御岳平より大岳山・御前山(奥多摩)



                        2016年5月20日(金)薄曇

(JR・御嶽よりバス・ケーブルカーで)御岳平837…アクバ峠932…1002大岳山荘1010
                   (830)  55  (1020)   30      (1140)

…1025大岳山1045…1159大ダワ1215…1259クロノ尾山1308…1350御前山1405
15  (△1266)    74     (990)    44        (1170)    42 (△1405)

…西の境橋分岐1418…車道出合1522…1612境橋BS(バスでJR・奥多摩へ)
13      (1320)    64   (740)    50    (380)


                  体力度B 神経度A (歩行合計約7時間00分)

◇5万図 五日市
□筆者参考文献 「東京周辺の山」(2001 寺田政晴分)他


 標高差400m強稼げるケーブルカー利用で御岳平(御岳山駅)から大岳山に登るのは小さ目の労力(累積標高差)で素晴らしい山頂に立てるので人気の奥多摩入門コースです。その他にも、日の出山や大塚山等と結んでお手軽にいろいろなコースが組めるので、昔から御岳平−大岳山は銀座通りになっています。
 今回の銀座通りから御前山へと結ぶコースは、40年以上前、終夜運転を利用して初日の出を大岳山山頂で迎えたとき以来です。単独に登られている事も多い山を2つ通して登るので、朝発の日帰りとしては一見きつそうですが、大岳山から鋸尾根あるいは馬頭刈尾根下山と比べて距離的に大した延長ではなく、電子国土から読み取った累積標高差も境橋BSからの御前山登山とほぼ同等なので問題なさそうです。

 御岳平(ケーブル御岳山駅前)から歩き始めます。この辺り、山上集落が形成されていて、下界の路地を巡るのとそう変わらない雰囲気です。御岳神社への階段を一部登って左へ分岐すれば、御岳山(御岳神社)、男具那ノ峰(奥ノ院)、鍋割山の南東側を巻いて、楽に大岳山へ至る道です。
 始め、主脈の左側山腹を行きますが、岩石園上部で前回(15.07.12)登って来た左・七代の滝方面からの道を合わせると、流れを渡って高岩尾根(サルギ尾根)の右側山腹を登ります。やがて、高岩尾根に乗り上げて左・高岩山からの道が合わさる辺りはアクバ(芥場)峠のはずですが、それぞれの行き先を示す指導標はあものの、今回も現在地名の表示は見つけられませんでした。
 しばらく主脈の南東側山腹道を行けば露岩も現れ始め、大岳山荘(廃業)前に着きました。休憩後、すぐ上の大岳神社の左わきを通り露岩の急登を15分ほどで大岳山頂です。無理な頑張りなしで御岳平から休憩込1時間48分は望外の好ペースです。


 雲のせいで大岳山から眺める丹沢は高山のよう。


 今回、平日で早めの時間帯のせいか、山頂滞在中、周りの人員は10名程度でした。南面の展望がありますが雲のため、富士山は見えませんでした。しかし、下部が雲に隠され上部のみ見える丹沢山塊は2000m超の高山のような趣ある眺めでした。前回(日曜日)に比べて競争率の低いベンチで景色を堪能しながら弁当タイム。
 大岳山からはまずは鋸尾根下山と同じコースを辿り、鋸山南面を巻いて更に大ダワまで下ります。前日21時ごろ寝たのですが、1時過ぎに目を覚ましてしまったせいか、この下りで強い睡魔に教われ、そのためか、ほぼいい感じで下ったつもりなのに、参考書のコースタイム1時間より1/4時間くらい余分に掛かってしまいました。尚、昔来た時は大岳山−大ダワのどこかで重厚な尾根張りの御前山の姿を撮影出来たのですが、木が育ったのか、季節的なものなのか、そのようなスポットは発見出来ませんでした。


 大ダワ。


 事前のネット情報で大ダワ林道は一般車通行不可かと思っていましたが、大ダワには仕事車とは思えない乗用車が2台駐車しており、その後バイクが何台か通過して行きました。どうやら、現在、通行可のようです。
 大ダワから御前山まで標高差400m強ですから単調な登りなら1時間強と言うところですが、いくつかのピークを越えていくので電子国土の地形図で測った累積では550mくらいあり、参考書のコースタイムも1時間25分。ここを休憩込みで1時間35分で賄い、目標の14時までに御前山に着く事が出来ました。この季節、境橋までの下りが2時間なら、暗くなるまでには余裕があります。


 御前山山頂。


 今回の御前山の山頂は平日で遅めの時間帯のためか、休憩中1人来るまで無人でした。木に囲まれてはいますが、広葉樹の低木主体なので明るい雰囲気です。山頂からは、樹間に丹沢方面が僅かに見える程度ですが、頂稜部西端に三頭山方面が見える場所とその左に石尾根方面が見える場所があります。しかし、いずれも広がりのある展望は得られませんでした。
 境橋BSへは山頂東の避難小屋経由・下部栃寄沢沿いの道が通常ルートですが、今回は山頂の西から下る道を辿ってみました。御前山北面は「体験の森」となっていて、登山道からもいくつかの道が分岐していますが、標識が完備しているので迷う事はありません。しかし、滑り易い部分が多く、一度滑ってとっさに突いた左手が上向きの切れた細い根に当たって小指の付け根が8×3mmほど皮が剥けてしまいましたT_T)。


 沢の源頭部から始まる道を下る。


 標高差2/3くらい下ったところで車道に出ますが、はじはめやや冗長に大周りする感じです。しかし、その後傾斜も増してどんどん下って行きます。それでも、車道は左右に大きく振った道筋なので小径に比べれば距離をロスしているようにも感じますが、この辺は比較的急斜面なのでショートカットの小径を作ったとしてもジグザグとなり、実際の歩行距離は見た目ほど変わらないと思います。
 車道を35分くらい下ると右手に、栃寄沢沿いの登山道の入口が現れますが、「伐採のため通行止」との表示があり、西側の道を選んだのは結果的に正解でした。ここから、境橋BSまで15分ほどで、見込んでいた山頂から2時間を若干オーバーしましたが、境橋16:24奥多摩駅行のバスに予定通り乗る事が出来ました。

 季節的なことや薄曇という気象条件もあって全般的に好展望には恵まれませんでしたが、新緑の中を気分良く歩く事が出来ました。それと、実は、本日はトレッキングポールの試用という目的もありました。
 少し前までは、ポールは高齢者向けの杖のイメージで見向きもしなかったのですが、NHK-BS「グレートトラバース」でプロのアドベンチャーレーサー田中陽希氏が標準コースタイムの半分以下での高速登山に使用しているのを見てイメージが変わりました。田中氏が使っていたのはスキー用と似たIグリップ2本ですが、筆者は入門と言うことでTグリップ1本にしました。4段伸縮式なので大きめザックにぎりぎり入る長さです。
 実際使ってみた結果、特に、大岳山山頂直下の登り下りのような急な道でかなり有用でした。ポールで脚の負担を一部腕に転嫁することにより、登りはパワフルに、下りはバランスが良くなりました。使う前は登りは短めに、下りは長めに調整するというイメージでしたが、実際は同じ長さが良好でした。体の真横を中心にその前後で使うので、考えてみたら当たり前の事でした。ただし、滑り易い場所の下りでは長めに調整して前方に斜めに突いてつっかえ棒にするのが良さそうです。バスケット(つばのような円盤)が付属していて、スキー用同様に先端がもぐり過ぎないように出来るのですが、今回は取り付けませんでした。御前山北面の道にふわふわしている部分がありましたが、もぐるのは数cm程度だったので使用後の掃除の労を惜しみました(^^;。
 下るとき後ろ向きになるくらいの著しく急な場所や藪以外では大して邪魔にもならないと思うので、これからも携行する事に決めました。いずれは2本使いも試して見たいです。




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