入山尾根(奥多摩)



                          2005年1月5日(水)快晴

(京王八王子よりバス)萩園BS820…850琴平神社900…958向山1005…1030一ツ石山1040
            (190)   30     (350)    58 (・386)    25     (・536)

…1118標高点1123…1158豆佐嵐山1207…1245今熊山1302
38  (・615)    35      (・648)    38    (・505)

…1345小峰峠BS(バスで京王八王子へ)
43   (220)

                 体力度B 神経度B (歩行合計約4時間50分)
◇5万図 青梅 五日市

 行ったことなくて、近場で、仕事道を拾っていくようなささやかな冒険が楽しめる面白そうなコースはないかと地図を眺めていると、戸倉三山・刈寄山のやや南から東へ延びる顕著な尾根が目に留まりました。一本南の尾根・ボンゼン山は以前歩いてルートファインディング等かなり楽しめましたので、期待出来そう。しかし、手持ちの5万図や「地図閲覧サービス」サイトからDLした2.5万図を見ると北面は採石場だらけ。ネットで検索してみると、「入山尾根」という名前とその尾根上の幾つかのピークの名前が判明しましたが、最近ここを歩いたという記事が見付からないのは大いに不安です。以前にも奥武蔵や比企丘陵で、採石場が稜線にまで達して通行不能になっていて転進した経験もありましたので、引き返す場合のダメージを考えて、刈寄山側からの下りではなく美山町側からの登りコースとする事にしました。

 京王八王子駅から美山町行きのバスに乗り萩園BSで下車。圏央道をくぐって少し行くとバス道が右へカーブするところに老人ホームの看板があり、そこを左へ入ります。すぐ交差点を通過し、左手に老人ホーム入口を見送って進んでいくと、右手には堆肥が積まれていて田舎の香水の臭い(^^;)。大晦日の積雪はかなり残っていて、道も所々アイスバーンになっています。
 やがて、谷沿いの道は車が通れるかどうかくらいに細くなり、ついには小径になったあたりで、左手に取り付くつもりの尾根はかなり高まって、どうも行き過ぎた感じ。200mくらい戻って、さっき民家の入口かと思って見送った道を登って行くとすぐに鳥居があり、目指す琴平神社への参道であることが確認できました。少し登ると道に雪はなくなり、尾根道をぐいぐい登って行くと、最後はステンレスの手摺りの付いたジグザグ道となり、琴平神社に出ました。樹間から東方の下界を見下ろせます。


 琴平神社。


 神社の先の道はややワイルド。


 神社の左手から続く道は、今までよりワイルドな感じ。しかし、明瞭な尾根上を行くので、迷う心配は感じません。幾つかピークを越えていくと、右下に採石施設が間近く見下ろせる裸地のピークに登り着きます。北方には一ツ石山(・536)が目立ちます。東方には、バスを降りてくぐった圏央道もよく見えます。ここから2つ先のピークが向山(・386)でした。木に巻かれた黄色いビニルテープに記された「ムカイ山」の文字は殆ど消えかかっています


 向山の手前の裸地のピークより採石施設を間近く見下ろす。


 地形図が示す通り、向山と一ツ石山の間にはピークはなく、効率的に高度を上げて行くことが出来ました。登り着いた一ツ石山からは東方がよく見える他、奥多摩側も樹間に大岳山を確認できます。
 いよいよここからが核心部。西へ辿る道はますますワイルドになり不安感は募ります。この辺り尾根は痩せ気味で、急降下や急登があったりして、採石場の心配に加え、悪場出現の心配も頭をもたげます。
 左後ろから道を合わせると左手樹間からは山並みの奥に丹沢山塊や富士山も頭を出しているのが望めます。この辺り尾根は広くなり、木に白ペンキの帯の印が付けられています。引き返す場合を考えて、尾根の合流点(上から見れば分岐点)のような所では風景を確認しながら行きます。今回、その分「神経度」が高くなり「B」と格付けしましたが、この報告を読んでしまった方がすぐに出掛けたなら、全線通行可能な事が始めからほぼ確実なので、前だけを見ていれば良くなる分神経度はかなり下がってしまいます(^^;)。


 尾根が広くなると木に白ペンキの帯の印。


 やがてはっきりと右へ曲がった後、左へカーブしながらぐいぐい登って行くと「気を付けてお通り下さい」の看板が置かれていて、採石場の上縁の裸地ピークに付きます。対面の尾根などの景色から、ここは615m標高点付近であることは間違いありません。採石場の造成が稜線まで達してしまっている場所ではありますが、腕時計の高度表示から標高はほぼ保たれているようです。目の前に広がる絶景と、ここが通行可能なら本日予定ルートの完歩はほぼ確実、ということで大喜び(^^;)。



 615m標高点付近より御前山・大岳山・御岳山・日ノ出山方面。


 しかし、豆佐嵐(ずさらし)山(・648)までは、相変わらずワイルドな道を辿り幾つかのピークを越えて行かなくてはなりません。やがて、急登を登り着いて道が急に良くなった所が豆佐嵐山で、横長でピークのない頂稜部と言った感じです。ここまでで、本日の核心部は終了。


 豆佐嵐山までは、相変わらずワイルドな道が続く。


 豆佐嵐山から僅かに下れば刈寄山−今熊山の整備されたハイキングコースに合流。この先辺りから見た入山尾根の北面は、火山の外輪山をカルデラ側から見たような風情です。緊張から解き放たれたためか、結構疲れを感じます。完璧に整備された道と指導標に導かれて辿り着いた今熊山では、新宿方面など見ながらやや大休止。


 今熊山からは房総半島の山々まで見える。


 麓の車道まで下るとまた雪景色となり、アイスバーンも現れます。意外に長い車道歩きの末、バス通りに合流します。左方はすぐ新小峰トンネルなので、右へ少し行って小峰峠BSを見つけました。長いトンネルが出来たため、「峠」と名の付くバス停が、峠よりだいぶ下って来てしまったようです(^^;)。

 転進せずに無事歩き通すことが出来ました(^^)。山中、一人の人間に遇うこともありませんでした。本日の核心部の琴平神社−豆佐嵐山間ですが、藪もあまりなく、さしたる悪場もありませんでした。ボンゼン山では横へ一段下った山腹からつながっているようなぎくしゃくした尾根のつながり方がありましたが、こちらは尾根のつながり方が滑らかで、迷う箇所もありませんでした。それでも、整備されたハイキングコースとはひと味違う濃密な歩程を楽しむ事が出来ました。



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