奈良本尾根(中央線)



                       2002年 2月24日(日)晴

JR中央線・藤野1112…登山口1133…イタドリ沢の頭1216…矢ノ音1316…1411相模湖
     (210)   21(200)   43   (△506)   60(620)   55  (210)


                 体力度A+ 神経度A+(歩行合計約3時間00分)
◇2.5万図 上野原
□筆者参考文献 「中央線の山を歩く」(藤井寿夫) 
 奥高尾縦走路途中からのエスケープルートとして明王峠−与瀬神社の道があり、よく利用されていますが、その途中五万図633m標高点付近から西へ延び505.8m三角点に続く尾根が、奈良本尾根です。以前穴場だった、北高尾山稜、南高尾山稜もすっかり賑わうようになってしまった現在、この山域としては貴重な静寂ルートです。

 藤野駅から相模湖寄りの踏切を渡ります。この踏切へは駅正面R20へ出た場合すぐ左のY字路を左へ登って行く感じです。長くて排ガス臭いトンネルを、時折通る車にビビりながら抜け、坂道を下ります。日野集落へは、五万図上500mくらい行って戻るように右折ですが、途中右手の「中央電子近道」と看板がある階段から始まる小道を行けば多少ショートカット出来ます。
 5万図に示された車道へ出て右へ行けば、中央電子の前を通り、沢井川を渡って、その先、左側から張り出した尾根の突端の手前に、「明王峠 5.2km」の道標も立っいる、かなり判りやすい登山口があります。


 奈良本尾根への登山口。


 想像していなかった高尾周辺規格と言えるほどの良い道を登ればすぐに尾根が台地状に開けて畑などある場所に着き、この辺からの眺めは高原情緒を感じます。送電鉄塔の先で道は2分しますが、たまたま下りてくる人がいて、「どちらも一緒になる。」とのことだったので、赤テープもある左の尾根道へ。この道は笹の中を行くので「いよいよ藪山か」と身構えるのですが、また歩き易くなり、一段上の尾根へ出て左へ僅かの登りで、505.8m三角点のイタドリ沢の頭(奈良本山)です。木に囲まれていますが、樹間から桂川上流方面倉岳山等が見えます。


 イタドリ沢の頭(奈良本山)。


 この先、道は尾根に沿って右(東)へ折れます。この道は非常に明瞭で、分岐の指導標も立派すぎるくらい立派なのに、人に会わないのは素晴らしい!(^^)。メインルートは次のピークを右から巻きますが、本日、明王峠方面へは向かわず、すんなり与瀬神社へ下山予定の筆者は、左手へ登ってピークへ寄って行きます。このピークは扁平な感じですが、雑木がまばらな明るい感じで、非常にいい気分の場所です。ピークからはやや左へ行く道が主稜だったようですが、筆者は直進して、メインルートに出た所は三差路でした。無論左へ行きます。
 次のピークの手前からメインルートは左へ巻きますが、筆者は尾根通しに登ってみます。しかし、このピークは植林の中で、黄色い小さなプラスチック柱が数本立っているだけでした。降り着いたところは林道で、ここも三差路でした。無論、左の主稜方面へ行きます。
 やがて道は尾根を境に左右に分かれますので主稜沿いと思われる右方を選ぶと、稜線上を行ったりいくつかのピークを右から巻いたりしているうちに、林道だったはずが、いつの間にか狭まって遊歩道っぽくなります。しかし、非常に明瞭な道であることは変りません。
 さて、いよいよ大詰めと思われるところで指導標が明王峠を示す道は左へ巻きます。この先、奥高尾縦走路方面へ行くなら当然左へ行くところです。しかし、今回はすんなり与瀬神社へ下降する予定。しかも、正面の尾根道も結構明瞭。五万図では、明王峠−与瀬神社の下降路への合流点は633m標高点のピークのように見えますから、そこへ行くにはどのみちもう少し高度を上げる必要あり、合流点はここを登ったピークにあるものと予想。尾根道に入ります。
 初め明瞭だった道もやや頼りなくなってきますが、頂稜部まで登り詰めました。ピークは右手ですが、予想したジャンクションは発見できず、藪尾根を道なりに左へ下って行きます。これが結構続くので、とんでもない支尾根にでも迷い込んだかとビビり出した頃、明瞭な道に合流。すぐ左後ろから、さっき分かれた道らしき道も合流。そこには「矢ノ音」を示す指導標もあり、ほっと一安心。矢ノ音の合流点は633mピークではなく、そのやや北の地点のようです。
 ちょっと休んでいる間にも、次々と人が通り過ぎます。これが、この辺本来の賑わいなのでしょう。そそくさと下りに掛かります。この道は、かなりの区間殆ど下っていません。そして、その分終盤に急降下します。やがて降り着いた与瀬神社の石段は、30度はありそうなのに手摺りがなく、ビビりながら下ります。
 中央道を渡る歩道橋付近からは展望が広がりますが、肝心の桂川上流方面が、送電線と重なります。ここから駅までは、10分ほどでした。

 このコースには、すっきりした展望が得られる場所は少ないのですが、明るくて、雑木越しに周りの景色も見える場所が随所にあって、残雪等の可能性のある北面も殆ど通らないので、冬場、ぽかぽか陽気期待の、軽いひだまりハイクにぴったりです。日曜日でしたし、道は明瞭で交通の便も比較的良いコースだったのにも拘わらず、日野集落−矢ノ音間では、合計2人しかハイカーに出合わなかったのも素晴らしい(^^)。



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