横隈山(秩父周辺)



                   2002年 3月 2日(土)曇一時晴間

秩父鉄道・野上1020…出牛峠1115…いろは橋1137…林道終点1205…鉄塔33号1237
    (140)   55 (320)   22   (230)   28   (380)  32  (500)

…1301横隈山1315…1337鉄塔32号1343…1353鉄塔31号1358…更木三差路1420…
24   (△594)  22    (480)   10    (480)     22   (300)      25

1445出牛平BS(バスで皆野へ)
     (240)

                 体力度A+ 神経度B (歩行合計約4時間15分)
◇5万図 寄居
□筆者参考文献 「埼玉県の山」(堀江昇 他)
 横隈(よこがい)山は5万図「寄居」の左上の方、鬼石の役場記号から南へ約3kmの所にある593.6m三角点の山です。5万図では山名注記もありませんが、近年、広域のガイドブック「東京付近の山」にも紹介されています。しかし、一般的には割とマイナーな存在で、登る人も少ないので静かな山歩きが楽しめそう(^^)。

 いろは橋付近までは皆野駅から皆野町営バスも利用できますが、1日の本数は平日・土曜日で8本、休日5本と少なく、また、横隈山自体はそれ程長いコースでもないので、取り敢ず往路は野上駅からの徒歩で出牛(じゅうし)峠を越えていろは橋へ行くことにしました。駅前を直進し、R140を渡って右へ道なりにカーブして行く所までは萩寺経由不動山への道と同じ。県道に出たら渡って、そのまま正面へ行くのが萩寺への道ですが、左折して県道を西進するのが今回のルートです。
 1つ橋を渡り、2つ目の橋の手前、ゴルフ場の看板がある所を右に入りしばらく行くとその先舗装道はゴルフ場専用となり、左へ分岐する沢沿いの未舗装の林道が出牛峠へ続く道です。林道終点から左へ山道を登って行き、不動山へ続く尾根上の車道に登り着いた所が出牛峠で、車道の向う側へ下って行けば出牛集落に降り着いたところで、横隈山がいい感じに見えます。


 出牛より横隈山。


 広い舗装道に出たら右へ。左前方に横隈山を見ながら歩を進めれば、右手にバスの「いろは橋折り返し場」があり、更にその数分先の橋がいろは橋です。橋を渡ったところを左折して平沢集落への谷沿いの車道を登って行きますが、5分くらいで民家がとぎれると右へ分岐があるので、入口に道路工事現場でよく見かけるハードルみたいな物が置かれていますが、参考書に従って入ってみます。しばらく先でこの道は陥没(歩行には支障なし)しており、それで車両通行止めだった訳です。間もなくさっき別れた道に合流、やがて通る平沢集落付近は沢沿いとは言え谷が浅く扁平な感じで明るく開けています。
 集落の先、林道終点にはいろは橋でも見かけた横隈山を示す茶色い標柱型の指導標が立っており、その先、沢沿いと、右手へ登る2本の山道が始まります。参考書に従って右を選び、少し登ると分岐があり、例の標柱が左を指すのでそれに従っていくと、沢沿いの道となり、沢の詰めの手前で左へ山腹を登って、鞍部に出てしまいました。さっきの分岐を右へ登るのが参考書の示すルートだったのでしょう。
 ここにも例の標柱があり、右(北)へ数分登ると右(東)からの尾根が合流する丁字路。山頂へのルートは左ですが、谷をはさんで正面に山頂方面が見えます。参考書のルートではまず東へ張り出す尾根に登り着いてから尾根沿いにここへ来る筈だったようです。
 この尾根上にはそう遠くない所に送電鉄塔が見えるのでルートの確認のために行ってみます。鉄塔は尾根の僅か北側にあり「新岡部線33号」でした。鉄塔のやや手前からは先程の鞍部や後に辿る鉄塔の尾根の奥に城峯山が立派に見えます。南西に行く送電線がさっき登り着いた鞍部の南に続く尾根上の鉄塔へ渡っているのも判ります。どうやら、さっき登って来た沢沿いから鞍部への道は参考書のサブコースのようです。尚、帰宅後調べてみると、「東京付近の山」では筆者の辿ったルートが登路として紹介されていました。またさっき登り着いた鞍部は「東京付近の山」では「住居野乗越(すもうののっこし)」、「西上州の山と峠」(佐藤節著)では「平沢峠」となっています。


 33号鉄塔近くから、住居野乗越、鉄塔の尾根、奥に城峯山。


 先程の尾根の分岐へ戻り、山頂へのルートに入ります。始めいい道なのですが、やや登りがきつくなるところから突然倒木が行く手を遮ります。それで目印テープに誘われて右手の道に入ってしまいましたが、これはこのまま沢戸方面へ下ってしまう道のようなのですぐに戻ります。倒木は間伐による物のようです。この辺では尾根は広がって山腹の斜面を登るような感じなので、左右に倒木をよけながら強行突破(^^;)。無事、参考書にある林道に登り着く事が出来ました。


 山頂。


 あとは参考書の記述通り、この林道を右へ行けば左へカーブした先に広場があり、その右手に横隈山の入口がありました。急登ひとしきりで登り着いた頂稜部は北面が崖で東西に長く、初めのピーク(と言っても僅かな高み)付近には石碑がいくつか並んでいますが、一番高かったはずのものは残念なことに2つに折れてしまって背中合わせに置かれています。このピークからは北側眼下ゴルフ場の向うに鬼石の街並を見下ろすことが出来ます。遠望の利く日なら、赤城、榛名等、上州の山々が見えるはずなのですが。三角点ピークは一番奥(東)で、城峯山方面以外は木に遮られていますが、北面の景色はは樹間から伺い知る事が出来ます。
 さて、来た道を住居野乗越まで戻り、そこまで登りに使った道を左に見送ってそのまま尾根伝いに南下しますと最初に登り着いたピーク付近には32号鉄塔があり、基部からは下久保ダム(神流湖)が望まれます。


 32号鉄塔より下久保ダム方面を望む。


 そこから先、登りの手前で山腹に分岐する道があってもピークを巻いて尾根に戻る道である保証はないので、必ず尾根上を登る方を選んで行きます。途中、真新しい四等三角点があってびっくりしたりしているうちに、31号鉄塔に着き、ここから簡易舗装道を数分下ると林道に出ます。更木方面へは左へ下って行きますが、すぐ右手には三差路があり、更木方面から見て左方は採石場入口で、進入禁止、右方は住居野経由で鬼石方面へ通じています。
 途中、一箇所、林道が右、左と折れている所には、直進するショートカットの山道がありました(^^)。その後はのどかな山村風景を眺めながらの一本道です。やがて、家屋が増えてきて、道は丁字路に突き当たります。この辺りが更木で、筆者は見逃してしまいましたが皆野町営バスのバス停があるはずですので、出牛峠越えで野上まで歩く予定でなければ、予めネット(皆野町営バスで検索)等で時刻を調べて置いて、ここからバスに乗ることをお奨めします。
 丁字路を左折して5分ほど行くと採石場の入口があります。この奥の男岳・女岳は昔はハイキングコースだったらしいのですが、採石のため廃止になっなったようです。この辺は石灰の粉塵が道に積もっていて、車が通ると舞い上がります。しかもダンプの通行多数。出来れば歩きたくない道ですので足早に行きます。
 更木から20分くらいで右に皆野への道が分岐していて、そのすぐ先の分岐を左へ行ったところが「出牛」と表示された交差点、更にその数十m先に出牛平のバス停がありました。
 あと1時間強歩いて出牛峠越えで野上へ戻ることも考えましたが、皆野町営バスは土曜日はたぶん平日ダイヤの筈で、バス停の時刻表を見たらそれなら15分待ちで皆野行が来ることになっていますので乗ることにしました。(それ以上待っても来なかったら、休日ダイヤと言うことで更に1時間待ちなので野上まで歩くつもり。)このバスは更木を出発して一度ここを通り、いろは橋折り返し場で折り返して来て皆野へ向かうので、更木で待っていても30分待ちくらいで同じバスに乗れたはずなのです。あのようなダンプ街道を歩くのなら更木から(バス停を見逃したのであるいは次のバス停から)乗るべきでしたが、気分次第では野上まで歩くつもりだったのですからまあいいでしょう(^^;)。数分の遅延はありましたがバスは確かに来ました(^^)。

 この山は、藪も殆どないし、所々展望地もあるし、ガイドブックに書かれているほど好事家向けのコースではありませんでした。筆者が歩いたときは里は梅が満開でしたが、5月は山麓がツツジで彩られるそうです。やはり筆者的には、もっと遠望の利く日に歩きたかったですが、それは低山一般に言えることで(^^;)。



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