仙洞寺山から宮ヶ瀬(丹沢・道志)

赤のルート


                         2000年 1月22日(土)晴

(京王線・橋本からバス)三ヶ木BT1047…林道入口1105…周回路1138…1206仙洞寺山1225
            (200)   18 (220)   33 (450)  28  (・583)

…渡戸BS1313…虹の大橋1352…1410宮ヶ瀬公園(宮ヶ瀬BTよりバスで小田急線・本厚木)
48(270)   39 (320)   18   (310)

                          体力度A 神経度B(歩行合計約3時間10分)
◇5万図 上野原
□筆者参考文献 「中央線の山を歩く」(新ハイキング社) 

 南高尾山稜を歩いていると、途中南面が見渡せるベンチがあって、そこから目立つ小ぶりな三角形の山が仙洞寺山です。端正な三角形に見えるのは、尾根を縦に見ているからですが、実際それなりに独立峰的ではあり、地形図を見ると北の麓から登って行く林道が中腹では山体をぐるりと周回しているいるのが特徴的です。山頂まで登山道があるようなので行ってみました。

 三ヶ木(みかげ)BTは、東京方面からJRや京王の橋本駅を経て、丹沢や道志方面へ入山する際のバス乗り継ぎ点となっています。今回は、ここから直接歩き出します。すぐ先の交差点から、バス通り(R413)を南下、やがてR413が右に道志川沿いに行くのを見送って更に少し南下すると神社の先で、右手奥に「通行止め」のゲートを発見。ここが、仙洞寺山林道入口です。ゲートの横を通って登り始めます。途中、林業従事者に出合いましたがつまみ出される事はなかったので、徒歩での進入は問題ないようです(^^)。
 この林道は、適度に傾斜があって結構無駄なく高度を稼がせてくれます。ゲートのおかげで車も通らず、気分の良い道です。登るにつれて、南高尾山稜やその左に続く小仏城山、更には笹尾根の展望が広がります。やがて、周回路部分に突き当たれば、右へ3分ほどで稜線に着き、左へ山頂への登山道に入りますが、残念ながらこの辺はレジャー施設として造成中のようで、土木機器が置かれ、丸太などの資材がストックされていました。しかし本日、筆者の周りに人の気配はありません。
 尾根上の道は始め左側が伐採地のため、足下の集落から津久井城山方面、その先に多摩丘陵から関東平野の展望が開けます。伐採地が終わると五万図540m等高線ピークを越え、仙洞寺山山頂への登りとなります。登りがやや傾斜を増した頃、落ち葉や藪で道がやや不明瞭になりますが、歩き易い所を選びつつ尾根に沿って行けば意外に広い仙洞寺山山頂に着きました。山頂に標識はなく、樹木に囲まれているので、周囲を歩き回って、尾根続きにここより高いピークがないことを確認して、ここが山頂であると判断しました。


 山頂への道、伐採地より津久井城山方面。


 尾根道は、ここから先、樹間から見える丹沢の焼山方向を目標として今までよりやや右方向へ進みますが、始めは歩き易い左手へ進み、その後右へ回り込みます。始めは、尾根がはっきりしない急降下の上、藪っぽいのでルート探しに注意を払っていきます。やがて、尾根がはっきりしてきますが、相変わらず道は不明瞭になり勝ちなので、とにかく尾根を外さないように下って行きます。周回路を横切ってからは、道はかなり明瞭になりますが、樹間の丹沢方面の景色を愛でつつホイホイ下ってしまい、本日の予定ルートであった三角山(五万図上515.0m三角点ピーク)への右手分岐を見過ごしてしまいました。方向が東寄り過ぎておかしいことに気付いた時は、既に麓の民家が目の前でした。参考文献にも分岐に注意するように書いてあったのですが、難路から解放されて気が抜けてしまっていたようです。5万図で見るとこの辺の等高線は菱形にゆがんでいて、間違って入った支尾根の方が主稜線より尾根らしい形をしています。引返しても大したことはなさそうでしたが、計画のルートにもたいした必然性はないのでそちらはまた次回の課題として、そのまま下ってしまいました。やがて、墓地の前から畑の中の道を下り、集落の中、道を拾っていくと三ヶ木と宮ヶ瀬を結ぶバス通りに出合い、右へ僅かで渡戸BSでした。
 さて、本日はまだそれ程歩いてもいないので、バスを待つのも退屈です。北へ三ヶ木へ歩き戻るのは、1.5時間くらい掛かりそうで、どうせ歩くなら景色を眺めながら山の方へ入って行く南下する方を選びました。五万図で見ると宮ヶ瀬湖までは意外に近いですし、宮ヶ瀬からバスの便があって、本厚木から小田急線経由で帰れます。
 バス通りから振り返る仙洞寺山はこじんまりした感じの独立峰です。バス通りを道なりに進み、やがて左へ登って行くと渡戸BSから30分程でT字路に突き当たります。もうここは宮ヶ瀬湖の北岸近くですが湖は柵の間から僅かに見える程度です。T字路左方の道はダム建設用の道路で一般車通行禁止。右方が宮ヶ瀬方面への道で、10分程で宮ヶ瀬湖上に架かる「虹の大橋」を渡り始めますが、名前から想像するほど大規模ではなく、また金網のため渡りながらの景色が楽しめません。橋を渡った先から湖を前景に仙洞寺山望む事が出来ました。


 宮ヶ瀬湖から仙洞寺山を振り返る。


 更に歩き進めば宮ヶ瀬公園です。飲食店・土産物店当があり、公園の南端に宮ヶ瀬BTがありますのでここからバスで本厚木に出ます。ここからは正面宮ヶ瀬湖の対岸に仏果山塊が望まれます。仏果山塊は地域としては丹沢山地に含まれますが、丹沢山地本体とは顕著な地溝で隔てらた、独立した小山脈を形成していて、その主稜線は日帰り可能ないい感じの縦走路となっています。
 宮ヶ瀬公園にはビジターセンターがあり、そこに掲示されていた新聞記事から宮ヶ瀬湖が自然破壊と引き替えにもたらしたものは建設費負担による水道料金の値上げ以外の何者でもない事が明白で超ムカツきました。計画当時の水需要からは、新たな水資源確保が必要だったらしいのですが、その後経済の低成長や人口の伸びの鈍化により水需要が計画より大幅に下回っても、役人は「もう計画が決定した」という理屈も何もない理由でに建設を強行したとの事。これは役人・政治家・関係土木業者には作ること自体が飯の種なので、役に立とうがお荷物になろうが巨大土木プロジェクトは常に一定量推進し続ける必要があると言っている訳です。そんな一部の利益だけのための税金の無駄遣い&自然破壊を止められないのが日本国民のレベルなのは悲しい事です。



▲項目索引▲
◎トップページへ戻る◎