南天山(奥秩父)



                        2005年5月21日(土)晴

(板橋区の自宅より原付で)鎌倉橋855…主尾根上分岐1015…1025南天山1115…
            (・814)  80  (1400)   10  (・1483)  22

沢コース下降口1137…1240鎌倉橋(原付で自宅へ)
    (1400)  63

                 体力度A+ 神経度A (歩行合計約3時間00分)
                 (バイクの運転込みでは 体力度B 神経度B-)

◇5万図 三峰 万場
□筆者参考文献 「東京周辺の山350」(打田^一)
 南天山は公共交通機関利用では東京から日帰りは困難ですが、ガイドブック等の情報からマイカー利用なら、登山口の鎌倉橋付近に車を置いて3時間程度で山頂まで往復できそう。筆者はマイカー族ならぬ無いカー族(^^;)ですが、前回スーパーカブ50で東西御荷鉾山の間の鞍部に当たる投石峠まで行き、2峰をそれぞれ往復する事に成功しましたので、今回、カブ山行第2弾として南天山に挑戦することにしました。前回より歩程は延びるものの、走行距離や傾斜から見てカブの運転の労はこちらの方が少なそう。

 前回、遅い出発のため御荷鉾山頂でゆっくりすることが出来なかったので、今回は板橋区の自宅を4時半頃に出発。R254R、463、R299と辿って、秩父からはR140を西進。指導標の「中津川」方面を追って行くと、前方に巨大な堰堤(滝沢ダム=建設工事中)が現れ、これも巨大な円周のループ橋でその左岸に登ります。その後も良い道を幾つかの真新しいトンネルをくぐって快調にカブを走らせますが、中津川BTを越えてしばらく後、道は未舗装となり、時速を20Km以下に落として慎重に進むと間もなく鎌倉橋。渡ってすぐ右が南天山の登山口で、左側に乗用車数台分の駐車スペースがあります。ここに、カブを留めて徒歩開始。


 新緑が目に染みる鎌倉沢沿いの道。


 鎌倉沢沿いの急斜面に作られた道は遊歩道レベルに整備されていますが、長時間のバイクの運転直後のため、脚がふらつき加減(^^;)。少し休んでから歩き始めた方が良かったかも。やがて、沢に降りて木橋を何回も渡り返して進む箇所も出てきますが、新緑に染まり、渓相も美しい道です。指導標も完備していて、所々に「南天山までXm 起点まで(3150−X)m」の標識があります。
 「南天山まで1400m 起点まで1750m」を過ぎた頃、道が「右:尾根コース 左:沢コース」に分かれますが、事前に見た幾つかの参考書の示す道は何れも「尾根コース」に相当すると思われるので、こちらが近いと見て取り敢えず右を採り、沢を渡って小尾根の左斜面をジグザクに登って行きます。針葉樹の植林帯に入りますが、それが薄くなって明るくなると待望の主尾根です。

 露岩も出た山頂直下の道。


 山頂は右(東)ですが、先程分かれた「沢コース」はここまで合流しておらず、主尾根をもっと左(西)へ行った所に登り着くようです。山頂まで、10分ほどの尾根道は露岩も現れ、ツツジの花も咲き、明るくていい感じですが、結構急登で一汗かかされます。
 露岩頭の山頂は、何本もの枯れ木に画されてはいるものの、浅間山や奥秩父主脈も望める360度の大展望。特に、赤岩尾根〜両神山周辺のコツゴツした連なりが間近くて見事です。時間は十分あるので、山座同定をしながら心おきなく展望を満喫しました(^^)。



 山頂からの大パノラマ。


 最近ではこの山も関東広域のガイドブックに採りあげられるほどポピュラーになって、流石に山頂を一人で独占とはいかず、何組かの登山者に会いましたが、その中で中高年男女数人の組は、鎌倉沢ではなく北面(非一般ルート)から登って来たそうで、ここから南東へ続く尾根(非一般ルート)へ入って行きました。そちらは最初の鞍部からして見るからに急に落ち込み、その先の起伏も如何にも険しそうで、以前読んだガイド記事によれば、1347.8m三角点で北に向きを変えた先では15mの懸垂下降が必要な箇所も通らなければならないようです。勿論、筆者は十分展望を楽しんだ後、もと来た方へ下ります。
 さっき急登して来た道を慎重に下り、尾根コースの分岐を見送り西進すれば起伏も穏やかになり、分岐から5分ほどで左へ下るので、ここが沢コースへの下降点かと思いましたが、ちょっと巻いただけですぐ主尾根に復してしまいます。本当の下降点は尾根コース分岐から15分ほども行った所で、尾根続きには「通行止」の表示、また、左「鎌倉橋」を示す指導標もありました。
 左へ下って行くと、「沢コース」と言いながらも、斜面のジグザク下降や東方へのトラバース下降の方が、沢沿いになってから尾根コース合流点までより遙かに長いです。合流点からは、今朝来た道を鎌倉橋まで戻りました。  早出の甲斐あって、時間的に余裕が出来、帰りは秩父で武甲山資料館を見学したり、R299の途中からちょっと遠回りして山伏峠から名栗川沿いの道を辿ったり、のんびりバイクツーリングを楽しみながらも真っ暗にならないうちに帰宅することが出来ました(^^)。

 南天山は、初めてその名を知った頃、鎌倉橋からのルートは周辺山域の中では比較的容易とは言え、それなりにルートファインディングも必要な薮山だったはずですが、その後ハイキングコースとして整備され、公共交通利用には相変わらず不便とは言え、最近のガイドブック類ではすっかり一般向きコースとして紹介されています。そして、実際行ってみると、ガイドブックの情報より更に道は整備され、山頂への往復が奥多摩入門の高水三山並に容易になったばかりか「沢コース」の設置により、一般向け周遊ルートが組めるようになりました。その分、秘峰的価値は下がった訳ですが、頂稜の雰囲気も山頂からの展望も深山の趣で、運転の労を費やしてでも訪れてみる事をお奨めしたい場所ではあります。



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