小沢岳(南牧)



                     2015年10月30日(金)晴

(乗用車で)登山口931…953椚峠958…1040小沢岳1100…椚峠1133…1150登山口
      (670)   22 (・845)   42  (△1089)    33(・845) 17     (670)


          体力度A 神経度B(ピストンならA) (歩行合計約2時間05分)

◇5万図 富岡 御代田 万場 十石峠
□筆者参考資料 「西上州の山歩き」ページのトレッキングマップPDF(南牧村)

 下仁田周辺の山は東京からの日帰りには交通不便な割に、稲含山、鹿岳、四ッ又山、鍬柄岳・大桁山、桧沢岳と結構登りました。しかし、一番ポピュラーとも言える小沢岳がまだ未踏でしたので永年の懸案事項となっており、今回やっと登頂を実現した訳です。
 ショートコースですが駅から登山口までアプローチが長いので、こんなときはスーパーカブが定番ですが、しんどそうなので今回はマイカー(パッソ)登山にしました。バイクは、長時間運転すること自体四輪より疲れますが、山歩きとなると大荷物を背負うことになって更に疲れるのです。と言うのは、この季節、早朝にバイクで走るには綿入れやオーバーズボン等、厚着をしないと寒いのですが、歩くときはそれら+ヘルメットが担ぐべき荷物として増えるからです。一方、四輪の場合、登山口近くに駐車スペースがあるかどうかが問題ですが、南牧村サイトを見る限り結構ありそうで、もともとすいてる山ですから、平日なら他者と競合することもなさそうです。

 R254で下仁田へ、<45>を僅かに走った後<172>を青倉川沿いを行き、更に指導標に従って林道を登り小沢岳登山口まで練馬区の実家から正味4時間半くらい掛かりました。ここまで、舗装道です。参考資料に示された駐車スペースは更に少し登ったところですが、登山口の右側路肩に小平地があったのでそこに駐車させてもらって歩行開始。登山口には「熊出没注意」の表示がありますが、最近これを見かけないことは殆どなく、すごく気になるようなら山行の趣味をやめるしかありません。ビビリながらも「運が悪くなければ大丈夫」と自分に言い聞かせ、気休めの鈴を鳴らしながら行きます。


 登山口。


 椚峠への登山道は、はじめ100mくらいコンクリ舗装、その後ダートとなりますが、完全な車道(林業経営作業道)です。しかし、地理院地図では途中から破線、Yahoo地図には全く載っていません。駐車スペースも結構ありますが、結構うねりがあってパッソだと腹をこすりそうですので、入ってすぐにある「一般車両の通行は危険ですので関係者以外の乗り入れはしないで下さい」という立札を見るまでもなく、登山口から徒歩にしたのは正解でした。
 沢沿いの道が右にカーブして山腹を登れば、意外とあっけなく鞍部の広場に着きました。地名表示は見つけられませんでしたがここが椚峠に間違いなさそうです。GPSによる現在地確認の小休止の後右手の小径を登って行きます。


 伐採地越付近の尾根道から稲含山方面。


 尾根上の道からはすぐ左下(西側)を巻道が平行しているのが見えます。しかし、右側伐採地の植林が幼く、少し登って行くと八倉峠方面や稲含山方面が望まれますので尾根道を辿って正解でした。一つピークを越すと植林の中の道となり、次の露岩ピークあたりでは左手の巻道が姿を消しますが、やがてまた見えるようになります。
 やがて、尾根と言うよりドーム状の山体を登って行くようになります。この辺どこが道だか判りにくいのですが、木にピンクのテープが巻かれている下に踏み跡があります。登りは適当に上を目指せばほぼ問題ありませんが、下りではテープがルート確認の役に立ちます。登り切ると前衛峰(1050m圏)で、僅かに下るとまた尾根らしくなってしばらくゆるく登って行きます。最後は雑木の低木の中、木の根や岩の出た急登僅かで頂稜の一角に出て、その一番奥が三角点標石や石の仏像が置かれた山頂です。


 小沢岳山頂より御座山方面。


 山頂では、弁当タイム&本日もあまり視界はよくありませんが撮影タイム。浅間山がぼんやりやっと見える程度の視界です。東側はやや木が高く、稲含山はよく見えませんが、妙義山〜桧沢岳の西上州の山並みを低木越しに見る事が出来ます。
 出来れば完全ピストンは回避したいので、下りは前衛峰の先から巻道に入ったのですが、これは宜しくありませんでした。虫やヘビがいないのは幸いでしたが、結構藪があって特に露岩ピークの横辺りでは、トゲトゲの藪を掻き分けながら進まなくてはならなかったのです。登りでこの辺りが尾根道から見えなくなったのは稜線から離れたためではなく藪のためでした。「僅かな区間だろう」と皮軍手を装着するのを怠ったため両手の甲は引っ掻き傷で血がにじみ、ジーンズとシャツはくたびれたタオル地のようにぽつぽつと糸が出てしまいました。それを過ぎると色付いた雑木の美林が目を楽しませくれましたが、下りも尾根道を採る方が無難でした。


 伐採地反対側(西側)斜面の巻道と美林。


 椚峠からは往路を戻りました。歩行中1人の人とも、また1頭の獣とも出会うことはありませんでした。
 登山口からの帰路は、朝より時間が掛かることを予想していましたが、殆ど渋滞に遭う事もなく、ほぼ同等の所要時間で済みました。

 雑木の美林や露岩、幾重にも連なる山々の展望、人に会わない等、西上州らしさの片鱗も感じられていい山でした。やはり、もっと遠望が利く日に行きたかったですが、それは大抵の山について言える事なので仕方ありません。藪では少々痛い目に遭いましたが、全般的にはいい山行だったと思います。
 尚、最低地上高が高い車なら椚峠まで不安なく登れそうですが、そこまでして歩程を短縮したら遠路はるばる山歩きをしに来た趣旨と相容れなくなると思います。





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