鶴島琴平山〜松義山(中央線)



                      2023年3月20日(日)快晴

上野原駅1137…琴平神社入口1159…1241琴平山1244…1313剣ヶ峰1334
  (178)    22       (227)    42     (389)    29     (426)

…1435松義山1458…里道出合1519…1556上野原駅
61     (389)    21            37

                        体力度B- 神経度B- (歩行合計約3時間40分)
               【GPS記録】距離6.5km
               【地理院地図累積標高差】上り452m 下り452m
◇5万図 上野原

 先日(23.02.06)鶴島金剛山に北の尾根から登ったのですが、下調べとして上野原駅から登山口(古峯神社)までのルートをGoogleマップ・ストリートビューで確認しました。その時金剛山から県道<35>を挟んで北西側に「松義山」の山名註記を発見。更にその先には「琴平山」の山名註記があり、ガイドブック等でも山名註記見た記憶がない無名の小山域なのでちょっとびっくり。位置を地理院地図と照合してみると、松義山は390m圏峰、琴平山は頂陵部が南北に長い380m圏峰であることが判りました。
 ググってみると、これらのミニ縦走は仕事道を拾って行ったり道なき道を行くのではなく、登山コースとして整備されていることが判明。コース上、琴平山の東南東の420m圏峰には剣ヶ峰の名があって、好展望との事。これは行くしかない。
 ネット上の報告を見ると、「急」とか「滑り易い」箇所が多そうですが、そういう箇所には鎖やトラロープが設置され、コースを塞ぐ大岩には人工的なステップが刻まれているようで、技術的には一般ハイカーでも問題なさそうです。最近、脚力・腕力がますます衰えてビビり度もアップした筆者ですが、距離も標高差も小さいので、急な部分の登り下りには、慎重に手がかり足がかりを選んで進む事として、健脚者の2倍くらい時間をかけてもいいつもりで出かけました。
 尚、昔は、琴平山は駒倉山、剣ヶ峰は金比羅山と呼ばれていたようです。(文中、単に「地図」との表記は地理院地図を指し、※は帰宅後調べて得た知見です。)

 上野原駅南口広場から左(東)に行き、突当たった<35>を南下、桂川橋を渡ります。


 桂川橋から琴平山(中央右)とその左・剣ヶ峰を望む。


 渡ってすぐ右折、更に左折して小学校の脇を南南西へ。突当たったら右折して水路のような狭い川を渡って左折、道なりに行けば最後に右カーブして赤い鳥居のある琴平神社入口に着きます。ここまで「高柄山」あるいは「御前山」を示す指導標が要所にあるので、それに従えば迷うことなく辿り着けます。
 ここで皮軍手を着用。


 琴平神社入口。


 鳥居をくぐって登って行くと電気柵があり、扉を開閉して通過。送電鉄塔を過ぎて更に登って行くと露岩帯の急登となります。極端に急傾斜なわけではない(※それでも地図上の計測で平均35度くらいあった)のですが、平らに足を置ける箇所があまりなく、つるつるあるいはざらざらと滑り易いので四肢動員で休み休み慎重に登ります。手がかりになる樹木やその根も不十分で、トラロープが設置されていなければ筆者では登れなかったでしょう。


 意外と手強い尾根道。


 足がかりとなる凹凸の乏しい大きな岩が立塞がる所にはステップが切ってあったり鎖が設置されているので何とか通過することが出来ました。
 直下の標高差80mくらいは25分ほどもかかってやっと琴平山山頂に到着。


 琴平山にて。


 山頂には朽ちかけた祠があり、山名標識や「剣ヶ峰」を示す指導標もあります。(※この場所は地図上175mくらいある細長い380m圏の北端部で、ここよりも中央部の方が僅かに高そうです。)
 休憩後、剣ヶ峰に向けて出発。
 ここからしばらく、小さなアップダウンのある頂陵部を行く事になります。岩と、落葉した低木の、明るくて気分の良い道です。


 琴平山頂陵部を行く。


 琴平山の頂稜部を過ぎ、小さな起伏の後、剣ヶ峰への登りに入り、最後の標高差30mほどは斜度も増します。山頂は岩頭ですが、鎖が設置されているので、一見した時の感じほど困難な登りではありません。


 剣ヶ峰山頂直下は鎖完備。


 本日の最高点・剣ヶ峰は、展望も最高です。


 剣ヶ峰より高柄山方面を望む。


 同、鶴島金剛山、左奥に石老山。


 展望を堪能した後、松義山を目指します。
 初め道なりに下って行ったら、主尾根は左方向のはずなのに、まっすぐ下った後、急斜面の上となって行止り。山頂まで戻り、左折分岐を探しながら下ると、それはすぐに見つかりました。
 主尾根上を下って行くと左側に「危険」と表示された箇所がありましたが、その先が崖で危険と言う意味で、ルート上の事ではありません。しかしルート上も急な箇所が多くて、鎖やトラロープ等に頼りながら慎重に足の置き場を選んで下りました。
 地図上380m等高線辺りまで下ると、比較的穏やかでいい感じの尾根道となります。この先、尾根は松義山の登りに入るまで370m圏が続きますが、等高線に現れない小さな起伏はあります。
 松義山への登りの所で、左へトラバースする道へ入ってしまいました。初め明瞭な道だったので、こちらに回り込んでから登りになると思ったのです。しかし、道型は怪しくなり、左斜面へずり落ちそう。前方には赤テープも見えますが、どうも、別の道(山頂手前の分岐からの下降路)の物のようなので、引き返しましたが、すぐ1mほどずり落ちました(^^;。
 主尾根上まで戻る(往復8分ほどロス)と、やはり直登路があり、2〜3分で、北への下山路が分岐するピークに登り着きました。ここには「松葉山」の山名標識がありましたが、松義山の山頂(最高点)はここから1〜2分、僅かな膨らみを一つ越えた先のピークです。


 松義山にて。


 松義山には山名標識はなく(残骸らしきものはあり)、コンクリ製の「三井金属鉱業K.K.」の標柱があります。椅子代わりになるようなものは見当たらず、殆ど地べたのような気の根本に腰かけて弁当タイム。弁当は剣ヶ峰の予定でしたが、疲労により食欲が湧かず、ここまで持ち越し。展望はありませんが、あとはほぼ下るだけなのでのんびり大休止。
 分岐ピークまで戻り、北側へ下ります。
 今まで殆ど終始、落葉低木の雑木林でしたが、下りの途中で右へカーブすると植林帯となります。尾根道ではなくなり踏み跡もやや不明瞭な箇所もありますが、短い間隔で木にピンクリボンが巻かれているので、ルートとしては明瞭です。
 最後に、電気柵内側から出る扉、再び入る扉、すぐまた出る扉を開閉して通過すれば里道に出合います。

 3連扉の電気柵を振返る。


 分岐ピークからここまで、特に神経や腕力を使うような箇所もない20分ほどの下りでした。農道のようなコンクリ舗装道を道なりに緩く下って行きます。神明社を裏から見下ろせば程なく<35>に出合います。


 <35>に出るが、歩道なしでビビる。


 左折して、神明社の前を通って行きますが、歩道はおろか路側帯もないので車の通行にビビりながら行きます。地図上480mくらい行ってからショートカットのために右折して脇道に入る予定でしたが、辛抱堪らず230mくらいで右折してしまいました。
 脇道を緩く下って行くと突当りとなり「青苔禅寺」の標柱の向こうに寺を見下せます。


 脇道の突当り、「青苔禅寺」の標柱の向こうに寺を見下ろす。


 すぐ右の階段を下って進めば、左手に石仏群を見た後、寺に突当たるので、右側から寺の外側を迂回して行きます。桂川と並行する道に出たら左へ行けば<35>に出合いました。(※地図上で計測すると、当初の案ではずっと<35>を行くのに比べて310mの短借でしたが、実際に歩いたコースは80mの短縮にとどまりました。しかも、ずっと<35>そのまま及び当初の案では前半に標高差3mほどの登りがあった後はほぼ下るばかりだったのに対して、今回歩いたコースでは終盤13mほどの登りがありますので、ずっと<35>を行くよりむしろ労力は大きい感じですT_T)。)
 後は、往路の逆コースで上野原駅へ戻りました。

 距離も標高差も小さいコースですが、一般的なハイキングコースより手強い部分を含むため時間がかかってしまいました。健脚者なら3時間も掛からないと思います。でも逆に言えば、このスケールなので、体力が無くても、日没など気にせず、密度の濃いハイキングを楽しめたと思います。東京近郊でお手軽に、丘歩きではなく山登りした気分を味わえる、お勧めの穴場コースです。それと、山中は下降路の下部以外、大部分が明るい雑木林だったのもポイント高いです。
 尚、帰宅後の筋肉痛は一般的なハイキングコースを6〜7時間(15〜20km)歩いたのに匹敵するものがありました。急な部分に水平に足を置ける場所が少ないので、息を整えたり、目先のルートを選択したりで停止している間も、バランスを取ろうとして四肢のうち2〜3本には力が入っていたためと思われます。



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