荒神山から唐沢山(桐生・太田)



                       2013年12月6日(金)快晴

東武線・阿左美1002…1008登山口1014…荒神山1027…1106茶臼山1119…
       (120)     6              13(・218)    39   (△294)    41

1200突当り1213…籾山峠1217…1310管塩峠1315…1338唐沢山1352…
        4 (170)    53   (180)  23  (△261)  28

唐沢側登山口(林道出合)1420…1430工事現場1435…1638韮川
    (90)       10    (140)  123  (40)


                 体力度B- 神経度B(歩行合計約6時間10分)
◇5万図 桐生及足利 深谷
□筆者参考文献 「埼玉県の山」(1995 山と渓谷社) 

 5万図「桐生及足利」の範囲には足尾山地末端近くの鳴神山、仙人ヶ岳、行道山等、東京からの日帰りハイキングに好適な山々が含まれています。図を眺めるとそれらの山々から渡良瀬川を挟んで独立した小山塊があり、気になっていましたが、縦走する道があるのかもわからなかったので後回しになっていました。しばらく忘れていましたが近場のハイキングコースはかなり歩き尽くしたので、新規開拓候補地として浮上、ネットで検索して見ると「八王子丘陵」と呼ばれ、ハイキングコースになっているようなので、今回歩いてみました。参考資料としてルートが書き込まれた2.5万図をネットで入手して持参しました。

 東武桐生線の阿左美駅前からアンダーパスで線路をくぐり、学校の前の道を右へ。左へ曲がって突き当たる山裾の道を右(南)へ僅かに行くと「荒神山登山口」の看板を見つけることが出来ました。取り敢えずデジカメで撮影すると残量不足で電池交換となり、早くも小休止するはめに。ここには「この付近にスズメバチの巣があるので注意」みたいな表示がありビビりつつも登り始めます。


 美林の中を行く道。


 少々急登(鎖あり)のあと穏やかな美林の道を行けばあっけなく荒神山に着きます。四阿の屋根が変わった形なので一瞬朽ちて変形いるように見えました。
 長居する理由もないので荒神山を早々に辞して縦走コースを行くと、すぐに右手に金網が現れます。中にベンチや管理棟らしき建物があり、しかし人やその他動物の気配もないので何か?と思いましたが「立ち入り禁止。猛犬が放し飼いになっている。」みたいな看板があったので、愛犬家がイヌを放し飼いにする施設のようです。穏やかな起伏のあとやや急な下りがあり登り返したピークが分岐点で、そこから左(北)へ10分ほどでアンテナ施設のある茶臼山に着きます。


 茶臼山から赤城山方面を望む。


 早くも昼食休憩(^^;。茶臼山は本日のコース中最も好展望の場所で、現地の案内板によれば富士山も見えるらしいのですが、本日は快晴ながらモヤっていて、比較的近い赤城山さえも霞んでいます。しかし、ここからは標高差が大したことない割には高度感を感じながら桐生市街を見下ろすことが出来ます。桐生はJRも東武も運行本数が一時間に1〜3本なのでさびれた街のイメージだったのですが、ここから眺める屋並みは活気ある都市を思わせます。
 さきほどの分岐へ戻り、縦走続行。主稜の両側とも人里が近いのでしょっちゅう分岐点が現れますが、「籾山峠」の文字がある標識があればそちらを目指し、そうでなければ概ね南東方向に行けばOKです。やがて標識が多数ある十字路に着きました。「八王子山」の指す方向が来た方だったので、どうやらここは八王子峠で、この山塊の代表名になっているにも拘わらず八王子山は気付かずに通過してしまったようです。その後もしばらく緩い起伏を辿っりますが途中、冬なのにツツジのような花を咲かせている木がありびっくりしデジカメでパチリ。
 やがて、採石場のような轟音が聞こえ、やや長く下りが続いた後、山を横断する車道が見下ろせる場所で行止りになってしまいました。いや、行止りではなく突当りなのですが、右への道は金網で封鎖されていて、左への道はいままでの道と打って変わって掘り起こして放置したような荒れた感じなのです。左を指す指導標がありますがそこに「籾山峠」の文字がないのが気がかりです。間違えた分岐ルートに入った可能性もあるので少し戻ってみましたが他の道もなさそうですし、GPSを起動して現在地を確認すると籾山峠直前の地であることは間違いないのです。もし、籾山峠への道が通行不能になったのであれば、これまので多数見てきた「籾山峠」を示す標識にその旨の表示が全くないのはおかしいので、最悪、車道から離れていって籾山峠とは全然別の場所に下りてしまうことも覚悟で左へ行ってみました。すると、荒れていたのは最初だけですぐ普通の道となり、程なく車道に下り着き、右手(南側)のはっきり字が読める距離の所に「籾山峠」の標識が立っていました。車道をそちらへ行きますと、籾山峠標識のちょっと先から反対側のハイキングコースへ入ることが出来ました。
 ここからしばらくは今まで以上に整備された道が続きます。道の両側の下草や灌木が刈られているのです。地形的にも籾山峠までよりなだらかで、尾根も広い感じです。
 しばらくのんびり歩いた後、「管塩峠」を指す指導標のところで道は左へ直角に折れ、急な下りの後少し先でピークを右へ外れての巻き道となり、再び稜線へ戻ってきたところが管塩峠でした。尾根を横断する道と縦走路の交差点にベンチと標識がありますが、峠(横断道が尾根を乗り越える地点)より数m右(南)です。と言うのも峠は切通し状の急斜面になってい縦走路はそれを避けて尾根の僅か南側に付いているためです。切通し状の地形は、もしかしたら、戦国時代の軍事施設として人工的に造られた空堀かも知れません。
 本日最後のピーク唐沢山の山頂部は広場状で北側に、立派な四阿があります。山名標柱のすぐそばに三角点がありました。標石が太く見えたので字を確認してみると「一等」のようです。でも、周りを囲む石はなく「たいせつにしましょう三角点」と書かれた木柱が立っているのみです。


 唐沢山山頂。


 唐沢山からは引き返す人が多いようで、ここから先の道はハイキングコースと言うより仕事道です。山頂広場が広いせいもあって道の始まりが見つかりません。手強い感じがしたのでGPSを再び起動、朝、暑くなって荒神山あたりで脱いでいたゴム引き軍手を再装着。歩きやすそうな場所をきょろきょろ探しながら南東方向へ歩き、何とか道を見つけました。しかしこの道も落ち葉に覆われて不明瞭なので木に巻かれた青色のビニルひもを追っていきます。


 唐沢山の下りは若干ワイルドな道。


 始め尾根を下り、その後左の谷へ下りますが途中で青ひもが見つからなくなりました。少し引き返して見下ろしてみるとやはり他に目印はないので再び同じ所へ下り、正面をよく見ると行けそうです。倒木があって道がわかりにくかったのですが、近付いて見るとその倒木の下の高さ1m位の隙間に青ヒモがぶら下がっていました。そこをくぐり抜け、その先、藪っぽい道を下れば程なく谷底です。涸れた沢を渡った左岸に明瞭な道が付いており、これを下って林道に突き当たることが出来ました。
 さて、ここから川沿いの林道を左へ下れば人里(唐沢)は近いのですが、東武線の駅が遠くなるので右へ登り、唐沢峠を越えて治良門橋駅を目指すのが予定のルートです。所が林道を10分ほど登ると「治山工事中」で峠への道は通行不能でした。何と、林道まで含めた幅の堰堤を建設中でした。その手前には次に造る堰堤のため川の対岸の斜面とこちら林道の山側の法面に溝が掘られていました。それらに嵌り込む形に堰堤が造られるものと思われます。
 峠まで水平距離にして200mもない地点なので工事現場の右手の支尾根に取り付くことも考えましたが、もし藪や岩に阻まれてすんなり通り抜けられないと日没の恐怖もありますし、峠の向こう側もどうなっているのか分からないので断念、林道を下ることにしました。林道の端には番号の書いた小さな立て札が何箇所もありましたので、たぶんこれらが建設予定地で上流から順に多数の堰堤が建設されるものと思われます。
 先ほど下りて来た小径の入口から少し下ると右手から一本南東側の谷が合流し、それに沿う道がありましたが、持参の地図ではこの道も先が山越えしているかどうかか分からないので見送りました。結局、唐沢へ出て平地を東武伊勢崎線の韮川駅まで歩きました。

 今回、籾山峠手前で若干難儀をしましたが唐沢山までは指導標も含めて全般的に整った道で、また風光も良く、気分良く歩けるハイキングコースでした。唐沢山からの下りも悪路は僅かなので知ってしまえば問題ないのですが、もし堰堤工事で登山口まで林道がつぶれるようだと使えなくなり、管塩峠まで引き返す事になりそうです。登山口まで林道が残れば50mくらい下流から一本南東側の谷を詰める道に入って山越えし、治良門橋駅へ行くのが良さそうです。(帰宅後、地理院地図サイトで見たところ、この道は山の向こう側まで行けそうでした。)



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