2005年11月19日(土)晴一時曇 JR・西金950…1127大円地越1135…1205櫛ガ峰1210…小草越1225… (65) 97 (510) 30 (・554) 15 (500) 30 1255 △460.4m 1300…1311鷹取岩1320…釜沢越1354…1523西金 11 (470) 34 (380) 89 体力度A+ 神経度B- (歩行合計約5時間25分) ◇5万図 大子 □筆者参考文献 「山と渓谷 January.1995」(鷲頭隆) 奥久慈男体山に登ると、大円地越から南に更に続く尾根が気になります。稜線西面に露岩の絶壁をいくつも連ねているのが目に入るからです。関東広域のガイドブックは勿論、分県登山ガイド「茨城県の山」にも載っていないルートだったので、「露岩頭と痩せ尾根とヤブが続く困難な道なのか。」とか想像していましたが、月刊「山と渓谷」にガイド記事が載っており、ハイキングコースとして整備されている事が判りました。と言うことで、かなり前から行きたいコースのリストに入っていたのですが、だいぶ年月が経ってしまいました。その間、もっと近場で面白そうなコースを見つけて出掛けていたのです。しかし、それも一段落したので、本日、訪問の運びとなった訳です。 筆者の自宅(JR最寄り駅は埼京線・浮間舟渡)からですと、水郡線・水戸発858が乗車可能な最も早い列車で、西金着は945。未知のコースに遅めの歩き始めは多少不安ですが仕方ありません。 駅から少し右手の国道の交差点には「男体山登山口」のバカデカい標識があり、そこから大円地方面へ分岐する道へ入ります。この道、先に大きな街が在るわけでもないのに意外に車の往来が激しく、少しビビります。登り基調の車道が大円地に近づくと、露岩の目立つ尾根が見え、進むにつれ、更に左の男体山の絶壁も見えてきて、ワクワク(^^)。少し下った大円地付近から仰ぎ見る男体山の形はエベレスト的三角形。と言っても、ちらほらある樹木が、現実のスケール感を醸し出してしまうのですが、それでも威容と言える姿に惚れ惚れ。 大円地付近より、大円地越方面。左・男体山、右・櫛ガ峰。車道から登山道に入り、左に「健脚コース」(男体山にほぼ直登する省エネコース。健脚向きと言うわけではない。)を見送り大円地越を目指します。この道は涸れ沢を行くようになっても直登ではなくジグザグにつけられています。大円地越まで意外に長い登りに感じますが、本日の最高点は標高570mくらいなので約510mの大円地越まで来れば、本日の主な登りはほとんど終了です(^^)。 ハイカー多数集う大円地越。広めの鞍部の大円地越ですが2〜30人はいようかというハイカーの賑わいで落ち着けません。しかし、殆どの人は左(北)の男体山を目指す筈なので、コンビニおにぎり2個で軽く腹ごしらえしたら、そそくさと右(南)の尾根へ登って行きます。 ひとしきり登ると、紅葉の樹間に男体山に向かうアリンコのような人の列を見ることが出来ました。「シメシメ、こっちには人は来ないな。」等と思いましたが、現実には、あちらよりマシとは言え、この後、こちらもしょっちゅう、登山客と出会うことになります。 ひとしきり登った後の小さな下り、ずるずると滑りやすく、5m程で左に折れますが正面は絶壁、足を滑らしたりしたら奈落の底なので、左脇のササを掴んでビビりながら下ります。しかもその直後は痩せた岩稜を渡り、この頃、陽が翳って風が吹き始めたこともあり、落とされそうでここでもビビります。のっけからこれでは、前途多難と思われましたが、その後一切悪場はなく、天候も晴に戻り、結局、ビビらされたのはここだけでした(^^;)。 次のピーク手前で本線は左へ巻き下りますが右に分岐する道を辿れば頂稜の一角の小岩頭に立つことが出来、展望を楽しめました。ここはまだ櫛ガ峰ではなさそうでしたし、頂稜上はヤブっぽいので本線に戻りピークは巻いてしまいます。鞍部で稜線に復して先程のピークを振り返ってみると尾根伝いにこちらに下りて来るのはやはり難しそうでした。 やがて、また左を通る巻き道から右手の露岩頭へ通ずる道があり、行ってみると眼下に大円地の小集落、その先に幾重にも連なる低い山並み、奥には雲に覆われながらも日光男体山らしき山まで見えます。稜線が「く」の字に少し西に突き出ていることから、ここが櫛ガ峰の標高点付近かと思われましたが、山名標識を発見することは出来ませんでした。しかし、次の鞍部に「小草越」の標識があったので、その岩頭辺りが櫛ガ峰であった事が確認出来ました。ガイド記事にある小草越に来ている林道は、草が茂り殆ど廃道状態でした。 事前に地形図を見ると、この先尾根が分岐していて、本線は右なのですが直進して左の尾根に入ってしまわないか心配でした。しかし、道也に行くと分岐ピークを右側からトラバースして自然に予定の尾根に入ることが出来ました。この辺からは、男体山の右手に、今日辿って来た尾根の西面の絶壁を横から見ることが出来ました。 しばらく先、また右手の小ピークに導く道があり、460m三角点ピークかと思い行ってみました。露岩頭には標石はありませんでしたが、頂稜部10mくらい?先の僅かに低い場所に四等三角点標石を発見することが出来、更に少し先へ下って行けば左側を巻いてきた本線に復しました。 少し下ってまた登り返すとまたまた右手に露岩頭。登りかけた瞬間に団体さんがやって来て叫びながらぞろぞろと登って行きます。込み合うのはお互い様かも知れませんが、露岩頭を独占してしまう団体さんにはげんなり。秘境探検隊じゃないんだから、単独行か、せいぜい2〜3人で来いよ(T_T)。好展望の場所でしたが、すぐに辞して次の岩頭へ。 次の岩頭には「鷹取岩」の標識がありました。と言うことは、さっきの露岩頭は子背負岩。ここからは、柱状の奇岩を従えた子背負岩の奥に長福山や男体山を見る構図が素晴らしいです。カレーパンで腹ごしらえ。 鷹取岩から子背負岩の奥に長福山や男体山を見る。その先、3回くらいの上り下りがあり、指導標に従って右へ曲がれば祠もある釜沢越の鞍部で、ここから稜線に別れを告げ、右へ下って行きます。 谷をジグザグに下っていた道はやがて尾根に乗り、目の前に登りが現れます。そこからは左側へ下って行く道もあり、尾根沿いに登って行く道の方が本線っぽいのですが、木に赤ペンキで左向きの矢印が描かれているので、「下りの方が楽」という当然の心理(^^;)も手伝って左の道へ入りました。 この道は若干ヤブっぽいので少し不安になりましたが、すぐに民家が現れ、そこからは簡易舗装の車道を下ります。やがて、舗装道へ突き当たり、左へ下って行きますが、道也に行くと傾斜も緩んだ頃、分岐に標識があり、右・湯沢経由西金駅への道は未舗装です。すぐに道は簡易舗装となり田んぼもある広い谷間を行きますが、車道歩きが長く感じたときは振り返れば露岩の絶壁を連ねる尾根を望むことが出来ますし、古びた民家の庭先で日向ぼっこするネコなどの風景ものどかでいい感じ。車の通行も殆どないのでのんびり歩けます。 ネコものんびりする古びた民家。左手にお寺を見た後、右から車道が合流しますが、振り返って見た分岐の標識では左が釜沢、右(今来た道)が篭岩等となっていたので、やはり、釜沢越から下った分岐では尾根通しに登って行く方が本線だったようです(^^;)。 やがて湯沢温泉で今朝来た西金−大円地の道に合流しますと西金駅まで20分も掛かりませんが、朝と同じく交通量の多さにビビる道です。 思ったより人出が多かったのは、秋に入って週末の好天が少ない中、この日が絶好過ぎる行楽日和だった事もあるかとは思います。事前の「ひとりぼっちの寂しいくらい静かな山歩き」という想像は外れましたが、それでも、この付近では袋田の滝−男体山、健脚コースから男体山を歩いた後は、このコースがお奨めなのは疑いようがありません。 ▲項目索引▲ ◎トップページへ戻る◎ |