囲われていて赤根峠方面へは入れなくて、北麓へ回って竜涯山まで往復して来ました。
 この周辺は、2.5万図で見ても宅地造成中で、またゴルフ場も出来ており、行ってみなければどこまで歩行可能なのわかりませんが、今回は朝から出掛けて、竜涯山から赤根峠、更にはその西の柏木山(303m標高点ピーク)まで行く事を目標としました。

 西武線・飯能駅北口を出て、左へ。西へ一直線に進んで飯能河原(入間川)を歩道橋を渡り、道也に右へカーブしたらすぐに左折してまた西へ進みます。大河原のバス停付近で右折(直進すると左へカーブして赤根峠入口方面へ行ってしまう。)、左へカーブする道を入間川右岸に沿って行きます。
 やがて、「公衆トイレ」の標識があり、左手に八耳堂という仏堂があります。奥には神社もあり、竜涯山へはここから山道を登ります。すぐ登り着いた小尾根上の平坦地から右手に尾根の左側を急登すると、左から来る尾根に登り着き、右手はもうドーム状の山頂部です。雑木の中、急登しばしで意外に広く切り開かれた山頂に着きますが、先程の平坦地や、山頂付近の人工的な小地形など如何にも昔の砦の跡という感じです。山頂の石碑には「歴史のある龍崖山を残すために地主が土地を出し合った」と言うようなことが書かれてあり、それでこの周辺だけ宅地造成の浸食から難を逃れていた訳が解りました。
 いよいよ期待と不安の入り交じる、未知の領域への出発です。僅かな急降下の後、非常に気分の良い雑木の尾根道となりますが、5分ほどでそれは終わり、平坦にならされた造成地へ出てしまいます。もし、工事関係者がいたら引き返すしかないのですが、誰もいませんし、立入禁止のバリケードもないので、予定通り赤根峠を目指します。



    造成地上段からの大パノラマ。

 造成地は、目の前が元の稜線付近らしく高い段で、右側には法面を介して一段低い面が広がっています。上の段の右縁を通らせてもらいましたが、ここからは奥武蔵から奥多摩の大パノラマが楽しめます。上の段が終わってしまっら、下の段の車道を西へ進みます。やがて造成地の端で車道が突き当たりになり、左右(南北)方向に走る稜線が僅かな比高で目前に迫るので、やや右手から藪へ突っ込んで登ります。すると稜線を乗っ越した数メートル先で、稜線に沿った明瞭な道に辿り着く事が出来ました。左(南)へ数十m行くと待望の赤根峠でした。
 ここには「赤根が峠 標高205m」の標識やベンチ、それに造成地方面(2本の道があった)への立入禁止を示す立て看板があり、今来た道(立入禁止の表示はないのに入口にバリケードあり)の他、非常にしっかりした道が2本南西方向に向かっていて、この周辺も昔は結構賑わったハイキングコースだったことを偲ばせます。地形図を見ると、柏木山へはまず今来た道を北へ500mくらい行き、その後西へ尾根伝いに辿るようです。早速、実行に移します。
 北へ辿る道はずっと造成地の西の縁の柵に沿っています。2つくらい小さなピークを右から巻いた後、今度は左への巻き道を行くと造成地から離れて、ゴルフ場の南の縁の緑色の金網の柵に突き当たりますので左へ。今後西へ辿る尾根道はずっとこの金網沿いとなります。ゴルフ場が眼下に見え、その先には日和田山から高山不動方面へ続く奥武蔵高原が望めます。
 いくつか小ピークを越えながら少しづつ高度を上げると、この付近で一番高いピークはずっと稜線上に通っていた金網から数m左にありました。ここには勿論三角点標石はありませんが、飯能市の「2級基準点 No.24」の標石がありました。筆者はここを柏木山(2.5万図 303m標高点ピーク)と同定しました。


 柏木山山頂。


 更に、金網沿いの縦走は続き、いくつかの小ピークを越えながら高度を落として行きますが、やがてはっきりした登りのピークがあって、そこからはゴルフ上を南北に貫通していると思われる一般道らしき車道が見えました。ゴルファーが歩道橋で渡っているのが見えます。このまま行けば、その車道に降りることができ、その車道を北に行けば入間川沿いのバス通り(名郷−飯能)に出られるはずです。なにしろ、この稜線からは南側へ下るとバスの便が悪いので、北側の入間川沿いへ下りたいのですが、ゴルフ場が北側を塞いでいるので、それを貫通している道があれば願ったり叶ったりです。
 喜び勇んで金網沿いに稜線を下って行くと、さっき見えた道まで50mもないところで、水道タンクのような施設が行く手を塞ぎます。この施設の周りの柵沿いは今までのような道はなく、樹木が繁茂。仕方なくさっきのピークへ戻り、南へ派生する小尾根を下ります。これを下ってさっき見えた車道へ登り返すしかないと思ったわけです。この小尾根は下るに従って道形不明瞭となりますが、すぐに舗装道路に降り立つことが出来ました。
 これを少し右へ行けば先程見えた道が右へ分岐していると思ったのですが、そんな分岐はありません。2.5万図を見ると600mくらい先から戻るように付いている道があり、この道がさっき見えた車道でしょうが、図上ではタンクの先で終わっているので、北へ貫通しているかどうか解りません。
 結局は、このまま東都カントリー倶楽部の正門前を通って尾根を乗っ越して下赤口へ通じるやや遠回りでも明瞭な車道を辿りました。ひとしきり登ったあと左手ゴルフ場沿いに平坦に行く道は東都カントリー倶楽部の正門前までたっぷり2車線ある立派なものですが、ゴルファーがプレイ中のこの時間帯、車が殆ど通らないのでのんびり歩けました。正門前から幅員が狭まり、くねくねと下り始めますがこの辺から正面に見える天覚山〜大高山は標高の割に迫力があり、更にその上に霞む奥武蔵高原の700〜800mの稜線はまるで2000mの高山のようです。
 下赤口の集落で突き当たった道を右へ、対岸のバス通りに行くために橋を求めて進みます。このあたり、棚田があったりするのですが意外に住宅の密度が高いのが印象的です。やがて見付けた「扇橋」で入間川を渡って、直近の「尾長入口」バス停から飯能行のバスに乗りました。

 このコースは、歩程も標高差も小さいのですが、藪もあり、もはやハイキングコースではないようなやばい所(^^;)も通るので、やや好事家向けかも知れません。



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