御前山中尾根(奥多摩)



                         2004年3月14日(日)晴

(JR・武蔵五日市よりバス)払沢の滝入口BT757…神戸岩入口BS836…神戸岩911…
                (280)     39     (320)  35     11

922ウッディーハウス周辺927…1112クロノヲ山1125…1201御前山1217…惣岳山1230…
        (405)   105    (1170)   36 (△1405)  13(1340)    46

サス沢山1316…1403頂上広場1408…1423奥多摩湖BS(バスでJR・奥多摩へ)
(△940)    47    (590)   15   (530)

                  体力度B 神経度B- (歩行合計約6時間10分)
◇5万図 五日市 2.5万図 猪丸 奥多摩湖
 昨年春、個人的に未知の尾根を求めて、奥多摩主脈御前山−鋸山間北面にある九重山−鞘口山の尾根を登り、天地山の尾根を下りましたが、もう一つ候補としてあったのが中尾根です。未知の尾根3つの中から2つを組み合わせて登り下りに使うと言うことで、そのときは時間超過した場合のリスクを考えて、比較的交通の便がいい北面の上記2コースを選んだのですが、今回はその時見送った南面の中尾根に挑戦です。御前山南面と言えば1999年の5月2日に湯久保尾根を登った事がありますが、こちらもバスの便は良くないもののガイドブックにも良く紹介されているコースでした。
 中尾根は地形図には破線(小径)が記されているものの、エアリアマップやガイドブック類の附図にコースが示されていません。標高や距離・方角関係では一番正確な地形図も、破線に関しては廃道だったりずれていたりして信用できないので、ネットで検索してみると確かに中尾根上にルートはあるようです。出掛けるに当たっては藪漕ぎや転進(撤退)覚悟でしたが実際に行ってみると意外にも…。

 神戸(かのと)岩入口まで行こうとして、武蔵五日市の駅前バスターミナルの時刻表を見てみると藤倉、小岩行きのバスは殆どありません。仕方なく、間もなく発車しそうな払沢(ほっさわ)の滝入口行きに乗り終点で下車。(もし、都民の森方面のバスが先だったらそれに乗って本宿から歩いても10分とは違わない距離です。)
 払沢の滝入口BTから神戸岩入口BSまでは40分ほど。右折して神戸岩方面に向かいます。車道も細くなり、周りは山村のたたずまい。正面に中尾根も見えてきて、その先また一旦視界の狭まる林の中の道となり人家もなくなりますが、更にその先ロッジ群や併設の駐車場が現れて、にわかにリゾート気分。それが終わった辺り、左(右岸)斜面の土砂崩れで後が塞がり、右(左岸)斜面を桟道で高巻くような迂回路が作られています。
 この迂回路、床板(金属板)がペコペコで足を置く度にたわむのでビビりながら通過します。やがて、公衆トイレの先、谷が狭まり前方は左右の岩が石門の様相。基部まで行ってみると「神戸岩」の看板。「ありゃ、行き過ぎた(^^;)。」ときびすを返し、またビビりながら迂回路を通ってロッジ群まで戻ります。


 ペコペコの迂回路にビビりながら神戸岩から戻る。


 ロッジ群を過ぎ右(中尾根側)の駐車場奥など観察しますが、登山口らしきものは見当たりません。その先「ウッデーハウス」の先はもう中尾根突端(中尾根を挟む沢の合流点)になってしまいますが、その「ウッデーハウス」の庭というか駐車場みたいな所の左奥に登山口発見。もろに尾根の突端から尾根通しの道です。
 素直に考えれば発見しやすい道と言えます(^^;)。始め、ここを探さず通過してしまったのは、地形図をぱっと見ただけで、イメージ的に二股の左側の沢(水ノ戸沢)を橋で渡ってやや神戸岩側あたりで探そうと思っていたのですが、現地では、その橋が思っていたよりショボくて水ノ戸沢もただの枝沢のように見えてしまっていたからでした。でも、登山口はすぐに見つかったし、神戸岩まで片道10分ほどなので、見物出来たのは結果オーライでした(^^;)。
 指導標のないコースでは登山口発見で第一関門突破です。覚悟していたよりはあっさり見つかって安堵の気分で登り始めます。しかも、最近枝打ちなどの山仕事が入ったのか、藪は全くありません。始めいい感じの痩せ尾根ですが、やがて尾根の幅が広くなり傾斜も増すので道は植林の中をジグザグに登って行きます。
 展望もなく単調な感じでちょっと飽きてきた頃、傾斜が緩んで道の付き方がジグザグから最大傾斜(等高線に対して垂直)方向に変化するので一息つきます。ここは2.5万図827m標高点あたりでしょう。
 その先、地形図の破線から予想されたとおり、道は右へ回り込んでから登り始めます。やがて、本日最初のピーク(960m等高線ピーク?)を迎えて一休み。単調に登り続けた方がロスがなくて登りの効率はいいのですが、階段に踊り場があるように、やはり、たまに平坦地や小さなピークがあった方が現在位置確認のきっかけとなり気分転換になります。
 ずっと手入れの行き届いた植林の中の道でしたが、更に登って行くと道の傾斜が緩み、周りも雑木となって、ここまで来てようやくいい感じの尾根道になったという感じです。右手樹間に鋸山がミニ大岳山の風情で見えます。この辺は純粋な雑木林と言うよりは、下刈りの手が回らなかった植林の木の間に雑木が繁った感じです。


 樹間に見る鋸山はミニ大岳山の風情。


 メインルートが尾根を左へ逸れていく辺りで、気に巻かれたビニルテープに尾根通しの方が近道の様なことが書いてありますので尾根通しに行くと、その先僅かに下った鞍部には木製の祠があり、左から合流してくる道が先程分かれて左から巻き登って来たメインルートのようです。
 その先も終始尾根通しに登って行くと、藪もちらほら出てきますが、僅かなもので、歩行速度には全く影響がありません。再び完全な植林帯となって最後の急登を頑張ると、主脈上のピーク、クロノヲ山です。中尾根終了。難路の不安(期待(^^;))もあったのですが、歩いてみたら、普通の登山道でした。
 主脈縦走の折りには、現在地確認地点くらいのピークであるクロノヲ山ですが、今回は、核心部と一般部をつなぐジャンクションピークです。ここまで意外にすんなり来れて、時間も十分あるので、当初計画していた通り、ここから御前山へ登り、大ブナ尾根を奥多摩湖へ下ることにしました。大ブナ尾根は昔下ったコースではありますが、記憶には残っていないので個人的に初踏破のコースと同等の価値を感じます。
 御前山への道は、時折左右の山並も見える、明るい縦走路です。当日はポカポカ陽気だったのですが、流石、1400mの山、頂上への登りでは霜柱が溶けた跡らしいぬかるみもあり、下りが北面なので出て来そうでちょっと不安になります。
 御前山山頂は、展望が良くなく、人出が多いうえ、ぬかるんでいるため、休憩は頂稜部西端の、三頭山方面が見渡せるベンチにしました。この先の下り途中にも、右手に石尾根方面の展望が広がるベンチがありました。


 御前山頂稜部西端より三頭山方面を望む。


 次のピーク惣岳山から大ブナ尾根を下って行きます。全般的にやや急なものの、ビビるほどに足場の悪いところはなく、先程の不安に反して地面は乾いていていましたし、想像していたような暗い植林帯ではなく、奥多摩湖方面も視界に入る雑木の明るい道でした。

 大ブナ尾根の明るい道。


 のんびり、でも、着実に高度を下げて行き、あと少しで堰堤(小河内ダム)と言うところまで下ると園地になっていて、その最上部の「頂上広場」に寄って一休み。


 小河内ダム。背後は六石山。


 更に下って、堰堤の上をバス停のある左岸へ渡ります。幼少時から何度か父親に連れて来て貰っていましたし、長じてからも何度も訪れた小河内ダム周辺ですが、堰堤の上を歩いた記憶は殆どありませんでしたので、ちょっと感激しました。バス停の時刻表を確認すると、奥多摩駅へのバスまで30分くらいありましたので、すぐ近くのハコモノ「奥多摩水と緑のふれあい館」に寄りました。

 中尾根がガイドブック等に記載がないのは意外に平凡な故か、昔は藪で難路だったのかはわかりませんが、この季節なら今後数年間は快適に歩けますし、神戸岩見物と抱き合わせれば、それなりに特色あるコースとして、湯久保尾根と同等くらいには認識されてもよいと思います。



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