2005年1月9日(日)晴 JR・藤野821…赤沢BS850…951篠原BT1003…1045石砂山1100…1147牧馬峠1230 (220) 29(・221) 61 (・280) 42 (・578) 47 (410) …1320石老山1340…顕鏡寺1420…1445石老山入口BS1450…1456ピクニックランド前BS 50 (700) 40 (340) 25 (・205) 6 (220) (バスで藤野へ) 体力度B 神経度B+(歩行合計約5時間25分) ◇5万図 上野原石老山と石砂(いしざれ)山は牧馬(め)峠の鞍部を挟んで尾根続きになっていますが、両者を結ぶ東海自然歩道は何故か中間で篠原に下っています。そこで、これらを尾根通しに歩いてみる事にしました。多くの人が考えそうなことなので、もしかしたら意外に簡単に歩けるルートかも知れないとも思っていたのですが、やはりハイキングコースになっていなくて、結構手強かったです。と言っても、冷静にルートを選んで行けば危険個所はありませんが。 篠原へのバスの便は期待できないので、もともと藤野駅から歩くつもり。藤野駅前には奥牧野行きのバスが停まっていましたが、どこを通ってい行くのか判らなかったので乗りませんでした。しかし、筆者が出発して数分後に追い越していったそのバスは、乗っていれば赤沢BSまで利用でました。歩程短縮は30分程ですが、赤沢BSまでは交通量も多く飛ばしてくる車にビビりながらの歩程なので、利用した方がよかったかも。 赤沢BSから左折して行く道は、交通量も少なく、のんびり歩けました。篠原へは標高350mくらいの峠を越えて行かなければなりません。鉢岡山登山口を過ぎ、十字架のある施設の建つ峠へ登り着くと扇山や大菩薩方面が望めます。その後平坦に近い道が少し続いてから明瞭な下りとなります。 篠原へ向かう途中の峠より扇山方面。下り切ったら「やまなみ温泉」方面への右折路を見送って、少し先で「青野原」を示す標識に従って右折すれば牧馬峠への道となり、やがて篠原BTに着きます。腹ごしらえしてから出発。 少し先のY字路で左牧馬峠への道と分かれて右へ入って行きますと左手小川に架かる橋の先に指導標がありますが、朽ちかけているので、ちょっと見には天下の東海自然歩道のものとは思えなくて、一度は通りすぎててしまったほどです。このルートは2度目なのですが、蘇るのは雰囲気の印象のみで具体的道順の記憶なし(^^;)。でも、地図の示す場所としてはこの辺のはずで、他に登山口らしきものもないので入ってみると、はっきりした指導標もあり、確かに、石砂山への登山道でした。 道はすぐに尾根に取り付いて、最後は木段もある急登となります。石砂山の頂稜部は南北に長く、その間殆ど平坦ですが、山頂の表示は南端にあって、南面が開けています。 牧馬峠へは、頂稜北端部近くの赤テープから、始めは尾根とは言えない斜面を下って行きますが、ちゃんとジグザク道になっています。やがて尾根らしくなり、一つ目の低いピークは右から巻きます。 二つ目のピーク手前では、登りが始まるところで尾根道の入口には木と木の間にツルのようなものを渡して塞いで、右手の巻き道の方に行くように促している感じ。それで、巻き道を行きましたが少し先が崩れて外傾していて感じが良くないので引き返し、尾根道へ入りました。登り着いたピークは465m標高点と思われます。その先の下りも含め、入口の「表示」に反して、こちらには悪い箇所はありませんでした。 その先に分岐があり、ここにも左を木の枝で塞ぐような「表示」がしてありましたが、ここは地形図で見ると左は支尾根なので、納得出来ます。この後の2つのピークは何れも明瞭な道に導かれて右から巻いて、車道が乗越す牧馬峠に着きました。車道が乗越す峠の場合、切り通しの法面の上で道がプッツりとぎれて、下降路探しに苦労するなんて事もよくあるのですが、石砂山からの道は切り通しの南側すぐ横へ滑らかにつながっていました。 牧馬峠。左手緑色の網の奥が石砂山からの道。石砂山から牧馬峠まで道自体は比較的歩き易かったのですが、支尾根に入り込まないよう尾根の屈曲点毎に地形図と磁針と周りの景色を頻繁に確認して来たので、距離の割には時間が掛かりました。しかし、取り敢えず「前半戦終了」と言う感じで安堵します。ところが、このすぐ後が問題でした。 牧馬峠の切り通しは車道の幅以外に、石老山側はガソリンスタンドが作れそうなくらい広くえぐってあって、法面は高さ30mくらいありそうな大絶壁になっています。勿論、そうでなくても法面を直登するわけではないのですが、その分、幅も広くなり、尾根道への入口を探すには左右にかなり回り込まなくてはなりません。でも、明瞭な道が見付かるなら、大した問題ではなく、石砂山側の様子からそれを期待していたのです。 まず右(南面)へ回り込んでみると、100m先、背丈ほどに低くなった法面の上の木に赤テープ発見。しかし、すぐ右手にある落石ネットのワイヤーの作業道の目印のような感じもして、石砂山側の道に比べたら道とも言えないような所なので一応保留。もう少し先まで探しましたが登り口らしき場所はありませんでした。 峠に戻って、今度は左(北面)へ。峠は右カーブですが、200mくらい進むうちに道は一回左へ折り返します。相変わらず登り口らしき場所は発見できませんが、その辺では法面は消滅し、石老山側の斜面は多少弛んでいますので、登りやすそうな所から突っ込んでみます。5mくらい登ってみましたが、足下がずるずるとアリ地獄状に滑り、手掛かりの立木の間隔も広く、また、峠から離れた分、尾根道までの距離が長いのに藪もありそうでここは断念。少し戻って、定石通り法面の縁をやはり5m位登ってみましたが、こちらも先程と同様な感じで断念。 結局、40分くらい右往左往して、石砂山側の道のような明瞭な登り口は発見できず。先程の南面の赤テープを登ってみることにしました。ザックの中身を整頓して、万一、急斜面で前進出来なくなったとき木に引っかけて降りられるように持参したロープ(9mm×20m。使用実績殆どなし(^^;)。)を取り出しやすいように詰め直してから登り始めます。 牧馬峠から石老山への登り口はかなりワイルド(^^;)。立木や、落石ネットのワイヤーにすがりながらも、何とか登り続けることができ、やがて尾根上らしくなってきました。石砂山側の道と比べると藪がちですが、後は尾根を出来るだけ外さないように登るのみです。しかし、峠で予想外に時間を使ったことが精神的にプレッシャーを与えます。日没までの時間と前途の所要時間を考えれば絶対的には焦る必要もないのですが、もし迷った場合を考えると、すんなり来た場合より相対的に40分は猶予が少ない訳と言うことで、たまたま太陽が一時的に雲に隠れて陽光が途切れるだけでも、曇れば暗くなるのが早まる事から、不安感が大いに増大します(^^;)。 地形図を確認しながら一つ、二つ、三っつとピークを越えていき、やや長い登りに入ります。多少の藪も、前途を塞ぐ不安感を煽ります。それでも、ここまで来たら行くしかないと言う感じでぐいぐい登って行きます。やがて、水平道に突き当たります。 直登方向はこれまで以上に道形不明ですし、腕時計の標高表示も615mまで来ているので、いけないとは思いつつもこの道を右(山頂方向)へ辿りました。しかし、この道は左(稜線)へ登る気配が全くなく、いつまでも山腹を巻いていく感じがしたので、少し戻って左手が鞍部になっている感じの辺りから稜線目指して山腹笹藪を直登。見た目通り、20mほどで尾根道に出ることが出来ました。 右へ登って行きますが、この道は今までと比べると異常に整備された道。そう、石老山−篠原の東海自然歩道に合流したのです。本日の核心部が終わった安心感から、ふぬけ状態になりながら石老山に至りました(^^;)。 東西に長い頂稜部を持つ石老山には頂稜西端に694mの三角点がありますが、地形図の等高線は頂稜中央部にある山頂の標高は700mを越えていることを示しています。いつ来ても、賑わっていた山頂ですが、この日はお昼を過ぎていたとは言え日曜日なのに、到着時は、筆者以外誰もいなかったのは不思議な感じでした。 南面の展望が開ける山頂からは、丹沢主脈や大室山、富士山が目立ちますが、今回は大室山の手前に石砂山−牧馬峠−石老山方面の尾根が見えるのが感慨ひとしおです。特に、牧馬峠が意外に大きな標高差で見下ろせるのには登り口での悪戦苦闘を慰められた気分です(^^;)。 石砂山〜牧馬峠〜と辿ってきた尾根を石老山から見下ろす。もう一人登山者が来て会話を交わした後、下りは顕鏡寺へ。流石に2〜3組の登山者とすれ違いつつ、かなり下ると大石や露岩が現れ始めますが、よそなら見過ごしてしまうような何の変哲もない岩にも一々名前やその由来が記されているのは流石「石老山」です。かなり下って、顕鏡寺を過ぎた下の方が、苔むした巨岩や古木に囲まれた道に幽玄の趣を感じます。 顕鏡寺の下の苔むした道は幽玄の趣。やがて病院の脇ら里道へ降り着いてて石老山入口BSに向かいますが、到着直前にバスが来て走り去るのが見えました。僅か1分遅かったです。停留所の時刻表を見ると、概ね1時間に2本あって、まあ、山にしてはバスの便はいい方ですが今回は40分待ち。この辺はもっとあるはずだと思い、次のピクニックランド前BSまで歩いてみましたが、本数は増えていませんでした(T_T)。相模湖駅まで歩いても1時間は掛からない距離ですが、くたびれていたので次のバスを待ちました。 篠原へのアプローチの徒歩での車道の峠越えも、小さなもっこりの上にアンテナが立っているお子さまランチのようにカワイイ鉢岡山の横を廻る道は、山里の風情もあってそれなりにいいものです。そして、核心部の石砂山−石老山間では、頻繁に地形図や磁針と周りの景色を確認したり、急斜面を手掛かり足掛かりを求めて登ったりと、整備されたハイキングコースを歩くより、ゲーム性、スポーツ性が高いハイキングを楽しめました。 ▲項目索引▲ ◎トップページへ戻る◎ |