仙元山から中尾根(三浦)

赤のルート


                   2005年3月12日(土)曇一時晴から曇り

京急線・新逗子946…1042仙元山1055… 189m標高点ピーク1115…煙突裏の分岐1125…
     (5)  56  (・118)  20           10   (130)   97

1302 211m標高点ピーク1313…1318乳頭山1323…森戸川合流点1412…車止め1445
             5  (200)   49    (60)  33 (30)

…1524新逗子
39

                 体力度B- 神経度A+ (歩行合計約5時間25分)
◇5万図 横須賀

 逗子の南、森戸川周辺では仙元山ハイキングコースや二子山−阿部倉山のショートコースが一般的に紹介されていますが、地形図で見ると森戸川の流域外縁は仙元山から東進し211mピークを東端として折り返し西へ二子山−阿部倉山へ続く「⊃」型の尾根となっています。これを辿れば1日コースになると思いました。
 問題は、上記2コースを結ぶ未知の部分に超低山にありがちな立入禁止施設などなく、また、ヤブもほどほどの道が通じているかどうかですが、ネットでの検索では道が通っているようなので行ってみることにしました。ただし、二子山−阿部倉山は行ったことがあるので、211mピークから折り返した後は、二子山の1km強手前から北へ分岐して逗子の南の海岸近くまで達する尾根へ入り、逗葉隧道の上や住宅地の縁、更には住宅地も通って尾根沿いに行ける所まで行くのが目標です。

 新逗子駅の南口からR134へ出て南下。360mくらいある桜山トンネルをくぐって長柄交差点を過ぎ、バスを使った場合降りる風早橋BSも過ぎます。ここまでの途中でコンビニに寄って緑茶、おにぎり2個と弁当を買い、そのうちのおにぎり1個は店の前で食べてしまいました(^^;)。
 バス停の少し先、葉山トンネルの手前を右折して200mくらいの「木の下交差点」の手前を斜め左に戻るように登って行くコンクリート舗装の急坂道が仙元山ハイキングコースの始まりです。葉山教会の左手から山道となり、トンネルの上の尾根を行きます。擬木の階段となって一登りで仙元山です。


 仙元山より伊豆、箱根、富士。


 前回仙元山ハイキングコースを歩いた時(00.04.29)は新緑の山頂でしたが、今回はまだ冬枯れの時期で、海越しの伊豆、箱根、富士、丹沢の展望も素晴らしく、すっかり園地に造成されてしまっている分自然度は低下していますが、公園だと思えばのんびりするにはいいところです。と言うわけで、自宅で朝食を摂り、更に、さっきおにぎりを食ったばかりなのに早くもお弁当タイム(^^;)。
 ここから緑の中、いい感じの道が続きます。右下に池が見えたと思ったら水面に人が立っています。って、池ではなく校庭でした(^^;)。手前の建物の屋根に「葉山中」と表示してありました。その先登り着く仙元山ハイキングコースの最高点198mアンテナピークをメインルートは巻いていますが、尾根道に入って登りました。
 急坂を下って巻き道に合流。右手の谷にあるゴミ焼却場らしき煙突の裏側へ来た辺りで左への分岐発見。木の幹に赤く「田」の下に「←」が記されており、左の道が田浦へ続く道であることを知らされます。
 この道へ入ると仙元山ハイキングコースに比べて道幅が狭く、両側のササなどのヤブにこすられながら行く部分も出てきますが、道自体は非常に良く踏まれています。前半目指す211mピークまで、小さなアップダウンや細かな屈曲が続くので、尾根の分岐毎に地形図と磁石でこちらが主稜であることを確認しながらの道中ですが、周囲の雰囲気は里から近いのに原始の趣があって、ハイキングの一つの主目的である「非日常の世界」は十分堪能出来ました(^^)。所々にある半円柱の標識は本来書かれてあったであろう文字は消えており、その代わり黒マジックの落書きで矢印とその先の地名等の情報が書かれています。


 211m標高点ピークへの道より二子山。


 左手に二子山が見えます。左手森戸川からの道を合わせる前後で本日初めて人に出会いました。それぞれ10人弱の熟年パーティーですが、筆者の持論としては山行には多すぎる人数です。その後単独行の熟年男性とすれ違いに会話。反対側から来る人からの情報として、目指すルートに道があることを確認できて満足。その会話で「二子山より北の住宅地の縁を通る尾根へ行きたい。」と言うと「それは中尾根。」と言うのがありまして、会話がややかみ合っていない感じはしましたが、筆者の脳味噌には目指すルート名として「(2つの市街地を分ける)中尾根」が刷り込まれてしまいました。これが、筆者の運命を狂わす事となります。
 やがて左手二子山は上ノ山が目立ちますが、それらは後方に去って左前方には海も見えて来ます。更に送電線を2回くぐりますので、現在地が確認出来、もう少しで折り返し点の211mピークと言う所まで枝尾根に迷い込まずに来る事が出来て一安心です。
 211mピークは縦走路が数メートル左を通る切り開きでした。残っていた1個のおにぎりを食べて一休み。ネットで目にした「乳頭山」はここの事かと思っていたのですが何の表示もありません。樹間に長浦湾、横須賀等の市街地、猿島、遠く富山らしき双耳峰も見えます。
 すぐ先の200m等高線ピークの「保安林」の◇型標識にマジックで「乳頭山」の落書き。こっちだったのか。でも、もしかしたら先程の211mピークと併せて双耳峰として乳頭山と呼ばれているのかも知れません。


 三角点もどきの標石がある乳頭山。


 乳頭山から下るとすぐに例の半円柱の標識があり「中尾根コース← →田浦」となっていたので迷わず左へ。すぐに鉄塔台地を越えて行きますが、この辺は明るくて気分の良い道なので足もはかどります。もう一回送電線に出会いますが地形図の情報では接する感じなのに完全にくぐっていくので変な感じ。しかし、複数の指導標で、確かに目指す中尾根コースに入っているのが確認出来ているので更に先へ。
 すると、景色が明らかにおかしい。ここが主稜なら左右はすぐに高度を下げて行く支尾根ですから、それらは視界の妨げとはならず、左手に二子山、右手に海が度々見えるはず。二子山は見えますが、しかし、右手は近くの尾根が平地や海への視界を完全に遮っています。やがて、211mピークを目指して辿った尾根上からと同じような方角に二子山が見えます。そう、ここは森戸川が二股に別れた間の尾根、文字通りの中尾根だったのです。
 主稜まで戻ろうかとも思いましたが、もう14時近く、しかも本日天気は下り坂の予報。こちらも自分としては未踏のルートですし、主稜の乳頭山から北へはまたの機会に訪れることにして、このまま中尾根を行くことにしました(^^;)。
 正面に二子山上ノ山のアンテナが迫ってきます。左右は森戸川上流の原始の風情。やがて、北側の沢の岸に降り着きました。中尾根への入口には「このさき転落死亡事故あり/危険のため立入禁止/一人で山へ入ることはやめましょう。/逗子市」という不可解な立て札がありました。立入禁止なら一人も二人もないと思うのですが。それに、下って来た感じでは中尾根にヤバそうな箇所はなく、転落死亡事故があったとしたら荒天時か荒天後や凍結時、積雪時等の足下が悪い日か、あるいは余程の不注意があったとしか思えません。これくらいの道が「危険のため立入禁止」だったら東京周辺でもハイキングコースの半分くらいは立入禁止になってしまうかも。上の入口にはこのような警告がない事から、ハイカー向けではなくハイヒールやサンダルの観光客にそのまま入っては来ないようにとの注意書きかも知れません(^^;)。
 ルートが二股の間に降りる尾根と知った時は、必ず流れを渡らなければならない事を心配していましたが、流れはか細く浅く、左へ100m位下流の合流点で難なく南側の沢を渡り、1本になった森戸川の左岸を下ります。下りと言っても、水面を見なければ下流へ向かっているのが判らないくらいの傾斜です。思い出しました。以前来たとき二子山へは先程中尾根から下り着いた道を反対側に登って行ったんだ。
 ここは、森戸川渓谷とも言われ、良い雰囲気の散策道と言うことになっていますが、護岸工事が施してあるのはいただけません。しかしこの日、以前来たときはなかった倒木や道のえぐれが随所に見られ、むしろそちらに「自然」を感じました(^^;)。それらを治した目新しい工事の跡もあり、今後も工事が行われているときは通行不能になるのではないかと懸念されます。(この日は問題なく通れましたし、筆者の他にもハイカーや自転車の通行を見かけましたが、後日見た逗子駅前あるいは二子山付近の表示からは、公式には森戸川上流部は現在も通行止なのかも知れません。)


 森戸川渓谷の散策道に倒木。


 右岸へ、左岸へと橋で渡りながらとぼとぼと歩いて行くと車止めがあり、その先の黄金橋辺りからは住宅地になります。突き当たりを左折して川久保交差点ではすぐに左折ぜず一本先の道を左折した方が僅かに近道です。やがて辿り着く桜山トンネルをくぐって今朝来た新逗子駅へ戻りました。

 本日、間違えて中尾根に入ってしまった事は大いに反省すべきですが、本日歩けなかった後半を踏破するために、後日、畠山経由で乳頭山へ登れば、すんなり歩いてしまっていれば一生歩く事はなかったかも知れない中尾根コース、畠山−乳頭山を歩けたことになる訳で、楽しみが広がって却って良かったのかも知れません(^^;)。



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