鍋嵐山〜辺室山(丹沢)



                        2003年11月2日(日)晴

(小田急線・本厚木よりバス)三叉路BS738…837唐沢キャンプ場吊橋先845…1020鍋嵐山
             (320)   59         (320)   95  (・817)

1030…1101コース合流点1115…1138辺室山1147…1229土山峠BS(バスで本厚木へ)
  31      (700)  23  (△644)   42   (300)

                  体力度B- 神経度B (歩行合計約4時間30分)
◇5万図 秦野 藤沢 八王子 上野原

 さて、いよいよハイキングシーズンと言うことで、取り敢えずしょっぱなはジャブという感じで、高水山から派生する尾根でも歩こうかと思ったのですが、当日WEBで見た天気予報が終日晴となっていたので、それではもう少し奥まった所へ行ってみようかと。そこで、思い付いたのが鍋嵐山です。鍋嵐山は、藪が枯れる季節になったら行こうと目を付けていた山なのです。
 数ヶ月前に、比較的近場でまだ行っていないコースを探していたとき、以前歩いた煤ヶ谷から大山三峰への登山道の途中に「物見峠へ」という分岐があったことを思い出し、WEBで調べてみると三峰から物見峠への尾根道は更に北へ辺室山を経て土山峠まで続いていることが分かりました。しかし、煤ヶ谷〜物見峠〜土山峠では交通費の割に歩程が物足りない感じがして、もう少し面白そうなコースはないかと地形図を眺めてみると、物見峠の少し北から西方へ分岐した尾根があり、この尾根上に817m標高点ピークがあります。WEBで調べてみるとこの山は鍋嵐山で、唐沢キャンプ場からこの山を経て三峰〜土山峠の縦走路に合流するルートが歩行可能な事が分かりました。ガイドブックでも見たことのないコースですが距離や標高差がそれ程でなく、比較的安全にささやかな冒険が楽しめそうです。

 小田急・新宿発600の急行小田原行きに乗ると、本厚木655発の宮ヶ瀬行きバス(次は750)に間に合いました。三叉路で下車し先の三差路を左唐沢キャンプ場方面へ。湖面は霧が漂い、対岸の仏果山塊は霞んでいます。トンネルを抜けると今日歩く辺りとも思われる山塊と正対することが出来ます。


 鍋嵐山辺りの山塊。


 1時間弱で着いた左手唐沢キャンプ場に入り、場内の車道からすぐ左へ分岐して河原まで下りてしまいましたがここからは橋がなく、すぐ引き返し車道の先にある赤い橋「唐沢公園橋」で中津川を渡り、更に左の手唐沢川に架かるヤバそうな吊り橋をビビりながら渡りました。ここで小休止。
 ここから尾根を登ればいいわけですが、事前に危惧していたとおり登り口が見つかりません。仕方なく、林野庁か何かの標識の後ろ辺りから適当に登りやすそうな所を木につかまりながら登って行くと、はじめの標高差数mは急斜面ですが、すぐ台地状の緩斜面になりました。高みを目指して右手へ少し行き、後は尾根をとにかく上へ上へ登って行きます。
 これから先、しばらく植林帯を直登しますが踏跡が判然としない区間が大部分です。やがて、倒木(間伐した木)や露岩が現れますが、下草が全くないので、それらをよけながら直登する道は難路ではありません。広葉樹帯に変わると、登り始めて40分くらいで中央部が凹んだ平坦で広い尾根に合流します。
 右へ行くとまた尾根らしくなり、ここからはちょっとスリルがありつつ気分の良い道となります。雑木の尾根道を味わいつつ歩きたいのですが、この日、野獣除けの風鈴を忘れた筆者は多少ビビりながらの道です(^^;)。
 どんどん登って行くと、「神奈川県水源の森林づくり契約地」の看板で左からの尾根に合流。尾根は痩せてきてますますいい感じ。その先の岩稜では表尾根〜丹沢三峰の視界が開けましたが、モヤっていて鮮明な写真は撮れませんでした。


 岩稜からの眺め。


 左手樹間に宮ヶ瀬湖を望める道を登って行くと、また左からの尾根に合流。5万図800m(2.5万図810m)等高線ピークです。プラスチックの標柱に「85」と書かれています。ここまで下りは殆どなく効率よく登って来ましたが、ここから鍋嵐山へは右へ一旦下って登り返します。
 鞍部から両手動員箇所もある急登をひとがんばりすれば鍋嵐山の山頂です。樹木のため展望は良くありませんが、松の枝越しに見る丹沢三峰方面も乙なものです。「どんぐりH.C.」と書かれた木の山名標識は地面に置かれていました。また、このルート、ずっと見かけてきたプラスチックの標柱はここにもあります。山頂部は30mくらい奥まで続いているので一応行って来ましたが、末端の樹間から表尾根方面が覗ける程度で、特記すべき事項はありません。


 山頂から松の枝越しに丹沢三峰方面。


 鍋嵐山からは東へ向かって下ります。途中一旦傾斜が緩むものの、結構急で長い下りです。こういう所は下りに熱中する余り、枝尾根入ってしまうなどと言うこともあるので、足下だけでなく周りの景色にも注意を払いながら下りましたが、紛れやすそうな所はない一本道でした。これが終わると、アップダウンの小さい快適な縦走路となります。
 ここまで、出来るだけ尾根上を歩いてきましたが、この先で、赤テープが示す右への巻き道の方が鮮明だったので、本日初めて巻き道に入りました。その後、左への巻き道も使って行き、最後にちょっとした登り下りで大山三峰〜土山峠の縦走路に出合います。
 合流点の数m手前で一休み。ここにもプラスチックの標柱はありました。また、今来た道には「この先行き止まり」の標識があります。確かに、逆コースだと尾根が平坦で広くなっている唐沢キャンプ場への下降点は判りにくいと思います。ここからは樹間からこれから行く辺室山が見えますが、何故かその奥の経ヶ岳の方が標高は僅かに低いのに立派に見えます。ここまでの山中、人に出会うこと皆無でしたが、ここでは小休止中に目の前の縦走路を物見峠方向へ2組のハイカーが通過して行きました。


 合流点付近から辺室山と経ヶ岳。


 ここからは、歩く人は比較的少ないもののハイキングコースとして整備された道なので、ルートを失う恐れは殆どなくなり、他の事など考えつつのんびり歩きましたが、核心部を通過して気が抜けたためかコケたりもしました(^^;)。
 辺室山の山頂部は広く、雑木に覆われて展望はありませんが、本日最後のピークなのでのんびり休もうとました。しかし、気温が高めのせいか、蚊がまとわりついて来たので10分ほどで切り上げました。50mくらい進んだところで三角点を発見。その左手から下降路が始まりました。土山峠へは途中1箇所僅かな登りがありますが、概ね単調に下ることが出来ます。


 辺室山三角点付近から山頂を振り返る。


 下り着いた土山峠の登山口には「この付近でクマを目撃した情報がありましたのでご注意ください」という看板があり、山中で出合わなかった事に改めてほっとしました(^^;)。

 このコースの唐沢キャンプ場〜コース合流点までは、ちょっとしたルートファインディングも楽しめますし、面白い割に人に出合わない静かで良いルートだと思います。ただし、凍結期はちょっと危険かも知れないので、やはり、秋〜初冬の無雪期がお奨めです。



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