南大沢周辺公園巡り(多摩)



                       2006年2月25日(土)晴

京王堀之内1128…1153蓮正寺公園ふれあいの丘1201…1220長池ネーチャーセンター
   (100)   25             (140)    19           (150)

1230…1240長池公園南西端園地1250…清水入緑地最高点1304…1320
  10         (160)  14      (160)  16

大平公園最高点1325…中郷公園1340…1342南大沢駅周辺1436…松木緑地横断道1509…
     (160)  15  (140)   2         (130)  33     (120)  25

1534富士見台公園展望台1543…1609京王堀之内
       (130)   26

                 体力度A 神経度A+ (歩行合計約3時間30分)
◇5万図 八王子
□筆者参考文献 「ライトマップル 東京都道路地図」(昭文社)


 この日、9年ぶりのスキーに行く予定でした。「ホイチョイプロダクション」とかが流行っていたスキーバブル期は1シーズン数回行っていたスキーも、やがて勤務先の草レースのみの参加となり、更にはそれにも行かなくなっていました。当時は、下手なくせに2m以上もある硬くて重い板(GS用、SL用)を履いて、野辺山のアイスバーンで曲がれなくて苦しんでいましたが、無用の長物となってしまったそれらの板は昨年、粗大ごみに出してしまいました。
 しかし、最近、お茶の水周辺歩いていると、売っている板が変わっていました。短くて、サイドカットも深く、しかもエッジは鋭角で、如何にも曲がり易そう。バブルも去ってスキー客は減り、リフト待ちも短そう。あの頃ほどの体力も気力もありませんが、お気楽に出来るならと、またやってみたくなり、見かけた中で一番安い初級者用の板(163cm 約12K円)を購入し、SL用を捨てたとき念のため取って置いた締具を自分で取り付け、上越新幹線利用の日帰りスキーの機会を窺っていたのです。
 この日は、全国的に晴天・温暖な予報で、お気軽スキーにはもってこい。ジーンズで出掛け、オーバーズボンを重ねただけで滑るのですが、出がけに玄関で靴を履こうとしたら「ビリッ」っという厭な音。見てみると履き古したジーンズの左モモが4cmほどほころびています。しかし、どうせオーバーズボンを履くし、1日くらい何とかもつだろうとそのまま出発。日帰りなので、乗る電車を遅らせたくないのです。
 しかし、最寄りの浮間舟渡から埼京線に乗って大宮へ向かう途中、帽子を忘れて来たことに気が付きました。帽子がなくては耳が冷えて痛くて滑れません。およよよよ。ここまで来たら自宅まで戻るのは時間的に遅れすぎ、今日はもう諦めるか、きっとスキー場でも売っているだろうからかなりの出費覚悟で現地で調達するしかない。もう、残り少ない今シーズンで、また日和に恵まれる週末があるかどうか分からない、「現地調達の帽子は割高でも却って記念になる」と自分に言い聞かせ、そのまま行く事にしました。
 大宮駅で改札を出て、緑の窓口へ。せっかくなので未知のガーラ湯沢を目指して「ガーラ日帰りきっぷ」を買うつもりです。順番待ちで、インフォメーションの液晶を見上げると、朝利用可能なガーラ湯沢方面への新幹線は全て満席。ここで気持ちも萎えました。1.5時間ほどの自由席で通路に立ちっぱなしは、昔、スキーQきっぷ(すきっぷ)で日帰りスキーに言っていた頃は当たり前で、やる気がまんまんの時ならどうという事はないのですが、今日はお気楽スキーのつもりなのに、久々のスキー出発で次々に起こるアクシデントに気持ちは萎え気味。でも、スキー人口も減ったろうし座って行けるだろうから、と甘い考えで持ちこたえていたのです。
 混むなら、「ガーラ日帰りきっぷ」はやめて、「スキー往復きっぷ」で中里へでも、でもそれなら、ウエブの割引券をプリントアウトすべきだった。等々色々考えは渦巻きましたが、短時間にこれだけのアクシデントが起こるのは「行っても楽しめない可能性が高い」(ここまでこの頻度で見込み違いがあったと言うことは、これからもどんどんアクシデントは起こる)という予兆と感じ、結局自宅へ戻って来てしまいました(^^;)。これは、結果論としては正解(^^;)だったようで、この日、ガーラはゴンドラが止まるほどの強風だったそうです。
 自宅に戻り着いたのはまだ7時前ですから、スキーの代わりにどこかへハイキングに出掛けようと思いましたが、慣れない早起き行動の疲れがどっと出て、取り敢えずゴロリン。目的地を決め、支度して自宅を出発したのは結局、10時前でした(^^;)。
 以前「趣味悠々〜里山歩きの入門〜」(NHK教育)で、京王線・南大沢南側周辺のルートを紹介していました。そのとき手持ちの地図(「ライトマップル 東京都道路地図」)で見てみると、確かに、南大沢周辺は線路の北側も含め、緑地・公園だらけ。番組自体は好みに合わなかったのでその1回きりしか見ませんでしたが、いつかはその辺で周遊ルートを組み立てて歩いてみようかと思っていました。それが、本日、図らずも実現の運びとなりました。

 京王堀之内駅を南側へ出て第1の目的地・蓮正寺公園は線路沿い西方ですが、エスカレータを発見、本能的に(^^;)上へ上へと登ってしまいました。エスカレータ3連の後、斜行エレベータ沿いの階段も登り、団地林立の丘陵上へ。右へ行けば、団地の丘の縁を行く事になり、北〜西側の展望が開けます。間近に目に入る緑地の丘が蓮正寺公園でしょう。
 道也に行けば中段まで下ってしまい、駅の方から来る太い道を渡り、次、直ぐの路地へ左折すれば、蓮正寺公園の入口。道は分かれますが、迷わず尾根を登る道へ。林間の尾根道は早速、丘陵を歩いている気分にさせてくれます。しかし、それも束の間、円形の広場(後に見た案内板によると「ふれあいの丘」)に出たところがもう公園西南端。西面が開け、ここから見る団地群は、筆者には近未来的風景です。
 保育園のような施設の脇を下って行き、その先、松木中学校の前の広い道を道也に行くのが、第2の目的地・松木公園、第3の目的地・長池公園方面への順路です。車道の右側歩道を行きますとやがて、地図上野球場くらいの広さはある松木公園ですが、かなりの部分がテニスコートとなっていて、公園という感じではありませんので、コートと車道の間の細長い部分を通過するのみ。道を1本渡っただけで長池公園入口へ着きました。
 長池公園へ入るとまず池が目に付き、道はその右手岸沿いの道と、更に右、尾根道に分かれます。筆者の習性で尾根へ。少し行くと、右手に建物。売店か食事処かと思ったら、ハコモノ「長池ネーチャーセンター」でした。入口脇の自販機でペットボトルを仕入れて中へ。
 筆者的にものすごく惹かれるという展示はありませんが、奥に教室などあり、広さにびっくり。建設費はいくら掛かったことでしょう。入口横の事務所を見ると数人分の机がありましたから、このハコモノの年間維持費だけでも億は下らないものと思われます。国民1人あたり700万円の借金といいながら、このような贅沢な施設が存在しているのはどういうことなのでしょうか?。


 長池公園の尾根の立派すぎる遊歩道。


 ハコモノの先で一時駐車場に出てしまいますが、また尾根道となりしかも着実に登って行きますのでいい感じ。しかし、この道も舗装部分だけで幅5mはある車道のような遊歩道なのです。対岸のアンテナピークに行ってみたい感じですが、かなりの遠回りになりそうなので断念。やがて、切り開かれた園地に到着。西面の展望が開け、まるで高速道のような一般道や第4の目的地・清水入緑地も望めます。


 西へ下る斜面は芝生と石材で完全に園地化。


 西へ下る斜面は芝生と石材で完全に園地化されており、1段n十万円はしそうなみかげ石の階段を下るとき、1人あたま700万円の借金を思いだし、涙が出てきます。公共事業についてお役人様は「社会資本を残している」と仰りますが、こんな非実用の贅沢と共に借金を相続して、後世の人々が喜ぶとは思えません。下りたばかりの所に石材店があるのも怪しすぎます(^^;)。
 交差点のすぐ先から清水入緑地に入りますが、園内を北上する遊歩道はすぐには左手の尾根へ行きません。300mくらい先のトイレの所から左後ろへ戻るように登って行きます。やがて頂上に着きますが、何故かその手前、左手、道から東斜面に少し下った所に展望塔があります。頂上に造った場合に比べて数m損をしている感じ。実際、登ってみても展望は殆ど得られません。しかし、筆者には意味不明な展望塔も、お役人様にとっては「事業の執行」(使用した時の効果ではなく、造ること自体が利用価値)という大切な意味があるのでしょう(T_T)。


 清水入緑地の展望のない展望塔。


 尾根道を戻りますが、やがて、先程の東斜面下へ下るか、左側園外へ出ざるを得なくなります。緑地は主に東斜面にあり、西側は稜線が辛うじて園内、数m西側を稜線と併走するのは隣接する住宅地の東縁の道という按配です。その道を300m程行ったところで「南大沢3丁目 13番地 ←大平公園」の指導標(本日歩いた地区は、町中にも歩行者向けのポスト様の緑色指導標が至る所に完備しています。)に従って左折。
 団地内の道、左手の小公園のベンチには幼児を連れた若い母親いて、ふと「公園デビュー」なんていう語を思い出します。並木道の先で登りのない歩道橋(この辺の街並みは2層構造で、車道が1段低い位置をくぐっている。)を渡れば、大平公園です。
 左へ行き、右手に見える運動広場のような平地の縁を時計回りに回り込むように尾根道に入れば、やがて砲台状に石垣が作られた最高点に到達します。尾根上は緑地で、ハイキング気分の筆者ですが、その少し西側は住宅地で、目の前にあるテニスコートでプレーに興じる人々が目に入って妙な感じ。そのまま尾根道を行けば四阿を経て広場の縁をぐるりと回っり、もと来た道へ。先程の歩道橋の西側から、指導標に従って北へ行きます。
 南大沢中学校の東側を通り、右、左とクランク状に進めば、またまた登らないで済む歩道橋を渡って、やがて中郷公園上部へ。ここも片斜面、緑地なし。完全に石材等で造成された公園ですが、もう南大沢駅は目の前。そそくさと下って行って、イトーヨーカドーへ吸い込まれます。こういう郊外駅のショッピングモール(?意味よく判らず使ってしまった(^^;))って入るとウキウキします。昼食を摂ろうと5階に行ってみますが、どれも一食1000円超の高級店ばかりで筆者のコンセプト(?)には合わず、ビルを出ます。
 南大沢の駅前広場は跨線橋上ですが、まるでイベント会場のような異常な賑わいを見せています。まあ、背後の団地群の人口はかなりのものですし、古い街のように商業地が分散していない分、駅前に人出が集中して、こうなるのかも知れません。改札口前を過ぎ、別のビル内の「東秀」で中華丼の昼食。実は、以前は「東秀ラーメン」のファンだったのですが、約320円から約500円に大幅値上げ。その後1回食べたきり、「東秀ラーメン」は食べなくなりました。今時、ラーメン500円は高いとは言えませんが、320円だった頃と殆ど変わり身なし、しかもタンタンメンやカントンメンと価格逆転してしまっては、その不条理な価格設定に食べる気が失せたのです。
 再び、跨線橋の広場へ。北進すれば車道もそのまま跨いで、「首都大学東京」(地図では「都立大」で、昔からよく聞く「都立大」の正式名なのか、それとは別の都立大なのかよく判りません(^^;))と表示された門の前を右へ。大学敷地は丘陵頂稜部を平地に造成して造られているようで、その南東側斜面樹林帯が松木緑地として残っています。左に回り込むと、右手に、緑地の上縁に沿う道への入口があります。この道はどう見てもキャンパス内ですが、入ってすぐの右下の緑地へ入っていく分岐を発見。「犬を連れ込むな」という旨の表示はありますが「関係者以外立入禁止」とは書いてないので緑地目指して入ってみると、警備員に制止されてしまいました。緑地の方へ行くのもダメだそうです。松木緑地も大学敷地の一部であることを知りました。仕方なく、緑地の西縁に沿って法面の踏跡を下り車道が通る下の段に降りました。


 松木緑地の縁、法面の踏跡を下る。


 緑地を左手に見ながら車道沿いの歩道を歩くと、すぐに松木緑地への入口を発見、当然入ります。先程の出来事から、緑地内に金網のさくか何かあって、大学構内と一般開放部分を区別しているものかと思いましたが、どんどん登って行くと何とキャンパスに出てしまいました。松木緑地全体が大学構内だったようです。警備員の姿などありませんが、こちらとしては、キャンパスに入りたいわけでもありませんので、少し下って、以後、出来るだけ水平に斜面の中腹を行く道を選んで行きました。この緑地は、本日歩いた中で、最も緑地らしい緑地で、「都立大」が設置した看板によれば、多摩丘陵の自然を残している場所のようです。
 やがて、緑地を横断してキャンパス方面へ登って行く広めの道(普通の林道なみの幅ですが車道ではなさそう。)を横切りますが、そのまま前進。しかし、進路が北へ向きを変えると、いつか緑地を出て大学の野球場の外周の歩道になってしまいました。右下には外部の道も走っていますので、早く大学敷地からそちらへ出たいのですが、出口は直ぐにはありません。生け垣を突っ切って法面を下るような不埒なマネは避けたく、誰かに会わないかびくびくしながらずっと進んで、出口があったのは野球場の北側を、西へ、陸上トラック近くまで進んでからでした。
 下って車道を渡ると対面はもう北側斜面に造られた富士見公台園の上縁です。正式の入口ではなさそうな踏跡を辿って入園すると目の前にコンクリートの展望塔がありますので、当然、すぐに登ります。この日は遠望の利く日ではないので山岳展望はありませんが、いい感じの展望が北側に広がり、何度か訪れた、平山城址公園〜長沼公園の青垣山を懐かしく望む事が出来ました。足下に広がる園内は芝生の広場で緑地という感じではありません。展望塔を辞しからも園内巡りはせず真っ直ぐ東の出口へ。


 富士見台公園展望塔より長沼公園〜平山城址公園方面。


 富士見台公園からは東方へ適当に道を拾って京王堀之内駅を目指します。川を渡り多摩ニュータウン通りに出ると、この辺は外食産業の出店が花盛りで、おなかが空いていれば好みの物を食べに寄って行きたいところです。駅入口の交差点を右折すると300mほどで京王堀之内駅の西端に辿り着きます。

 今回のコースは宅地供給の必要性からはかけ離れた、土建国家・日本を象徴するような無意味な造成地が余りに多く目に入り、公園巡りとして自然度・風光の良さからは、一つ北の丘陵に連なる高幡不動〜長沼公園のコースに軍配が上がると思います。しかし、短時間に幾つもの公園・緑地を巡り歩く事が出来た点は興味深く、また、古い平坦な造りの街に住む筆者としては、立体的な街並では近未来的雰囲気に浸ることが出来ました。



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