2015年10月20日(火)晴 富士急線・三つ峠755…821さくら公園838…916達磨石922…1101八十八大師下1107 (615) 26 (660) 38 (950) 99 (1590) …1202三ッ峠開運山1254…1423母の白滝1432…1505河口局前BS(バスで富士山へ) 55 (△1785) 89 (1000) 33 (840) 体力度B 神経度A+ (歩行合計約6時間05分) ◇5万図 都留 □筆者参考文献 「東京付近の山」(1998 実業之日本社)まだ藪山(筆者的には主に超低山)には早い季節だし、先日の塔ノ岳大倉尾根の登りでゆっくり登ればそこそこの標高差は克服できる事が確認できたので、近年ご無沙汰している三ッ峠に行って来ました。初めて登ったのはもう45年くらい前で達磨石からの表コース。その後距離も標高差もバスで稼ぐ楽な裏コース、バス利用より更に歩程短縮のバイク使用の裏コース、笹子から清八峠経由のコース、と4〜5回は行ってます。(バイク以外のときの下山路はいずれも天上山コース。ずっと尾根なので好展望だし河口湖駅近くに下りられるのは好都合なので。) その後、バリエーションルートとして東尾根コースを試みましたが、アプローチで野犬の集団に遭い、ビビッて退散、それ以降この山には行ってませんでした。しかし、表コースは大好きな深夜アニメ「ヤマノススメ」でも紹介され、間違いなくいい山なのを再認識しましたし、でも前回の記憶は殆どよみがえらず、2回目もいいんじゃないかと思ったのです。今回は、下山路には参考書にサブコースとして載っている母の白滝コースを採用しました。 ところで、表コース、地図で見る限り、標高差も距離も大倉尾根ほぼ同等と言うかむしろこちらの方が若干小さい感じなのに、参考書のコースタイムでは大倉尾根3時間20分に対してこちらは4時間30分となっていて不思議です。執筆者による差もありましょうが、一冊の本の中ですから、グレードやコースタイムはそこそこ整合性を持っているはずなのにこの大差はなぜ?。大倉尾根を登ったのが僅か11日前ですから、今回はこの点についての確認もできると思いました。 時間的余裕を持って登れるように自宅最寄りのJR駅・埼京線浮間舟渡から朝一の電車で新宿へ。「Yahoo!路線情報」で調べたところ、この出発時刻だと大月で乗れる富士急の列車はJRの場合と変わらないので新宿−高尾間は京王線を利用。その方が片道331円も安いのです。(尚、JRなら新宿経由より武蔵浦和経由の方が乗車時間が短いが乗れる富士急の列車は一緒。) 降りついた三つ峠駅のホームから、三ッ峠も富士山も見えましたが、本日も朝からからあまり遠望の利く視界ではないようで残念です。 流石、表コース。駅前から指導標完備で迷う余地はありません。正面に三ッ峠を見ながら下暮地の集落(意外に住宅地が続くので、むしろ市街地と言うべきか)を行きますが、ちょうど通勤時間帯のせいか、自動車の往来が多いです。この辺、昔は、未舗装で、両側は殆ど畑か空き地の中を行く農道のイメージでしたが、記憶は確かではなく、もしかしたら歴史的な時間の経過を逆算した脳内イメージかも知れません。 浅い谷沿いとなり三ッ峠が見えなくなります。西桂町営レジャー施設「三ッ峠グリーンセンター」入口には表コースの登山案内図がありますが、驚くほど斜度が誇張されています(達磨石−八十八大師は83度くらいありそう)。 その先、右手に神社を見た後左手に岩のような形の公衆トイレ(近付いて見るとプラスチック製のようです)があるさくら公園。見渡す範囲内にベンチを発見できないので低い石垣に腰掛けて本日1度目の弁当タイム(^_^)。運搬距離を減らすため、弁当は出来る限り現地近くで調達するのが常ですが、「Yahoo!地図情報」で調べたところ、三つ峠駅付近にはコンビニが1件しかなく、適当な品が在庫切れだと困るので、本日は自宅側の駅近くで調達済みです。 だんだん傾斜がきつくなると道は蛇行します。1箇所車道右カーブのところを直進するショートカットの遊歩道があり、左下には透明な流れを見ることが出来ました。川底は一枚岩が多く滑滝状の部分と堰堤状の部分があり、ぱっと見コンクリート製っぽいですが良く見ると天然石のようです。人手が加わっているか自然のままかまでは判りませんが。 さくら公園から50分ほど車道を登って行くと左手に木橋があり、渡れば登山道の始まりです。少し登ると達磨石があり休憩。先ほどの木橋が見下ろせます。山頂まで3kmの表示も見かけたので大安心。それが事実ならこの先超1km/hの超スローペースで行っても12時半より前には登頂でき、13時出発としても十分な休憩時間がとれます。参考書のコースタイムで母の白滝コースは山頂→河口局前BSが2時間05分ですから、多少の遅れや休憩等を考慮しても15:38の富士山駅行バスには十分間に合う計算です。 達磨石付近から登山口を見下ろす。達磨石から八十八大師までは地図で見たとおりの急登が続きますが、途中、1時間も登ったところに「馬がえし」があり、びっくり。こんな急坂を馬に乗って登れたのでしょうか?。 八十八大師のわずか下、空胎上人の墓の前の小平地にベンチがあり休憩、外国人男性二人組が追付いてきたところで出発しましたが、これを含め、今日登山道で人に会ったのは頂稜部まで僅か3人で、平日でも常に前後に人陰のある大倉尾根とは大違いでした。 八十八大師の少し先、屏風岩の基部を左にトラバースする道に入りますが、ここが本日の白眉でした。歩きながら目に入る様々な岩と紅葉の構図は素晴らしかったです。始めは細道でしたがやがてテラス状に広い部分も出て来ます。 岩と紅葉の景観。 屏風岩基部の道。トラバースが終わると道が二分します。指導表はありませんが、左は木無山(けなしやま)方面に向いており、開運山は右側なので右の道を10分ほど登って行きますと「富士見山荘」前に出て、更に右に最後の一頑張り10分ほどで三ッ峠最高点・開運山山頂です。 山頂には筆者休憩中常時10人前後はいましたから、やはり、裏コースからの登山者が多そうです。塔ノ岳ほどではないにせよ、太宰治も登ったほどの観光スポットですから、平日でもそれなりの登山者数はあるのでしょう。山頂の平地は10人程度でひしめくほどの混雑にはならないくらいの広さはありますが、ベンチの類はなく、外周部に腰掛けるのに適した石や切り株も殆どなく、中央部の山名石碑基部の岩が腰掛けるのに丁度良いため、登頂記念に石碑の写真を撮ると大抵他人が入ってまうという残念な事になっています。石碑わきの岩に腰掛けて本日2回目の弁当タイム。至福の時です。 眺望は抜群ですが南アもシルエット状にしか見えない程度の視界です。それでも、目の前の富士山くらいはそれなりに見えて欲しい所でしたが、山頂到着時は完全に雲に隠れていました。しかし、時間経過とともに雲が取れて行きます。山頂付近の一部が見えたと思ったらまた隠れたり、次はさっきよりもっと多くの部分が見えたりしながらなのでカメラが手放せません。そろそろ立ち去ろうと思うとさっきより良く見えるのでまた一枚、と言うことを繰り返しているうちに、フィルムを消費しないデジカメの気安さで似たような写真を何枚も写してしまい、時間もどんどん経ってしまいました。13時近くなってそこそこ全体像が撮れたので下山開始。 母の白滝へは、天上山方面(府戸尾根)と同様、まず木無山頂稜部を行き、その西端ピーク付近から右へ分岐して行きます。富士見山荘の先、木無山東端の「四季楽園」手前から右に分岐したすぐ先に公衆トイレが見えたので寄って行きます。トイレから分岐に戻ればよかったのですが、どうせすぐに頂稜を通る道に合流するか、左に登る道があるだろうと思って、そのまま進んでしまいました。この道ははっきり下って行くわけでもなく頂稜部の少し右下を平行して行く感じなのでどんどん進んでしまいましたが一向に頂稜には乗らず、分岐もありません。かなり進んだ後ようやく出合った分岐から頂稜部に登る道はV字型に戻るような方向です。200mくらい斜めに緩く登って三ツ峠山荘の西側で頂稜を通る道に復帰。さっきの分岐は裏コースが木無山経由と直接開運山に向かう道の分岐でした。今、「地理院地図」サイトで調べてみると距離的ロスは250m程度ですが、一般に木無山山頂とされる文字通り木のない広場をわざわざ遠回りして巻いてしまった事になり残念ですT_T)。 木無山頂稜部の緩い起伏を西へ向かいます。次のピークから富士山が良く見えたので1枚撮影。その先、程なく、1732m標高点ピーク付近に分岐があり、「←天上山」「母の白滝→」の指導標が立っていました。ここにも「木無山」の標識があるので、ネットで検索してみるとここを山頂とする人もいるようですが、5万図の注記が示すように、ここから四季楽園付近までの長さ500mくらいある頂稜部全体を指すのが妥当で、そこに三つある1730m等高線ピークのうち一般的には一番開運山に近い木のない広場が木無山山頂でしょう。 右に分岐する母の白滝コースに入って驚いたのは両脇の笹が道に被さっていた事です。その先の道も荒れている部分やはっきりしない部分がありました。また、指導標は文字のペンキがはがれてたりして古びたものが大部分で、数も少なくなっています。土が湿っぽい部分では新しい足跡やスリップもありましたから、人通りがないわけではなさそうですが、サブコースと言うよりはバリエーションコースという趣です。 著名ルートなのに笹を被ってる道。30分くらいで車道に出て、正面左の車両進入禁止(歩行者進入可)と表示されたゲートから分岐している林道に入ります。最初の右カーブでショートカットの小径に入り、次に林道に出てもすぐまた小径を下り、また林道に出て僅か先、送電線のすぐ近くでまた小径に入ます。母の白滝コースの小径はなんとなく不気味で、「熊出没注意」の看板にもビビらされました。近年では東京近郊でも「熊出没注意」表示のない山なんて殆どありませんが、人通りが少ない地帯だと余計にビビります。 この道を下って行くとやがて流れの音が大きく聞こえるようになりますが、沢に近付くと一部先がすぐには見えない所もあり、もし選んだルートが沢に突っ込むようならほぼアウト(道間違い濃厚)なので不安になります。しかし、やがて階段が現れて間違いなく母の白滝に向かっている事を確信し、一安心。 母の白滝の上の滑滝。 母の白滝。母の白滝の上部は結構長い滑滝になっていてそれが一旦ほぼ水平になった後、堰堤上部のような落ち口から急傾斜の母の白滝本体となります。滝壺脇に下りつく階段に腰掛けて本日最後の休憩。天上山分岐からここまで、ここの階段で出会った老夫婦以外人の姿は全くありませんでした。やはり、母の白滝コースはシャッター商店街のように廃れてしまったようです。ここから河口局前BSまでの参考書コースタイムは30分、バス乗車予定時刻15:38までは1時間以上あるのでもっとゆっくりしていたいところですが、滝を眺めていても退屈になって来たので10分も経たずに出発。 すぐ先の左分岐を下るのが、川沿いに割と直線的に行く参考書のルートのようですが、通行止めになっています。しかたなく、そのまま林道を行きましたが、こちらは登り傾斜から始まって、その先大きく迂回・蛇行しているので時間が余分に掛かりそう。しかし、それでも倍は掛からないだろうから焦らず行きました。今、、「地理院地図」サイトで水平距離を調べてみると参考書コースは1.2km程度、今回のコースは2.3km程度でしたので、1.1km程度の距離延長です。 それでも結局、河口局前BSには母の白滝から33分ほどで着いたので、バスが来るまで30分以上あって、ベンチもないし周りに面白そうなものもないし、ラジオも面白い番組をやってなかったのでちょっと苦痛でした。しかも、バスはご多分にもれず少し遅れてやって来ました。 富士山駅(旧富士吉田駅)行バスに乗って運賃表を見たら腰が抜けそうになりました。次の停留所までの初乗り運賃が430円!。田舎のバス運賃が高いのは知ってましたが、これには眼を疑いました。もっと小さい数字はないかと必死に探しましたが、やはり430円が最小の数字でした。なぜなら、このバスは河口湖駅には寄らず、2476mもある新倉河口湖トンネルで府戸尾根の下をショートカットして富士吉田方面に直行する便だったので、トンネルの先にある次の停留所(松山)までの距離が長かったのです。しかも、無料のトンネルを利用して約1.4km距離短縮(「地理院地図」サイトで水平距離を調べた)してるにも拘わらず、トンネルを通らないでこの間20箇所の停留所を巡る便と同じ運賃を取るのです。つまり、430円は2停留所間ではなく22停留所間分の運賃だった訳です。富士山駅は松山の一つ先で450円でした。(松山→富士山駅は150円。) 今回、三つ峠駅から三ッ峠山頂までの所要は休憩込みで4時間07分でしたので参考書のコースタイムより23分短くて済みました。大倉尾根のときはコースタイムより9分余分に掛かっていましたから、やはり三ッ峠表コースのコースタイムは大倉尾根に比べてかなり甘い設定だと言えます。しかし、筆者の所要時間の比較でも大倉尾根より三ッ峠表コースの方が38分も余分に掛かっているのは参考書と同じ傾向でした。 一番予想外に時間が掛かったのは八十八大師→山頂です。5万図を見ると標高差200m弱、距離1km弱くらいなのに参考書で「コースタイム1時間」を見たときは「えっ、そんなに?」と思いましたが、実際55分掛かりました。今、「地理院地図」サイトで調べてみると標高差約200m、水平距離約1.2kmありましたがそれでも普通なら30分くらいのところです。特に、八十八大師から屏風岩基部を周り込んで急登開始の分岐まで、アップダウンの少ない道で標高差90m、水平距離860mに37分掛かっています。通常15分くらいのところですが何でこんなに掛かったのかは結局謎です。「地理院地図」の大縮尺図にも記されてないくらいの細かいジグザグがあったのか、それとも絶景にしょっちゅう歩を止めて景色を眺めたり写真を撮ったりしてたためか?。 体感的にも、三ッ峠表コースの登りは大倉尾根よりは楽(楽と言っても比較での意味であり、筆者が近年登った小さな山々に比べれば絶対的にはきつかったことは言うまでもありません。以下同様。)でした。やはり時間が余分に掛かった分負荷が小さかったのでしょう。更に、帰宅後のダメージは大違いでしたが、これは塔ノ岳→鍋割山→後沢乗越→大倉BTに比べて、三ッ峠・開運山→母の白滝→河口BSの方が遙かに楽で、前半戦も後半戦も楽だった本日の方が総合的にダメージが小さいのは当然です。 ▲項目索引▲ ◎トップページへ戻る◎ |