底沢〜明王峠〜奈良本尾根(中央線)

2024年2月18日(日)曇




〇体力度A+ 神経度A (歩行合計約4時間40分)
◇5万図 上野原
□筆者参考文献 過去の拙報告


  奈良本尾根は以前(02.02.24)一度歩いていますが、もう具体的記憶はないし印象は良かったしで、逆コースでまた歩く事にしました。ただし、趣向として矢ノ音へは与瀬神社からではなく、底沢〜底沢峠〜明王峠〜矢ノ音と辿る事にしました。(文中、※は帰宅後調べて得た知見です。)

 相模湖駅からバスに乗り底沢下車。2km程なので接続が良くなければ歩いても良い。



 R20大垂水峠方面から左折して、小仏峠方面への線路の右側に沿って歩く。程なく線路をくぐって左側へ逸れ底沢を目指す。中央道の下をくぐるが、西側で新たな橋の建設工事をしている。やがて「陣馬山 明王峠」の指導標に従って右折すればすぐ左手に登山口がある。



 民家の間の路地から石段となって本格的な登りが始まる。尾根末端の常としていきなりジグザグの急登から始まるので、意識的に歩幅やペースを落として後々に備える。植林主体だが、竹林が現れたりもする。やがて登り着いた489m標高点峰には「山王山」の標識があった。ここで休憩。



 また登って行くと笹に囲まれたりもするが植林主体の道が続く。主稜線に登り付けば奥高尾縦走路に出合う。ここで休憩。ここが、底沢峠かと思いきや、その表示があるのは、50mほど明王峠寄りにある北側への下降点だ。そこに南側へ道はないから、先ほど登ってきた道と縦走路約50mと合わせてクランク状の峠道となっているようだ。



 縦走路を西へ緩く登って行けば明王峠。この辺りが本日の最高点だ。「峠」と言いながら主稜の横方向へ下る道は南側だけだ。ピーク上だが穏やかな膨らみなので「ドッケ(突起)」がなまったものとも考えにくい。
 ここはテーブルや丸太の腰掛があるのでそれを利用して休憩。比較的早い時間帯の為か、休日の奥高尾縦走路にしてはすいていた。本日、コースの所要時間の割に早出したのは、人があまりいないであろう矢ノ音633m峰で昼食タイムにするため。今のすき方ならここで昼食にしてもいいが早すぎるし、ここに昼時に来たら混雑して落ち着いて食事出来ないだろう。



 南へ下って行く。雑木で明るく雰囲気のいい道だ。この道も準メインルートと言ってよく、与瀬神社へ下る人またはその逆コースの人も少なくない。
 しばらく下ると車道が尾根を横切っていて、傍らに見た目かなり年季が入っている石碑が立っているが林道完成記念碑なので古代のものではなさそう。
 その先で、与瀬神社への本線は左へ巻いていて、右・奈良本尾根方面への巻道もあるが中央・尾根上の道を登って行く。前回の筆者参考文献 「中央線の山を歩く」(藤井寿夫) ではこの辺りの分岐点を「矢ノ音」としていたが、その後見たいくつものガイドブックやネットの情報では皆、633m標高点を「矢の音」としている。
 僅かな登りでほぼ平坦な頂稜部となるが、標高点はその南端近くで最高点かどうか判らない。気象観測施設があり「藤野町十五名山 吉野矢ノ音」の標柱が立っている。



 切り株のような椅子(テーブル?)がいくつかあり、他に人がいないので適当に選んでガスバーナーの台や紙コップ、弁当の置場にして昼食タイム。樹間から陣馬山や笹尾根東部が見える。



 ゆっくり休んで出発。昼食を済ませたら「本日のメインイベント終わり」の気分になってしまったが、ここからが本日二つ目の核心部:奈良本尾根だ。(一つ目の核心部は筆者未踏だった底沢〜奥高尾主稜出合。)
 前回の情景は全く記憶にないが、印象通り雑木が多くて明るい気分の良い道だ。633m標高点付近からの下りが終われば、緩いコブも殆ど巻いて、アップダウンが非常に少ない道が続く。次の目標地点:イタドリ沢の頭(505.9m三角点峰)へもこちら側からは殆ど比高がない。



 イタドリ沢の頭で本日2度目のバーナータイム。お湯を沸かしてインスタントコーヒーを飲んだが、ガスバーナーの威力は凄い。紙コップにインスタントコーヒーを準備している間に沸騰した。以前のマナスルケロシンストーブに比べて準備が楽なだけでなく火力も強いようだ。ガスバーナーに駆逐されてケロシンストーブが趣味の品(大人の玩具)扱いとなってしまったのも頷ける。



 あとは登山口までほぼ下るばかり。途中1ヵ所だけ、いかにも滑り易そうな土の坂があったがトラロープが設置されていたのでそれに頼って滑らずに下れた。
 登山口近くまで下るとJR送電鉄塔があったのでそのコンクリ−ト基礎に腰かけて最後の休憩。鉄塔の敷地だけでなく周りも畑地で大きく開けているので開放感のある場所だ。正面に中央道の高架橋、その奥に石老山方面が望まれる。



 奈良本尾根の登山口に着く。普通ならこの後駅まで緩い下りか平らな道だが、ここより藤野駅の方が標高が高い。しかも、細い尾根をトンネルで越えて行くので最後に来て再びはっきりした登りがあるのはちょっときつい。



 トンネル入口には「隧道内歩道あり」の表示があるが、白線と小さくて低いマーカーで仕切っているだけで段差もガードレールもないので車が来るとその音だけでもビビる。



  トンネルを抜けたら踏切を渡り、線路沿い右へ僅かで藤野駅の駅舎だ。


 数日前の天気予報では終日晴、前夜の予報でも早朝雨だが昼前には晴れるはずでした。実際、雨はとっくに止んでいましたが、一時薄日が差した程度で、終日曇りでした。ただ、晴れていてもすっきりした展望の得られるコースではないので落胆度はそれほどでもありませんでした。
 全般的にいいコースで、特に奈良本尾根は樹間に山や里や相模湖を見ながらのんびり歩けて気分の良い道でした。もっとがっつり歩きたければ、奈良本尾根から登って明王峠から陣馬山まで行く、またはその逆コースもいいと思います。



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