2000年 5月27日(土)曇晴れ間有り 京王線・高尾山口810…915高尾山930…1015城山1025…1105景信山1110…堂所山1154… (190) 65 (△599) 45 (・670) 40 (△727) 44(・731) 18 明王峠1212…1245陣馬山1304…和田峠1316…醍醐丸巻道分岐1340…1441市道山1449… (720) 33 (△855) 12 (695) 24 (740) 61 (△795) 58 1547臼杵山三角点1552…1658元郷BS (△842) 66 (260) 体力度B+ 神経度A+ (歩行合計約8時間15分) ◇5万図 八王子 上野原 五日市 □筆者参考文献 「東京付近の山」(実業之日本社) 「東京周辺の山」(山と渓谷社) 今月、ハイキングに行ってないので心と体が緑のシャワーを欲している。今日は、天気は下り坂で夜になったら雨の予報ですが、朝起きた時点では陽も射しているし、どこかお手軽で尚且つ多少は歩き応えのあるコースへ行こうと思いました。 高尾山から陣馬山に続く奥高尾縦走路は、遙かなる三頭山から続く都県境尾根笹尾根の終末部に当り、都民の定番ハイキングコースです。比較的便利な奥多摩や丹沢より更に交通至便で、新宿から1時間弱で到達する京王線・高尾山口駅が出発点(あるいは終着点)であるにも拘わらず、明るく伸びやかで風光良くコースはなかなかのものです。しかし、そのため人出が多いのは当然の事。静かな山歩きを好む筆者としては、良さと便利さの割には訪れなくなってしまった地域ではあります。 今回、「お手軽で尚且つ少々歩き応えのあるコース」という事で飛びついてしまったのに拘わらず、普通に和田峠で終わるのでは、ありきたり過ぎると思い、戸倉三山の市道山〜臼杵山へつなげる事を考えました。しかし、そうしてみれば結構ロングコース。後半、天気と日没を気にしながらのやや心細い山旅となりました。 長いコースの場合、出来るだけ出発点を奥深い地に、後半を交通の便利な地にするコースの方が、安心して歩けますので、筆者の場合、大抵はそうしているのですが、今回、出発点のお気楽さが勝って、いつもと逆に取り付きやすい方から入ってしまいました。交通至便を生かしてあと1時間早く出発すれば後半部もじっくり味わえたでしょう(^^;)。 ケーブル駅の手前から、左手の稲荷山コースへ入ります。この道は、尾根通しで、時々展望もあるのでケーブル駅−高尾山のルート(他に6号路琵琶滝コース、1号路表参道、ケーブル利用・リフト利用の各ルートあり)の中でも筆者の最も好むところです。途中、ルート名の由来かどうかは判らない稲荷や、都心部方面が見渡せる四阿ピークや南高尾・丹沢方面を見渡せる場所で写真を撮りながら進めば右手の谷を通る6号路が近付いて来て詰めの段階が近い事を知ります。ルートが右へ回り込み、最後の階段に一汗かかされれば、高尾山山頂の一角ですが、折角なので右へ50mほどの三角点を往復してきます。山頂の展望は十三州大見晴台という割には、立木や建造物のために、普通には茶店の横から富士山方面が見える程度です。 いよいよ陣馬山方面へ縦走開始(奥高尾縦走コース)。山頂直下の下りが終わると左手に大垂水峠への分岐がありますが、そちらへ行っても実は一度合流します。その後も何カ所か巻道が現れますが大してパワーセイブにもならないので陣馬山までは風光の良い(あるいは巻道よりすいている(^^;))尾根通しの道を採ります。城山、景信(かげのぶ)山と好展望のピークを踏んで行きます。景信山は山頂手前が茶屋の敷地になっていて、飲食物を注文しない人には居心地が悪いのですが、東の縁からは、辿ってきた尾根や、右に丹沢大山、左に北高尾山稜が望まれます。茶屋の奥の山頂からはこれから行く方面や奥多摩の山々が望まれます。 ![]() この先も、さほどの登り下りもありません。縦走路は堂所山の南面を巻いてしまうので、右手の分岐を見付けて登ります。この道は尾根通しではなく、巻き始めてから山腹を強引によじ登る感じで、山頂は稜線に出て少し右手へ行った所です。北高尾山稜コースに少し入った所にある堂所山は誰もいない事を期待していたのですが、狭い山頂は10数人でごった返していましたのですぐUターン。奥高尾縦走コースへの西側の合流点へは穏やかな尾根道です。 名王峠で相模湖への道を分け、陣馬山へ。流石に「陣馬高原」は大袈裟ですが、山頂は、広々とした雰囲気で、展望も広いです。冬場なら、富士山は勿論、南アルプスの好展望台でもあります。この日は、季節的なこともあって、しかも天候も下り坂で、残念ながら視界が利かない日でしたが、そういう時、目立つのはやはり先へ続く笹尾根で、生藤山方面が壁のように立ちはだかります。ただ、茶屋の陰に隠れて足下の藤野周辺の小さな山たち(藤野鷹取山、金剛山・鉢岡山)を確認することが出来なかったのは残念です。 ここでのんびりして、ここから下ってしまってもいいのですが、本日は初志貫徹で臼杵山方面を目指すことにします。ハイキングを始めて間もない頃、初めて高尾山から歩いた時にはここまで随分長く感じたものでしたが、本日予定の歩程をプロ野球に喩えるならば、5イニング終わって、残り4イニング、まだまだやっと半ばを越した辺りです。もう、午後1時ですから、日没まであるいは「夜から雨」の予報(山では、降出しが早まる事も多い)に対して、5時まではほぼ確実に行動可能としても時間的には結構タイトです。 車道が乗越し茶屋も営業している和田峠。左は和田、右は陣馬高原下方面ですが、正面から峠道に突き当たる車道へ入り100mくらい先を左手に登って行く小径が笹尾根から来る道です。このころ、晴れ間がなくなって来て天候の急変を心配させました。しばらく進むと右手に醍醐丸を巻いて戸倉三山へつながる道が分岐しますのでそちらに入ります。この辺に来ると奥高尾の遊歩道に比べると山道らしくなりますが、難路というほどではありません。巻き終わって尾根に出る頃には雑木の美林の中、緑鮮やかな道となります。 ![]() いくつかピークを越えて、最後に尾根を少し左へ外れて戸倉三山縦走路に合流したところが市歩地(いっぽち;一歩地、逸歩地などとも表記される)で、左へ200mほど登れば市道山です。山頂で休んでいると時々突風が木の葉を横殴りに浴びせて来て天候に対する不安感を煽り立てます。 市道山からの下りは、何段かあり、「こんなに下ってしまっていいのだろうか」と思わせるほど続きます。何しろ臼杵山へは下った分+山頂の標高差約50mを登り返さなくてはならないのですから、そろそろバテてきた事もあり、また、日没や天候下り坂の不安もありで余計にがっくり来る下りなのです。 やがて登り基調に転じ、臼杵山が近付いてくると尾根が痩せ、露岩が出てきたりして面白い山道となりますが、今回はそれをじっくり楽しんでいる余裕はありません。いくつか小ピークを越しながら高度を上げて行きます。 臼杵山三角点峰(南峰)で一休み。短い吊尾根を経て3分ほどで三角点峰とほぼ同じ高さの北峰に着きます。山頂には狛犬(狼、猫という説もあり)が話題になる小さな神社もあり、三角点は無くてもこちらが本峰格かも知れません。神社の手前に右へ荷田子方面への道が分岐しており、ガイドブックはそちらの道の記述が多く、以前通ったのもそちらなのですが、入口が藪っぽくて嫌な感じがしたので、今回は道なりに元郷へ下ることにしました。現在16時ですから1時間掛かっても17時。曇ってはいるものの、西の空は明るいので、余程の天候急変がなければ懐中電灯は使わずに里へたどり着けそうです。 この尾根道は意外に快適な道でした。樹間から対岸の採石場らしき無惨な山肌が見えますが、その姿は下るに従って大きくなります。かなり下ったと思う頃5万図に示されているとおりに小さな鞍部から右手の谷へ下り始めます。谷沿いの道となってしばらく行くと工事現場を通って五日市−数馬のバス通りに出ます。元郷BSは左へ僅かです。すいすい下ったので、時間短縮出来る期待があったのですが、予定通りほぼ1時間掛かってしまいました(^^;)。 本日のコースは和田峠以北も藪は殆どなく、年間を通じて楽しめそうです。比較的歩程が長いので日の短い季節には逆コースの方が、より安心して歩けるでしょう。日没時に高尾山付近まで到達出来れば1号路は比較的安全に下ることが出来そうです。 ▲項目索引▲ ◎トップページへ戻る◎ |