元清澄山・三石山(房総)



                        2003年2月2日(日)曇

(JR外房線・安房鴨川よりタクシー)金山ダム1000…1140元清澄山1150…分岐1213…
                   (60)   100    (△344)     23   (300)75

1328三石山観音入口(境内探勝)1426…1532久留里線・上総亀山
            (・282)       66     (140)

                  体力度A+ 神経度B- (歩行合計約4時間30分)
◇5万図 鴨川 大多喜
□筆者参考文献 「東京周辺の山350」(中西俊明 他)

 参考文献「東京周辺の山350」に載っている「清澄山から元清澄山」と「猪ノ川林道から三石山」の各コースの半分くらいづつをつなぎ合わせて元清澄山と三石山を一日で稼ごうというのが、今回のプランです。途中どちらのコースにもない部分が五万図上水平距離で2km弱くらいありますが、「山慣れた県内のハイカーに人気がある。」という記述が、道があることを教えていますし、尾根伝いなので仮に荒れていてもルートファインディングは何とかなりそうです。房総は温暖の地、標高も低く冬がベストシーズンの筈です。以前、麻綿原高原のアジサイがまだ見頃だと言うことで清澄山から養老渓谷駅まで8月に歩いたときは、車道のため草いきれはなかったもののやはり灼熱の世界でした(^^;)。

 早朝の列車を乗り継いで、安房鴨川に915着。最後に勝浦で乗り換えた普通列車はそこまで東京発715特急「わかしお1号」だった車両です。鴨川駅前のスーパーは食品売り場24時間営業なので、食料を仕入れ、その一部はベンチで腹ごしらえに消えました(^^;)。タクシーで金山ダムを目指しますが、方々の田んぼで火の手が上がっていまて、歩道の縁まで炎が来ています。こんな市街地で焼き畑とは恐れ入りました。金山ダム入口BSからトンネルをくぐって金山ダム湖畔へ来ると、ちょっと人里離れた雰囲気です。


 金山ダム湖は渇水で荒涼とした景色。


 目の前、両側が赤く床は木製の釣り橋を渡って湖畔を歩き、再び橋を渡ります。ダム湖は渇水状態で、湖底近くの荒涼たる風景を見ながら行く道は早くも人外境の雰囲気です。指導標に従ってプラスチック擬木の道を登り、鋸歯上の尾根を上下します。標高が低いこの辺は、当然、比高も小さいのですが、それに見合うように地形も細かいので、歩いた距離の割に、コンパクトな縦走気分が味わえます。
 尾根に沿って上下していた道は、右手にゴルフ場が見るようになる頃から、左右にピークを巻くようになります。今日初めて出会ったハイカーである老夫婦らしき二人組を追い抜いて行くと、再び、ピーク上を辿るようになって、3っつ目くらい、やや長い登りを終えると無人の元清澄山です。ベンチや、山名を由来を解説した表示盤があり、元清澄山はその名の通り、現在の清澄山に移った清澄寺が以前にあった所とのこと。


 立木に覆われた元清澄山山頂。


 急傾斜を下り、清澄山への「関東ふれあいの道」縦走路を行きます。左下に林道が見え、一時そこへ降りますが、すぐ林道は終点となり、右へ尾根道に復します。この辺から三石山への分岐を見落とさぬようにと注意深く行くと、「野生動植物の保護にご理解を」との東大演習林の看板があって、その手前、左へ戻るように登って行く尾根道を指して「三石山」の小さな指導標がありました。


 元清澄山(左巻き道)−清澄山縦走路から三石山(尾根道)への分岐。


 その道は、今までとはうって変わったヤブっぽいワイルドな登り、右側が崩壊してちょっとアブナい下りから始まり、先が思いやられましたが、すぐに普通の山道となりました。この辺は標高は低いのですが、ジャングルのような自然林に囲まれ、地盤が脆いせいか、地形は細かく、痩せ尾根や崩壊地が多く、緊張感があって飽きません。今日は天候も芳しくなく、元清澄山への道でも1組出会っただけなくらいなので、奥まったこの辺ではハイカーには出会いそうもないと思っていたのですが、意外にも中高年男性二人組とすれ違いました。天候は回復することなく、曇ったままどころか温暖の地なのに小雪が谷から吹き付けて来る始末ですが、道がはっきりしているので不安感はありません。参考書で、猪ノ川林道からの道が合する地蔵峠は気が付かずに通りすぎてしまったようです。
 やがて左手に採石場のような造成地が見えてきますが、道は尾根を西に逸れ、それに近付いて行きます。谷底も平に造成されているのでゴルフ場のようですが、人影はなく、バブル崩壊で造成を途中でやめてしまった荒れ地のように認識されました。道は西へ行きすぎ、高度計も235mを指して下り過ぎのようで心配しましたが、やがて東へ登り返して北へ続く尾根に復したと思ったら、老人1人とすれ違い、あっけなく三石山観音の前の舗装道へ出てしまいました。
 車道を渡った目の前には「三石山」の看板をくぐって三石山観音へ続く道がありました。数分かかって三石山観音の建物がある場所へ行くと、目の前には「三石山」の名に相応しく、高さ数mの岩が数個あり、一番高い岩へは道はありませんでしたが、二番目くらいの岩の頂上は「奥の院」となっていて、物干し紐のように張られ針金にハンカチ様の布製品が沢山結びつけられていてちょっと異様な光景です。上総亀山方面等の展望が開けましたが天候が良ければ、好展望台でしょう。三石山観音には入れ替わり立ち替わりで常時10人くらいの観光客がいました。


 三石山山頂付近。


 相変わらず小雪が舞ったり、薄日が射したりの曇り空でしたが、それ以上天候が悪化することはありませんでした。上総亀山へは1時間ほどの筈なので、(1400発は無理なので次の)1559発に乗るには余裕をみても13時30分頃下り始めれば充分。それでのんびり、三石寺境内を見物して回ったりしながら、谷沿いに行く下りの最短路(裏参道)を探しましたが、すぐには見つからず、推定10分くらい遠回りの舗装道(表参道。先程、元清澄山から来て渡った道。)を下ることにしました。
 この道は自動車の往来も少なく、初め尾根を行くので展望も良く、結果論としては正解でした(^^)。景色を眺めながらのんびり下って、1時間少々で上総亀山駅に着き、予定通り、1559発の木更津行ディーゼルカーに乗ることが出来ました。

 房総の原始的な自然林は首都圏近くでは特筆すべき非日常性を醸し出してくれる事を再認識させてくれた1日でした。



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