八幡山から鐘撞堂山～遺跡の森館(寄居)

2025年4月22日(火)晴後曇

〇体力度Ａ神経度Ａ (歩行合計約３時50分)
◇５万図　寄居高崎
□筆者参考文献　「埼玉県の山」(2016 山と渓谷社内田鍈一)

　鐘撞堂山はちょっと遠い割にお手頃感のある山です。最初に行ったのはいくつかの参考書で一般的な大正池を経る谷を詰めるルートで、その後、南の尾根の仕事道を辿るバリエーションルートなど歩きましたが、今回は東側、桜沢駅の西の神社記号のところから始まる尾根を登る事にしました。
　地図を見ると鐘撞堂山の北の方に「遺跡の森総合公園」を発見。これらを結ぶ散歩も面白そう。一般的な下山ルートは円良田湖や羅漢山を経由して南の波久礼駅等や寄居駅へ至るものですが、今回は円良田湖の上流の谷沿いの道(県道<349>)を北へ辿り峠を越えて、遺跡の森総合公園・松久駅を目指しました。(文中、単に「地図」との表記は地理院地図を指し、※は帰宅後調べて得た知見です。)

　神社(※櫻澤八幡大神社)へは秩父鉄道・桜沢が最寄り駅ですが、東上線利用のため乗換えてわざわざ一駅乗る程の距離ではないので、寄居駅から歩きます。北口を出て北上し、R140を東方へ。三差路を直進で道はR254となり、すぐ先左手に神社の入口がありました。

櫻澤八幡大神社(鳥居の扁額では「八幡宮」)
　境内を通って右手からぐんぐん登って辿り着く最初の200m圏峰には「登山道緊急時ポイント　八幡山①」の立て札があります。ベンチで小休止。

最初の200m圏峰(※上記参考書では「八幡山」)
　この先、この規模の山の割には大きく下るのでちょっとガッカリ。鐘撞堂山への単なる登り道ではなくミニ縦走と考える事にします(^^;。
　その後登って行くと左前方の樹間に裸地とビニールハウスのようなものが見え「こんな所に畑？」と思いましたが近付くと伐採地でした。多数の切り株にビニールが被せられており、「害虫のくん蒸作業中です」と説明が書いてありました。

左側が伐採地の道を登る
　伐採地の横を登って行けば2つ目の200m圏峰。地図上、右(東北東)へ80m程にある三角点(198.1m)に寄って行きます。途中、石祠がありましたが位置的に登山口の八幡神社の奥社なのかどうかは微妙。その先の三角点標石には「四等」と彫られていました。伐採地ピークに戻って先へ進みます。
　200m圏峰のアップダウンが更に一つ二つと続きます。地図上南北に池がある200m圏峰には、「登山道緊急時ポイント　八幡山⑦」の立て札。「八幡山」は地図上４つくらい並ぶ200m圏峰の総称かも知れません。
　ここを下ると木段が現れ、いよいよ鐘撞堂山本体の登りと感じられます。木段は平らなので、ハードル状になりがちな丸太で土留めした階段より歩きやすいです。
　少し登ると一旦平坦になってその後山頂まで標高差約110mの登りとなります。この辺は新緑の緑とツツジの朱色が目を楽しませてくれます。

新緑とツツジの道
　山頂に付くと平日なのに人、人、人。ざっと数えて50人くらいいそうです。樹間に外秩父方面が望まれますが、木が育つにつれて展望は狭くなっていってる感じです。座って弁当を食べる適地が見つからないので木製の低い展望台へ。ここは中途半端な高さで木の枝に展望が遮られるせいか人がいません。これ幸いと、ここのベンチでそそくさと昼食。

展望台から山頂の四阿を見下ろす
　下山は北へ。すぐ一つのコブを越えますが、その後は登りらしい登りがないほぼ下り一方の道です。林道に出合ったら右へ行き、道なりに下ります。

美林の中を行く
　里道に下り着き、橋をを渡れば県道<349>に出合います。左は円良田湖畔を通って波久礼・寄居方面ですが右へ行きます。
　のどかな田園風景に癒されながら緩く登って行けば左手にアンテナ塔のある辺りで無名の峠を越えます。その先緩い下りとなりますが今日は少し暑いですし、鐘撞堂山から40分以上歩き続けているのでそろそろ小休止したいところ。座る場所を求めて先へ先へと行きますがベンチのようなものはなかなかなくて、小規模なソーラー発電所２ヵ所の横を過ぎ、天神川を渡った先のＹ字路を右折して右にある神社記号を目指します。
　鐘撞堂山から80分ほども歩いて辿り着いた神社(「西大澤神社」でした)の鳥居前には小公園があってベンチで休憩。水飲み場があって手を洗う事も出来ました。

西大澤神社
　やや長めの休憩の後、順路に戻ります。
　R254を渡ったら最初の交差点で右折。「遺跡の森総合公園」に入り、左に運動場を見ながら坂道を登って行けば右手に「美里町遺跡の森館」があります。入場無料の常設展(土器や埴輪など)を見学しました。

美里町遺跡の森館前の道
　遺跡の森館の前の道をそのまま進みます。右手には体育館や保健センターなどの箱物が並んでいます。運動場の周りを半周くらいした所で右折して公道へ出ます。
　突当り(ずれた四辻)で右折して進み、その先指導標がある交差点で左折して道なりに右カーブして行けば左手に久松駅があります。

久松駅
　この辺り1時間に1本くらいしかない八高線ですが、運よく10分も待たずに高麗川行に乗る事が出来ました。東京近郊では珍しいディーゼルカーです。

　実は、今回の八幡山からの登路が上記参考書に掲載されているのを知ったのは帰宅後です。「埼玉県の山」旧版(1993)や「東京付近の山」、「東京周辺の山」では全て大正池経由のルートが紹介されていたのでうっかりしました。実際歩いてみると道の仕様はメインルートと変わりなく、バリエーションルートのつもりがサブルートでした。多くのガイドブックに大正池経由が掲載されているのはそちらの方がアップダウンがなくて楽だからでしょう。
　標高と距離からは休憩や三角点往復込みで1.5時間程度と見込んでいましたが2時間以上かかってしまいました。地理院地図の断面図で調べてみると、累積標高差は大正池経由は標高差通りの231mなのに対して八幡山経由は下り区間がある分増えて401mですから、30分程度多めにかかったのは納得です。(効率的に登れる斜度なら標高差100m15分が目安です。)
　それでもお手軽コースの域は越えていないので、鐘撞堂山2度目には是非お勧めしたいルートです。登山だけでそれほど疲労を感じる山でもないので、散歩が好きな人には下山後の久松への里歩きもお勧めできます。

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