赤雪山から仙人ヶ岳(北関東/足利)



                     2005年12月3日(土)晴一時曇

(東武線・足利市からタクシー)名草巨石群入口900…952赤雪山登山口1000…
                   (230)  52       (500)    40

1040赤雪山1053…1205 P・623m 1210…1248仙人ヶ岳1305…前仙人分岐1332…
  (△621)  72         38   (△663)  27   (600)  43

一色展望台分岐1415…1503ふるさと学習資料館前BS(バスで足利市へ)
         48           (150)

                 体力度B 神経度B (歩行合計約5時間40分)

◇5万図 桐生及足利
□筆者参考文献 「栃木の山120」(宇都宮ハイキングクラブ)


 仙人ヶ岳は、「関東百山」の「仙人ヶ岳」(横山厚夫)の項で知り、桐生・吾妻山からかなり立派な感じに見えた事もあり、いつかは登ろうと思っていました。「栃木の山120」には赤雪山と個別に紹介されていますが、「関東百山」では仙人ヶ岳から赤雪山へ縦走したことが記述されていますので、「ルートあり」と言うことで2山を結んで歩く事にしました。何れの山もアプローチは不便なのですが、下山後徒歩で鉄道駅まで歩いた場合、仙人ヶ岳の方が近そうなので赤雪山から登ることにしました。

 東武伊勢崎線・足利市駅から名草巨石群入口まではタクシーを奮発(\4,340)。赤い鳥居をくぐって厳島神社の参道を行きます。巨石群を見つつ本殿裏手の山道を登って行くと、再び車道に出てしまいます。車道を道也に登って行き、右へ、左へと下って行く道の分岐を見送ると左手は伐採地となって関東平野や西上州方面が視界に入ります。やがて車道は鞍部を乗越して行きますが、その峠の切通しのすぐ手前左手に赤雪山の登山口を見つけました。防火水槽のコンクリに腰掛けてパンで腹ごしらえ。
 登山口から始まる山道をひと登りしたピークは明るくていい感じ。地形図通り長めの頂稜部を行き、終わりの小ピークからやや本格的に下ります。送電鉄塔を過ぎてもまだ下り、先程の登山口より低くまで下った鞍部から登り返して、反射板ピーク(約550m)、分岐のあるピーク(約570m)と越えて行き、ようやく赤雪山本峰に登り着きました。


 赤雪山山頂。


 赤雪山から筑波山方面。


 参考書では、展望抜群の筈でしたが、木が育ってしまい山の多い方角はよく見えません。仙人ヶ岳方面も四阿の柱にすがってやっと撮影。しかし、遠く高層ビル群が霞む関東平野や筑波山方面は美しく眺めることが出来ました。ここまで1人の登山者にも遭わずに済んでいたのですが、出発間際に単独行者が登り着いて来ました。
 いよいよ、ここからが本日の核心部(と、この時は思っていた(^^;)。)、仙人ヶ岳まで北へ、西へ、南へと尾根伝いに辿るルートへ入ります。始めはあまり起伏のない道ですが、ルートが西へ向いた頃からは幾つものピークを越えて行かなければなりませんでした。小さな石祠のある露岩ピークの次がついにルートが南へ向きを変える623m標高点ピークでしたが、その手前で、先程の単独行者が追い付いて来てしまいました。道は623mピークの僅か手前で左折して行きますのでピーク上で5分ほどやり過ごしました。追い付かれたと言うことは彼の方が速いので、こうしておけば我彼の距離は開くばかりの筈でまた一人旅が楽しめると思いきや、仙人ヶ岳へ近付いた地点の登りで前方に彼の姿を発見(ToT)。仕方なく、少し時間調整をしましたが、それは無駄な努力で、仙人ヶ岳に近付くと何組かの登山者に遭遇。先程見たのも追い抜かれた単独行者とは別人だったのかも知れません。まあ、仙人ヶ岳は関東広域のガイドブックにも紹介されている山なので、土曜日にある程度の人出があっても不思議ではありませんけど(^^;)。
 やがて登りついた所は既に仙人ヶ岳の頂稜の一角で、右へ3分ほどで山頂でした。ここは参考書通り、立木により展望は良くありません。本日の核心部も終わり、後は下るばかり(と、この時は思っていた(^^;)。)で一安心。三角点標石に腰掛けて、下山ルートを模索しながらパンをかじっていると寒さを感じ、手もかじかんで来ましたから、さっさと次への態度を決める事に。


 仙人ヶ岳山頂。


 参考書にある猪子峠経由はあるいは岩切登山口へ直接下る道は、その後の車道歩きが長そう。そこで、資料は全くないものの、指導標が「桐生方面」を示す、南西への県境の尾根道を辿ることにしました。この道なら、尾根を辿りつつ鉄道駅に近付く事が出来、下山後のバス等がなかった場合の車道歩きを短縮できます。また、この道はこの辺では有名な仙人ヶ岳から顕著な尾根を辿って市街地に近付くルートですから、道もハイキングコースとして整備されているという期待が持てます。しかし、実はここから先が本日の核心部でした(^^;)。
 3つくらいピークを越えて行きますと指導標があり、右は前仙人方面(少し先で黒川ダム方面を分岐)、左は白葉峠方面(県界尾根)なので左へ。南へ下って行くと、指導標に「荒倉沢の頭展望台」とある場所に着き、仙人ヶ岳やそれに続いて辿って来た小ピークを振り返ることが出来ます。指導標は白葉峠方面への道は右折することを示していますが、少し直進してから右折のようにも見える矢印で、20mくらい真っ直ぐ下って道らしくないので引き返してから、ヤブに隠れた西への下り道を発見。その後ルートは地形図どおり再び南寄りになります。この辺からは、多少ヤブっぽくなり、落ち葉のせいもあり、一時道が消え、程なく木に巻かれたテープで確認して道へ復帰と言う場面が多くなります。


 荒倉沢の頭展望台より仙人ヶ岳と辿って来た尾根。


 やがて、また分岐があり、右への道を選択すれば程なく、右「一色展望台」(多分、528m三角点方面。そろそろ日没も心配しなければならないのに、時間が掛かりそう。)、左「白葉峠」の分岐なので左へ。県界尾根を外さないように、時々尾根道の向きなど確認して行きます。展望は木の枝越しに得られる程度ですが、ちょっと前までは赤城山のみ目立っていた上毛3山など、この辺では1つの視界に入ります。遠くてしかも小さい妙義山塊は流石に目立ちませんが、吾妻山の奥に榛名山が意外にいかつい姿を見せている構図がいい感じ。当然、撮影しようと思いましたが、「もっと樹間が開ける場所で。」などと先送りしている間に吾妻山が右へずれて行ってしまい、撮れずじまい(ToT)。
 しばらく行くうちにだいぶ高度も下がったようで、下界の交通の音など聞こえてきて、里に近付いてきたことが感じられて、少し安心感が出てきましたが、その後、進行方向が南西ではなく南東寄りで、道形も不明瞭な部分が続くので、支尾根に入ってしまった事を知ります。当然、県界尾根との分岐まで戻ろうとしました。しかし、少し登り返すと左手(西側)に登り着いている林道発見。日没まで2時間を切ったこともあって、安心を求めて、そちらへ入ってしまいました(^^;)。
 しかし、この道、下って行くと林道と言うよりも、伐採跡地にスイッチバック状に重機で仮に造成しただけの作業道のようで、急勾配なうえ、路肩は崩れかけ落石多数。今、震度5くらいの地震でもあったらお陀仏と言う感じ。しかも、一部茨の道となっていて、衣服に植物のトゲ多数付着。一刻も早くまともな道に行き着きたいのでペースを上げて下って行きますが、道は里の方へと言うよりは目前の谷底へ向かっている感じ。この道を造成した重機が入って来ている訳ですから、当然、この道はまともな道に続いている筈だとは思うのですが、上の方、例えば白葉峠道から下りながら造成したなんて事があれば、下りきったところで行き止まりで登り直しなどという最悪のシナリオも脳裏をかすめました(^^;)。
 やがて、谷底まで下ると谷沿いのまともな林道に出合い一安心(^^)。林道を下って行けば、ハコモノ「足利市ふるさと学習資料館」の所で小俣川沿いの通りに突き当たります。県境尾根に入ってからは1人の登山者にも遭いませんでした(^^)。
 付近にバス停もあり備え付けの時刻表を見ると、そのバス「やまなみ号」は一日僅か4便なのに、あと10分ほどで小俣行きのバスが来ることになっていて、大ラッキー!。犬の散歩の老人が通りかかったので、土曜日でも運休がない事を確認すると、このバスは山の方へ向かうので、道の反対側でそれが折返してきた便に乗れば、JR・小俣駅どころか、東武線・足利市駅へも行けるとのこと。確かに、反対車線の方が平野に向いています。しかし、そちらのバス停標識が示す行き先は「行道」となっていてちょっと不安。
 実は、始めのバス停標識の「小俣」行とは小俣駅ではなく、仙人ヶ岳岩切登山口近くの小俣北町で、反対車線の「行道」行は、小俣駅や足利市駅を回った後行道山方面へ向かうものだったのです。間もなく、小俣行きのバスが通過して行きました。
 尚、山から下り着いた現在地は、5万図上の地名で言うと「森出」であることを先程の老人から聞きました。確かに、ふるさと学習資料館前の隣、図上鳥居記号のあたりに神社もありました。つまり、図上、県界尾根・白葉峠の約1.5km手前から南南東へ分岐する支尾根へ入り、その西側斜面の伐採地を下った谷から森出のふるさと学習資料館前BS付近へ辿り着いた訳です。
 定刻の15:39、行道行きのバスに乗ることが出来ました。このバスは、1日4便しかないためか、小俣駅の他、かなり方々に回り道をして行くため足利市駅まで50分ほど掛かりましたが、30分強の待ち時間を含めても小俣駅まで徒歩で行って、JR−東武と乗り継ぐよりは何倍も早いです。それに、運賃は200円均一ですし、足利市駅まで、チープなバス旅行を楽しんだ気分(^^)。

 当初難路かも知れないと危惧していた赤雪山−仙人ヶ岳間は、ヤブも殆どなく、ルートも明瞭で、むしろ、仙人ヶ岳から県境尾根を下るルートの方が手強かったです。とは言っても、地図と磁石だけが頼りという訳ではなく、要所に、木に目印のビニール等(色あせてはいましたが。)が残っており、主な分岐点には指導標もありましたから、適度にルートファインディングが楽しめる程度でしたし、ヤブも「漕ぐ。」と言うほどの箇所はありませんでした。ヤブ山エキスパートでなくとも早めに仙人ヶ岳1山に登り、県境尾根を早い時間帯から注意深く辿れば、筆者のように白葉峠までも行けずにコースアウト(^^;)することなく、「県境尾根を行ける所まで行く。」という趣向は楽しめると思います。



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