2001年 1月 4日(木)快晴 JR・芝川1122…巡沢橋1157…1254五輪の大榧周辺1317…1355大鏡山1400…車道1420 (70) 35 (70) 57 (350) 38 (△564) 20(380) …1515銚子口の滝入口(滝見物の遊歩道片道3分)1533…1645JR・由比 55 (200) 72 (15) 体力度A+ 神経度B- (歩行合計約5時間00分) ◇5万図 富士宮 吉原 元旦に「青春18きっぷ」を買ってしまいましたので、風神山(日立)に続くJR利用第2弾は静岡県芝川町の大鏡(だいきょう)山にしました。芝川町内房(うつぶさ)の山でまず目に付くのは富士川右岸にピラミッドのように聳える白鳥山(568m)ですが、それとほぼ同じ高さで内房の南端の方にもう一つあるのが大鏡山です。五万図「吉原」上、ハイカーで賑わう浜石岳から北20゜東、距離5kmの付近にある564.3m三角点の無名峰がそれです。 白鳥山はハイカーに登られているようですが、こちらは登る人も希です。ただ、父の実家があった大晦日(おおづもり)集落がこの山の中腹にあり、昔、父に案内を頼んで登ったことがあります。その時通った道は忘れましたし、今も道があるかどうか分りませんが、逆に「小さな冒険」が楽しめますので、藪漕ぎ覚悟で、五万図とコンパスとKKD(経験と勘と度胸)を頼りに出掛けてみました。 東海道線富士で乗換えた身延線鈍行は殆どが西富士宮止りなので、それに乗って一旦富士宮で下車して1時間ほど時間を潰してから甲府行を捕まえて芝川下車。駅前から左へ行きます。そのまま行っても300mくらい先に踏切があるのですが、すぐの踏切を渡り、富士川側を正面に白鳥山を見ながら歩きました。やがて、駅前から来た道が右から合わさります。およよよよ!、間もなくないと思っていた瓜島行の町営バスに追い越されてしまいました。これに乗れば巡沢(めぐりさわ)橋付近までが短縮されます。しかし長い橋を渡った後、左に土手の上の道に入り、背後の富士山を眺めながらのんびり歩くのも悪くありません。 土手の道から富士山。やがてまた車道に出て左へ行きます。この道は瓜島を経て興津まで通じていますが、巡沢橋を渡ったところで左大晦日方面の林道に入り、まずは「五輪の大榧」を目指します。道は巡沢川左岸に沿って初め東へ、やがて南へ向かって山腹を登って行きます。小尾根を回り込みながらくねくねと登って行くと時々富士山も見えます。やがてロータリー状に切通しの作られた三差路では、昔の記憶では車道自体も右へ行った方が近道なうえ、ショートカットの小径もあったはずなのですが、看板の「五輪の大榧」は左方向を指しているので、それに従い行きますと正面に「芭蕉天神宮」の門柱があり、右へ左へまた右へと登って道が平坦になると尾根が低くなって尾根上の道となります。北へ向かうその道の末端が広場になっていて、県天然記念物「五輪の大榧」があります。この辺は幅の広い尾根の真上で正面に富士山が見えるのですが、写真を撮るには広場の奥の民家や電線が邪魔。庭に入らせて貰って建家の向う側からなら見晴らしが良さそうなのですが、デジカメじゃあそこまでして撮る事もないので、大榧の左奥、「タブの木」付近から篠井山と十枚山を撮影。 タブの木付近から篠井山と十枚山。父の実家(現在廃屋)は更に50m位北の東斜面にあり、その先の尾根上からはかつては麓(富士宮)から山頂剣ヶ峰レーダードームまで見える富士山を中心に素晴らしい展望があったのですが、行ってみると木が育ってしまって富士山の上部や愛鷹連峰越前岳付近が見える程度でした。 五輪の大榧に戻り、いよいよ本日のハイライト、大鏡山です。来た道を100mくらい南に戻ると尾根が高まるため車道が東側に逸れて行きます。その辺りに民家があり、その手前に尾根行く小径を発見したので、そちらに入ります。(ここから、山頂まで殆ど植林帯で好展望はありませんでした)この道もやがて尾根を離れて西側を巻き登っていきますが、まだ山頂はだいぶ南の筈なので、下りに転じない限りこの道を辿ることにしました。しかし、その後道は水平になり、浅い谷に回り込んで左手の尾根はコルらしき地形に見えましたので、この辺で尾根に取付くことにしました。斜面を直登しますが、間伐済みで、下草もないので難なく尾根の上に立てました。 コルから見て北側に比べて南側の方が高そうなのでまだ山頂は南のようです。道のない尾根上を南に進み、次のピークに着くとまた、次のピークがありました。そんな感じで低いコブを2つくらい越えていくと、少しだけ藪があり、その次のピークへはやや長い登りです。上部は植林がやや幼くまだ密度も高いのでやや歩きにくい道です。さて、この先ここより下がっているので、ここが大鏡山頂かと思いましたが三角点が見つからないし、左手が藪でその先がどうなっているか判らない。五万図を見ると三角点は南南東方向に細長い頂稜部の一番南端にあります。そのひとつ下の等高線はやや広めの輪になっていて、こういう場合山頂付近には等高線に表われない小さなピークがいくつもある事が多いので、少し先へ下ってみると、左手の藪が低くなり、その先に植林帯が広がって、やはり更なる高みが発見出来ました。僅かな藪を横切って植林帯を登って行くと、地形図通りの細長い頂稜部に登り着き、その南端は更に高くなっていて頂上に三角点標石がありました。植林帯の為展望皆無ですがこの付近も間伐や下草狩りが行き届いていて、歩くのに不自由はしません。 大鏡山の三角点。あまり長居しても仕方のないような所なので下りをどうするかの結論が出たらすぐ下り始めました。周りを見渡しても赤テープ等でマーキングしてあるような道はなさそうなので登りのルートを車道の所まで戻るのが一番確実ですが、由比へ下りたいのでルートとしては尾根を南へ下るのが理想です。見た感じ、いい感じの傾斜で道(と言っても踏跡はないのですが(^^;))が下ってっているし、どこかで視界が開ければ浜石岳や駿河湾も望めるはずです。しかし、もう14時で、この時期山中で活動できるのは16時頃までと考えると、万一車道へ出る前に崖などの通行不能箇所があった場合、戻る距離が短い方が安全なので、一番車道に近い東側へ下ることにしました。 滝があったりするとその先へ下れないので、未知の沢には入らないのが鉄則ですから、勿論、尾根を辿って行きます。ただし、山頂からはっきりした道(今回の場合小径については全く知見がないので車道)までの距離が長いと、尾根を下っても短い尾根に入ってしまうと両側の沢が合流して結局沢に入ってしまうなんて言う事態も起きますので地形図をよく見て下ろうとする尾根を見極めなくてはなりません。始めは目的の尾根に入っても藪の薄いところを選んで行くうちに枝尾根へ迷い込み、結局沢に下りてしまうへなんて事もあります。かなり下ってから戻るらざるを得ないと既知のルートが長い場合日没との競争になってとんだクロカンレースをする羽目になります。ルートが短ければ迷う元となる尾根の分岐自体が少ない上、体力・気力を消耗し、時間もかかる藪漕ぎが続いても迂回を考えず、方角優先で突破出来る度合いも高くなります。 さて、東へ下っていくと送電線巡視路の黄色い杭を発見。ラッキー!。「この道を下れば楽勝」と思って下って行くと、およよよよ!、やがて道は左折して水平道となり沢へ突っ込んで消えてしまいました。左折したところまで戻り、引き続き正面の尾根に入りますが、この辺は藪が出てきています。尾根上には踏跡とも言えない足跡がかすかに残っているのが安心材料ですが、藪漕ぎが続いてなかなかはっきりした道に出合わないとやはり不安になります。しかし、再び下草が刈られている場所へ出て、植林の間から待望の車道が望まれて一安心。ところが、道なき道を下って小径を経ずに直接車道に出るときの定番として、最後が崖になっています。まあ、下草が刈ってあるのでどこかには道があるはずですが出来れば目の前の道路に下りたい。3m程なのでロープがあれば簡単ですが、持ち合わせていません。しかし、左右を探すと少し左へ行った辺りは比高2m程で崩れたようになっているところもありましたので、そこを下って無事車道に下りることが出来ました(^^)。 ここから小さな流れに沿って車道を下り始めます。7分くらいで左後方に福沢経由の道を分け、久保山、桜野入口、槍(うつき)野入口と辿っていけば右下の沢に銚子口の滝がありますが、車道と沢が左へカーブしているために、車道からは一瞬上部が見えるだけで正面を見ることは出来ません。しかし、数分先に「銚子口の滝入口」と表示がありますので、滝見物のための遊歩道を滝方向へ下って行けば、上から2段下の正面に出ることが出来ます。道はそこから下り、更にひとつ下の段を見ることが出来ますが、そこから先が通行止めでそれより下の段は見ることが出来ません。 銚子口の滝上2段。更に下2段(?)あり。入口まで戻り、再び車道を下って行くと右手に浜石岳山頂北のアンテナピークや崖崩れの部分が見えて、のろし台から登った時の事を思い出しました。更に少し先で視界が開け、駿河湾が見え、またミカンの上に頭を出す富士山に再会します。道は左右にカーブしながら(1カ所ショートカットあり)高度を落として、福沢方面からの道と合流します。 後は道なりに下って東海道線に出たら手前を右に行けばいいのですが、新幹線の少し手前から右に入る道があったのでそちらへ行き、新幹線の下をくぐって行けばツナ缶など製造している「いなば食品」の前を通って広い道(旧R1)と交差します。これを右へ行ってもいいのですが、駅入口を見逃さないように更に一本先の線路沿いの道まで行ってから右折しました。「由比駅まで800m」等の標識を見ながら駅まで歩く途中には、名産の桜エビを売る店の前を何軒も通過しました。 ▲項目索引▲ ◎トップページへ戻る◎ |