小倉山から林道歩き(津久井)



                       2006年2月5日(日)晴

(京王線・橋本よりバス)久保沢BS1155…1213小倉橋の下1220…諏訪の森BS1232…
             (140)   18       (80)    12     (90)26

歩道橋1258…1308鞍部(約12分ロス)1320…1327小倉山2335…三叉路1358…
 (190)  10  (260)         7  (△327)  23 (270)  62

林道分岐1500…1518三増峠1523…県道合流1605…1623根小屋中野BS(バスで橋本へ)
  (280)  18   (320)  42  (180)  18      (160)

         体力度A+ 神経度B- (ロスを除く歩行合計約4時間10分)

◇5万図 八王子

 厳冬期に標高1000m近い山は、気力的・体力的に閾(しきい)が高いので、近場で手頃な里山・超低山はないかと探しているのですが、ガイドブック等に載っているコースはかなり歩き尽くして、行ったことのない既成ハイキングコースは、意外に見つかりません。そこで、道がなかったり、立入禁止だったりした場合は転進(退却のことです(^^;))する覚悟で、地形図上で見つけただけで他に情報が殆どない小倉山に行ってみることにしました。小倉山は、相模川右岸、津久井城山の南東に位置する、327.2m三角点峰です。地形図では山の北側に林道があり、相模川沿いの諏訪の森BS(バス停情報は「Yahoo!地図情報」サイトで調べました。)付近からその林道に入り、山頂の北へ回り込めば尾根道に入れそうです。

 橋本駅から諏訪の森BSを通る小沢行のバスは1日3本しかなく、その手前の小倉を通るバスも少ないので、頻発する津久井湖方面・三ヶ木行に乗車、久保沢BSで降車して、坂道を下って行きます。辿り着いた小倉橋東端からは川越しに小倉山の姿を確認することが出来ました。橋を渡ると右下の河原にトイレを発見、寄って行きます。


 小倉橋東端から川越しに小倉山。


 河原に下りると、小倉橋が高く、新小倉橋が更に高く仰ぎ見られます。小倉橋をくぐった川辺の道をそのまま南下して小沢方面へのバス通りに合流、更に進めば諏訪の森BSの100mくらい先に「ダンプ出入り口」と書かれた、右折路があり、そこへ入りました。最初の右分岐は採石場入口で、次の山裾で左・バス通りへ、右・山の方への分岐があり、勿論、右へ登って行きます。
 入口に鉱山会社のゲートがあり、どうも、この道は林道ではなく、上部の採石場への取り付け道路のようです。果たして部外者が通っていいのかどうか分からなくなりましたが、右手の採石場が見下ろせるところまで登って来ても、ここまで人影はなく、見咎められることはありませんでした。ここまで来たら、さっさと山道に入れるところまで行こうと思いせっせと登って行くと、後ろから車が来ました。運転者に声を掛けられましたが、「大型ダンプが通るので注意するように。」と言われたものの、つまみ出されることはなくホッとしました(^^;)。
 しかし、その後、3台のダンプが次々に登って来て、1台毎にわざわざ停止して「ここは会社の中だから」と咎めますので、前の車の運転者に許可を得たことを幸いに、ひたすら平身低頭「この先で山に入ります。十分注意して行きますから。」とお拝み倒して、何とか、やり過ごしました。ここまで来ると、実際、下のバス通りへ退去するより、北の尾根道の入口の方が近いはずですし。でも、急傾斜の法面だったりしたらはい上がることが出来ませんから、その尾根へ取り付く入口があるかどうかが心配(^^;)。
 やがて、前方頭上に「火の用心」と書かれた歩道橋を発見。今いる車道を跨いで、左手は山の方へ向かっています。位置的にも、ここが小倉山の北の尾根へ入口に間違いなさそう。右手の麓側から歩道橋に入りますが、その時番線を張ったサクをくぐりましたから、道路はやはり完全に採石場施設の敷地内であった事を再確認させられることとなりました(^^;)。つまり、ここまで、林道(実は採石場内の道路)を来るのではなく、北麓から農道を拾って来るのが正解だったようです。(しかし、そちらも歩道橋へは明らかに畑の中・私道と思われる小径を通るので、現地の人に見咎められる可能性はあります。)
 歩道橋を渡ると、著名ハイキングコースのように歩き易い小径が続きます。しばらく尾根の僅か右(西)側を登って行きますが、やがて鞍部で左(東)側へ移って巻いて行く道と、尾根上へ行く道に分岐。まだ、山頂は先なので、左の道に行ってみると、いつまでも巻き続けて、山頂が近付いても登って行く気配がありません。こりゃまずいと思い、先程の分岐へ戻り尾根上の道へ。右手から先程の車道の目的地である採石場の作業の音が聞こえる中、明瞭な道は続き、ついに小倉山・山頂三角点に到達。樹木に囲まれ展望はなく、三角点標石もだいぶ年季が入っていて字が読みとれませんが、とにかく目的地へ到達できてひと喜びです(^^)。


 小倉山三角点。


 この先、出来れば尾根伝いに三増峠経由で地形図上「首都圏自然歩道」が通る429.1m三角点方面まで足を延ばすのが希望ですが、本日も出遅れが響いて日没との兼ね合いもありますので、とにかく、行けるところまで行ってみることにしました。
 この先、指導標もある良い道が続きます。しかし、入るつもりだった313mピークから尾根伝いに南下する道は発見できないまま、歩き易さにまかせて道也にどんどん東へ行ってしまいました。まあ、どのみち小倉山南側の山腹を通る林道には出られそうなので、無理して難路を行くよりは遠回りでも早いのではないかと納得してそのまま進みます。やがて三叉路に出て右折、林道にしては狭いが小径と言うには広い道を5分ほど南へ下って、正真正銘の林道に出ることが出来ました。
 未舗装ながらしっかりした林道を西進します。何となくは周りを見ても、313mピークから尾根伝いに南下して来る道や、その後三増峠方面へ入る尾根道の入口を見つけることなく林道歩きは続きます。里から遠く離れた場所でもないし、高山の中腹のような極地の兆しもありませんが、沿道に民家はおろか、作業場その他の人臭い施設もなく、視界に入る近傍の山々は遠景の視野を塞ぎ、その植林も半ば野生化していたりする景色で、前・後ろ、どっちが街に近いのかも分からないような道が続き、房総半島の道を歩いたときに感じたような心細さというか寂寞感が漂い、非日常的心情を堪能します。車の通行やハイカーの歩行も皆無で、30分ほど歩いた頃追い越して行ったオフロードバイクのライダー2人が、この林道で出合った人間の全てです。
 やがて、朽ちた小屋のような物が見え、それは本日久々に見る人工立体物でしたが、面していたのが林道の分岐でしたので「どっちへ行こうか?」が頭をもたげ、「何の小屋?」は関心事になりませんでした。右が、明日原へ直接下る道、左は三増峠経由の道で、「三増峠経由首都圏自然歩道」を諦めて林道歩きに徹している身としては、右を採って早々に下るのが自然な選択なのですが、地形図を見ると末端が破線になっていて、しかも沢を渡っています。地形図の破線ほどアテにならない物はありませんし、沢はまともな道がなければ大きな障害ですから、こちらは、廃案、左へ入ります。
 途中、束の間の遠景が視野に入ったりして、やがて三増峠着。足下は、県道のトンネルが貫いており、自動車の騒音も聞こえます。ここには「三増峠 標高 319メートル」の立派な標識もあり、尾根沿いの小径も来ています。小径は、小倉山方面への入口は普通ですが、三増へ下る峠道及び、首都圏自然歩道429.1m三角点方面への入口には金属パイプとトラロープでバリケードが施されています。所が、その理由の表示はおろか通行不可の文字すらありませんので、この先は一体どうなっているのか、妙に気にかかるところです。しかし、今回は林道を行きますから取り敢えず関係ありませんので偵察はなし(^^;)。


 三増峠。



  三増峠の先の林道上から津久井城山・その左奥に高尾山方面。


 峠の先の林道上からは、一時、津久井城山・その左奥に南高尾山稜・更にその奥に高尾山が望まれますが、やがては日陰の下り道となり、それがしばらく続いた後、沢に接すると、さっき下に見ていた県道が、いつの間にか対岸に仰ぎ見られます。林道は少し登って県道に合流しますが、そこには閉じられたゲートがあり、林道で一台の自動車にも遇わなかった理由が判明。
 その後、道也に県道を行けば明日原の台地を下って串川を渡り、登り着いたバス通りを右(東)に行けば直ぐの交差点から僅かに左へ入ったところに西中野BSがありますが、直近のバスがこちらから来ると判っている場合以外は、交差点の東100m程の根小屋中野BSで、2方向からのバス(この時は2本/1時間くらい)を待った方が良いでしょう。

 小倉山自体は、想像以上に良い道が通じていましたので容易に達することが出来ましたが、その後林道歩きだったため、周辺の尾根の小径には疑問や興味が残りました。次回は、首都圏自然歩道429.1m三角点から尾根通しに三増峠を経て小倉山方面へ歩いてみたいです。



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